ようやく来た、ここぞのタイミングで本格始動

──「uka ネイルオイル」の発売から2年経っての新製品ですね。

じつはネイルオイルをつくった段階で、ハンドケアアイテムもつくろうという話はあったんです。ただ、ハンドクリームはすでにいいものがたくさん出ているので、つくるからには皆さんに納得していただけるものでないと意味がない。ですから、急がず、じっくり時間をかけていいものをつくろうと思いました。実際、時間はかかりましたね。ハンドクリームは“質感”が大事だと考えていたのですが、理想とする質感になかなか出合えなかった。テクスチャーがいいものをつくらないと皆さんによろこんでいただけない、ただひたすらにそのおもいでした。

──となると、具体的に動き出したのはいつごろですか？

ネイルオイルのときもそうだったのですが、モノをつくるにあたっては、計画的にみずから動いてというよりはタイミングで「あっ、来た！」っていう、なにかが降りてくるみたいな瞬間があるんですね。今回のプロダクトも、早くから試作は繰り返していたのだけれど、なんとなくしっくりこなくて……決してできが悪いわけではなかったんですよ、でも、スムーズに運ばなかった。

そんな時間がしばらくつづいたのちの昨年秋、オーガニックの第一人者として日本でも活躍中のCHICO SHIGETA（チコ シゲタ）さんとお会いして、ついに“降りて”きたわけです。

久しぶりに食事をご一緒して、世間話や近況報告をしているときに、「あっ、来た！」と（笑）。CHICOさんは最近、フランスのパリ市内にあたらしくラボをつくられたんですね。それで、これからは製造もやっていくとおっしゃったので、じゃあukaのプロダクトもつくってよという話になった。ハンドソープはこうで、ハンドクリームはこういう感じで、という完成形はあたまのなかにあったので、さっそく話したところ「いいじゃん、いいじゃん！」とCHICOさんも乗ってくださって。そこからは早かったですね。すぐに打ち合わせに入り、試作がスタートしんです。やっぱりタイミングって大事。いろんなものがかみ合うと大きなパワーが生まれるものだと改めて実感しています。

──ソープ、ローション、クリーム。最初からこの3つのアイテムを考えていたのですか？

当初の構想はソープとローション（やわらかめのクリーム）だけでしたが、サロンのお客さまにご意見をうかがったところ、しっかり重めのハンドクリームもあるといいなというお声が多かったので、じゃあつくりましょうと。

塩入りソープで“浄化”したら、浸透力が高いローションで“保湿”して、そのあとはネイルオイルをつけるというステップを想定していたところに、急きょクリームもつくることになったので、だったら手荒れを治せるような、リペア力が高いものがほしいとなりました。

容器はポンプ式のボトルで、ローションは一日に何回もつけてもらえるようさっぱりした質感のもの。それも、洗面所にならべて置いたらかわいくて、かつ簡単につけられるものがいいととにかく使い心地にこだわって。私自身、一般的なクリームはキャップをつけたりはずしたりが面倒くさい（笑）と思っていたので、片手でパッと使えるこのかたちに落ち着きました。

渡邉季穂が語る「uka ハンド トリートメント スパイシーズ」

毎日を気持ちよくするための“スパイス”ができるまで（2）

こだわったのは、ソープの塩、ローションのテクスチャー

──プロダクトづくりはどのように進んでいったのでしょう。

ローションは“水分補給”、クリームは“リペア力”という明確な目的があったので、ローションに対しては、さっぱりとしてべたつかないもの、吸収力が高いもの。クリームのリペア力については、CHICOさんはエッセンシャルオイルのプロなので、植物のちからで手荒れを改善できるものということでオーダーしました。

ソープは当初、透明のクリアなボトルに岩塩がひとつ入っていて、使うごとになかの岩塩が溶けていくというイメージだったんですね。でも、それは相当難しいらしくて。実際、こだわって試作を何ヵ月かつづけてみたのですが、やっぱりダメでした。きれいに溶けないんですよ。さすがに、もう諦めてくださいと言われてしまいました（笑）。

