藤原美智子|ふじわらみちこ|連載|2010年12月エッセイ|今年のお気に入り、“ツルン・ツヤ”にグランプリ決定!
「今年のお気に入り、“ツルン・ツヤ”にグランプリ決定!」
私たちヘア・メイクアップアーティストをふくめ、美容業界の年末の恒例行事といえば、各雑誌社で企画されるコスメティック大賞の選出である。この連載でも去年の12月、「気に入っているのに、当てはまる部門がない!」という個人的な不満を解消するために、“番外編ベストコスメ”として何点か商品を紹介させてもらった。
文=藤原美智子
来年は社会全般も“ツルン・ツヤ”の発光美のように輝く年になりますように!
今年はさらに絞り込んで、この一年間、私のお気に入りテーマだった“ツルン・ツヤ肌”にしてくれる化粧品をグランプリ商品として紹介したいと思う。
ツヤというのは美肌には欠かせない要素だが、さらに今年は“ツルン”という要素がくわわった。なにしろ肌がツルンと見えると、若々しく元気な印象になる。それに鼻筋やCゾーン、Tゾーンがスッときれいに見える。つまり骨格が際立つので、垢ぬけてシャープ感のある印象になるのだ。つまり、元気でナチュラルだけれども、垢ぬけてシャープ感のある印象にしてくれる肌感が私のお気に入りだったというわけである。そして、そんな希望と野望を実現してくれる化粧品が以下のものである。
まずは、下地がわりとしてもよく使っていた日焼け止め用乳液「ランコム UV エクスペール GNシールド 50 BB」を挙げたい。これはSPF 50 PA+++という高い日焼け止め効果があるのだが、それ以上に気に入ったのが、塗ると内側から発光しているようなツルン・ツヤ肌になること。BBタイプというのはベージュ色をしている商品がほとんどだが、これは肌にのせるとグレーシュなホワイト。その色に、一瞬「えっ?」と思うのだが、伸ばすとそれが発光感に変身するのだ。そして、BBの美肌効果が高いことも気に入った点。これを塗った日の夜はクレンジングをするのが待ち遠しい。なにしろメイクをオフすると、朝よりも確実に美しい肌があらわれるのだから。
そして、この日焼け止め乳液とコンビでよく使っていたのがパウダーファンデーションの「ディオールスキン ヌード スカルプティング コンパクト」。これもツルンと発光して、垢ぬけ・ツヤ肌に欠かせないファンデーションとなった。ある旅の朝、ランコムの日焼け止め乳液とこのパウダーファンデを塗って、皆と待ち合わせのホテルの朝食場所に行ったとき、「えー、藤原さんの素顔って、すごいツヤツヤで若ーい!」とあまりにも褒められたので、つい本当のことを言いそびれてしまったことがある。そのときの皆さま、すみません。このふたつで“素肌のように見えるツルン・ツヤ美肌”にメイクしていました!
紫外線が気にならなくなった秋以降は、このパウダーファンデだけで使うことが多いが、もちろん仕上がり感はツルン・ツヤツヤである。ちなみに、このファンデには両面がちがう素材でつくられているスポンジとブラシがついていて、それぞれ微妙にちがう仕上がり感を楽しむことができるようになっている。私のお気に入りの仕上がり感は、普通素材面(?)のスポンジでつくるもの。それがいちばんツルン・ツヤ肌になるような気がするからである。
そして「ジルスチュアート ブラッシュ ブロッサム」のチークをつけると、ツルン・ツヤ肌のキュートに完成する。これは粉状のチークで、ツヤタイプと繊細なパールタイプの2種類が組み合わされている。だから、いろんな使い方ができるのだが、私は2種類をブラシで混ぜて取ったあと、ティッシュの上でトントンとしてブラシにまんべんなくミックスしてからつけている。こうすると自然に、なおかつ頬全体がツルン・ツヤになる。外見は(容器も色も)ラブリーで若い女子向けのように見えるかもしれないが、これは大人こそ試してほしいと思うチークである。なにしろ、笑ったときに盛り上がる頬の部分に、ピカーッとツヤの輪ができて「元気で幸せそう!」な印象になるのだから。そうそう、この場合は頬の内側を多めに広めにフンワリとつけるのがポイントである。
さて、思い起こすとツルン・ツヤ肌に目覚めたのは今年の前半に発売された、このスキンケア商品からだった。それは「ヘレナ ルビンスタイン プロディジー P.C. セラム」。これをはじめて使った晩の翌朝の衝撃はいまでも覚えている。「肌が元気だ!!」という驚きだ。なんというか、キメがビシッと揃ってツヤツヤっとしてツルンとした印象になっていて、“肌が元気に復活した!”という印象になっていたのだ。そして「肌が元気になることが、若々しさやキュートさや幸せ感につながるんだな~」とあらためて認識したのだ。それ以来、ツヤだけでなく、ツルンとした肌に見せるという方向にシフトしたというわけである。
振り返ってみると、今年は景気の低迷で暗い話題ばかりがとりざたされていた一年間だった。だからこそ、ことさら元気に、そして内側から発光しているような輝きと幸せ感のある女性像に私は心魅かれたのだろう。それが、“ツルン・ツヤ肌”というものに凝縮されたのかもしれない。でも、この女性像というのはなにも今年限定のものではなく、永遠に女性が求める美。ということは、美の基本に立ちもどった元年ともいえるだろうか。来年は社会全般も、この“ツルン・ツヤ”の発光美のように輝く年になることを願いたい。もちろん、自分も! である。