たとえば、「持続力を失わない女性は美しい」ということ

──藤原さんは、OPENERSでの連載「COLOR of LIFE：Essay and a story」もご自身で書かれるほど、執筆活動もお好きですよね

いえ、本当は書くことは好きじゃないんですよ（笑）。でも、20代のころからメイクの説明などは理論的にできたんです。もちろん最初はイメージからつくるんですが、メイクが完成して説明するときに理路整然とできたんです。

──著書も含めもう20冊を越える出版物がありますが、今回の『生き方名言新書5　藤原美智子　～幸福な女はメイクが違う！～』の特徴は？

私の単行本や、メイクアップアーティストとして関わったファッション誌やビューティ誌の取材などから、「女性の生き方」、「女性のメイク術」、「女性の幸せ」の3章にわけて、私の発言をまとめています。基本的にはそのときにフッと感じたことや、テーマに沿って信念を語ったものですが、古いものでは10年ほど前のものもあって、読み返すと当時の自分のことを思わず思い出してしまいますね。

──たとえば、ひとつ例を挙げていただけますか

そうですね、たとえば「きれいを保つ秘訣─それは自分をあきらめないこと」（52ページ）。

女性に限らず、歳をとると「どうせ、あたしなんて……」と思いがちですが、もうそう思った瞬間から坂道をコロコロと転げ落ちていってしまいます。手放すのはとても簡単だけど、持続させるのは本当に大変ですよね。
人間って、悪いものや楽なものは簡単に受け入れるんです。でも良い習慣はなかなか身につかないですよね。だから、みんな弱いからこそ、これだけは！という信念をもったほうがキレイは続くと思うんです。常にプライドをもっていれば、顔つきにも仕事の仕方にも生活にもあわられると思うんですよ。

藤原美智子流、メイクの極意とは

──この本はどんな人に読んでほしいですか

私はヘアメイクアップアーティストについたときから、メイクはその人の内面にメイクするものだと思っていました。だからメイクをする人の瞳の中を見るんです。
たとえば外見は女らしいけど、内面は意志が強そうだったり、繊細な人だったりして、それをメイクによってどう引き出して、その人の内面をわかりやすく表現するかということなんですね。
とくにハウツーや理論があるわけではありません。キレイにしたいと思って感じることや、体験、経験値から内面の引き出し方を身につけたんです。
この本は、20代で年上の女性に憧れている人、30代で仕事に悩んでいる人、40代以上でちょっとあきらめかけている人などに、なにかを感じてもらえればうれしいですね。

──ありがとうございました

『生き方名言新書5　藤原美智子　～幸福な女はメイクが違う！～』
小学館
新書判／1260円（税込）

働く女性に圧倒的な人気を誇り、多くの女優たちからも熱い支持を受けるヘアメイクアップアーティスト、藤原美智子さん。その人気の秘密は品格あるメイクアップと、信念を貫き通すご本人の格好いい生き様。「『きれいになりたい』という気持ちを持つことこそが『幸せのプロセス』」（本文より）と言う藤原さんからの、美と人生の指南の書。（公式HPより）