──なるほど（笑）。

ローションのテクスチャーにも苦労しました。みずみずしくなかにすーっと入っていって、そのあとサラッとさせるところで何度も足踏み。サラッとはするのだけれど、さわっているうちにぽろぽろとカス状になってしまったり、なかなか安定してくれなかったんです。結局、ローションは完成までにいちばん時間がかかりましたね。予想外のうれしい産物は、クリームの“からだをあたためる効果”です。リペア力を狙い代謝を上げる処方にしたことで血行が良くなり、つけてしばらくするとポカポカに。

使い方は自由です。3アイテムをフルに使うのはもちろん、「ソルト」と「ペッパー」だけでもよいですし、3つにネイルオイルをプラスしてもいい。その日の気分でケアするという考え方でまったく問題ありません。

タイミングについても、基本的にはソルト、ペッパーは日中に使って、「バター」は夜寝る前の使用をお薦めしていますが、バターを朝に使ってもまちがいではありません。とくに、かかとやひじ、ひざなど乾燥が気になる部分にはたっぷり塗ってください。

ローションの「ペッパー」は、ネーミングが先だった

──パッケージについてのこだわりは？

まわりからは「ユニセックスにつくったね」と言われましたが、そもそもデザインうんぬんよりも、どこにどう置くかをいちばんに考えていたので、結果こうなりましたという感じです。色についても、ポンプ式のボトルとなると洗面台の横に置かれるはずで、できればレストランなどにも置いてもらえるとうれしいと思っていたので、自分がごはんを食べにいくお店のトイレでいつも想像していたんですね、何色が合うだろうって（笑）。

トイレって、白いタイルが多いじゃないですか、あとは木目とか。それらに合う色といえば、やっぱりこげ茶。洗面所に限らず、どんな部屋にもしっくりハマると思いますよ。一日何度も使うハンドローションはリビングに置いてもインテリアのじゃまになりません。

──ネーミングもユニークですね。

ソープには塩と決めていて、浄化とか邪気払いとかばかり考えていたので、当初は名前も、浄化の“浄”とか、日本語がいいなと思っていたんです。

でもスタッフたちから、そういうスピリチュアルなほうにいくのはどうなのか、女性が使うものだからかわいいもののほうがよいのではないかという意見が出て、「たとえば塩ならソルトでしょ。で、クリームはバターの質感だから、ソルト、ペッパー、バターはどお？」って。

ソルトはOK。バターもいいけど、じゃあペッパーはどうしよう？　ということでCHICOさんに相談してみると「黒コショウのエッセンシャルオイルを入れてみては」と提案されたんです。さっそく試作してもらったら、ほどよくスパイシーで、とてもいい香り。即、決定でした。

揉むように洗い、手の甲を中心に、指先までまんべんなく保湿して

──効果的な使い方のポイントがあれば教えてください。

とにかくテクスチャーにこだわったので、まずその質感を確認していただきたいですね。

ソープの「ソルト」は、ちょっとぷるんとした感じで出てくるんですけど、すぐにもっちり泡が立つわけではなくて、徐々に徐々に細かい泡が立ってくるので、さっと洗ってしまうのではなく、手を揉むようにして洗浄してください。洗い流したあとは、海から上がってきたときのようにちょっとペタペタした感触になりますが、やがてさっと乾いてサラッとなる。その変化がソルトのいちばんの特徴です。

ハンド＆ボディソープ「ウカソープ ソルト」の使い方

あまりにもサラッとするので、男性に使わせると「顔も洗いたい」となるようです（笑）。まあ、顔はともかくとして、もちろんボディにはOKなので、からだがすっきりしないときは洗ってお清め（笑）してください。ソルトとおなじく邪気払いに使われることもあるセージのウォーターも配合されています。とにかく手はいろんなものを触って、いろんなものを吸収してしまうので、いつもきれいにしておきましょう。

ハンドローションやクリームについては、塗り方が大事です。見ていると、まず手のひらにとって、両手になじませてから手の甲に塗る方が多いのですが、それだと手のひらにたくさんついてしまって、ただベタベタするだけ。なので、いちばんはじめは手の甲にとって、つぎに両手の甲をすり合わせ、最後は甲に残ったクリームを手のひらなどにのばす。そうすると、全体にほどよくつくのでベタつくこともありません。

ハンド＆ボディローション「ウカローション ペッパー」の使い方

とくにローションの「ペッパー」は、天然ヒアルロン酸が入っているので、手の甲がふっくらと女性らしくなるようたっぷりと塗って。黒コショウの効果で血行も良くなるし、更年期障害に効くエッセンシャルオイルも入っているので、手首や腕までしっかりのばして、ボディローションとしてもお使いください。

とにかくペッパーは手を洗うたびごとに何度も使ってほしい。いっぽうクリームの「バター」は、とくに手荒れが気になるとき、保湿を徹底的にしたいときに最適です。アルガンオイルをベースに、抗炎症作用にすぐれるアルプス産の植物“インペラトリア”を配合。上質なバターを塗布したような保湿感で、手袋をするかのごとくつけて寝ると効果大！　ネイルクリームも兼ねているので指先にもしっかり塗ってくださいね。

ハンド＆ボディソープ「ウカバター ハンド＆ネイルクリーム」の使い方

やわらかな手を保つには、ケアを日々つづけることが大事

──最後に、ハンドケアの大切さについてお話しください。

手は道具と思っているひとが多くて、みなさん、いっぱい使うから荒れても仕方がないと最初から諦めている気がします。そういう私も、じつはいままではそうでした。でも、振り返ってみると、サロンではネイリストとしてお客さまにハンドクリームを塗って差しあげるので、意識しなくても手にクリームがついていたんですよ。だから、連日何人もお客さまを担当していたころはいつも手がしっとりしていた。それが最近はサロンワーク以外の仕事も多く、お客さまの手に触れる回数が減っているせいか、ちょっと乾燥気味で。てきめんですね。こんなにちがうものなんだと、改めてお手入れの大切さを実感しています。

たくさんのお客さまの手に触れてみて思うのは、手がやわらかいひとはあたたかいってこと。やっぱり手って、すごくぬくもりが伝わる場所だから、相手にとっても自分にとっても心地いい感触を保っていたいですよね。手は整形もできないし、年齢が出やすい場所なだけに、もっと大事にすべきだとしみじみ思います。

よく取材などで、「どうしたら手がきれいになるか」と聞かれるのですが、いちばんはなにかと言われれば、“継続”です。スクラブやパックなどのスペシャルケアを1回やったくらいではきれいにはならない。基本のケアを毎日おこなうことのほうがだんぜん効果があります。

だからいつでもすぐ手にとれるような状況をつくりたいし、何度でもつけたくなる“香り”や“質感”を、脳裏に“印象として残す”アイテムをつくりたい。

そんなおもいから生まれた、「uka ハンド トリートメント スパイシーズ」は、どれもが使いやすいアイテムばかり。ハンドクリームを塗るなんて当たり前というひとには必要ないかもしれないけれど、「やらなきゃいけないのはわかっているけれど、忙しいのよね、面倒くさいのよね」っていうひとにはきっと役立つと思う。ぜひ使ってみてください。

それから、男性にもぜひ！　ペッパーはさっぱりしているのでとくにお薦めです。一家に1セット、お揃えください。

＜uka ハンド トリートメント スパイシーズ＞
ウカソープ ソルト　価格｜3150円（180mL）
海塩によるゴマージュ効果と細かな泡立ちで、清涼感のある肌に洗い上げるハンド＆ボディソープ。

ウカローション ペッパー　価格｜3990円（180mL）
すぐれた保湿効果で、しっとりとした肌に仕上げるミルクタイプのハンド＆ボディローション。

ウカバター ハンド＆ネイルクリーム　価格｜4725円（50mL）
上質なバターを塗布したような保湿感と、ぽかぽかしたぬくもりが特長のハンド＆ネイルクリーム。

ウカ ハンド トリートメント スパイシーズ トゥー ゴー 価格｜5040円（3本セット）
持ち運びに便利なミニサイズセット。
ウカソープ ソルト、ウカローション ペッパー各30mL、ウカバター ハンド＆ネイルクリーム 20mL

uka 東京オフィス
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