オリーブを使った化粧品ブランドが取り組む、持続可能な成長|OLEA ESSENCE
BEAUTY / FEATURES
2022年2月7日

オリーブを使った化粧品ブランドが取り組む、持続可能な成長|OLEA ESSENCE

OLEA ESSENCE|オレア・エッセンス

オレア・エッセンス代表、アブナー・タムロン氏

オレア・エッセンス代表、アブナー・タムロン氏。彼のビジネスの背景にある文化、成功の秘訣、そして今後のミッションについて話を伺った。

Text by ISRAERU

小規模な家族経営ブランドから世界ブランドへ

オレア・エッセンスは、オリーブを使った化粧品ブランド。日本、中国、韓国、台湾、シンガポール、アメリカなどで世界で展開されている。
オレア・エッセンスの代表を務めるアブナー・タムロン氏は、自然な生産方法にこだわり、環境にも肌にも優しいオリーブベースの化粧品を開発、生産している。商品を購入する際に持続可能な方法で生産されたものを選ぶ消費者が増えてきている昨今、アブナー氏のオリーブ畑は、持続可能なビジネスの証とも言えるだろう。今回は、彼の自然への配慮、そして商品のこだわりについて紹介しよう。
1997年、アブナー氏は家族とともにイスラエル中部からガラリヤ湖、そしてゴラン草原北部へ移住した。イスラエル第二の都市から静かで平和な田舎暮らしへの変化は大きい。彼は移住をチャンスとし、オリーブ畑に囲まれた地に家を建てビジネスを始めたのだった。
「私たちは持続可能な生き方を選びました。科学的なスプレーや肥料に頼らず、自然と協力するのです。フェンスや囲いは用いず、たとえ農作物に傷がついたとしても、動物たちの動きを制約することはありません。」と、アブナー氏は述べる。
オレア・エッセンスでは、全ての資源に対して敬意と優しさを持って扱うことを理念としている。「オレア・エッセンス」の名前は「オリーブの真髄」という意味を持っており、防腐剤や人工着色料は一切使用しない、100%天然の製品を展開。また、オリーブのどの部分も無駄にならないようにする取り組みも行っている。オリーブからオイルを圧搾する際に排出される水は本来、高濃度な抗酸化物質なため環境にとって良くないが、オレア・エッセンスでは特許取得済みの発酵プロセスを用いることでオリーブビネガーに変化させ、化粧品や洗剤の原料として使用している。洗剤から調理器具、機器に至るまで、自然な方法で生産しており、製造段階から廃棄物を出すことはないのだ。
100%自然にこだわった生産方法には多くの工程や気配りが必要だが、その努力はしっかりと認められている。オレア・エッセンスの商品である Olive Wash & Exfoliateは、2010年にサンフランシスコで開催された6,000人の審査員が評価するCleanTech Openコンテストで、最優秀製品に選ばれた。
絶え間ない努力、そして妥協しない品質とイノベーションが組み合わさったことで、オレア・エッセンスはイスラエルの田舎の小さな家族経営ブランドから世界的な化粧品ブランドに成長を遂げた。オンライン販売をメインにアジア太平洋地域、アメリカで販売をしており、現在は特に中国で人気を得ている。
日本ではまず沖縄で展開。グルメや食材で知られる沖縄は、最も難しい場所であると考えられる。つまり、沖縄でうまくいけばどこでも成功できるということだとアブナー氏は考えた。気になる結果だが、沖縄での売上は上がり調子。そのため、アブナー氏は日本の他の地域への事業拡大を視野に入れ、「CosmoProf」などの日本で開催されている展示会にも出展した。
彼の次なる目標は、屋外で活動するひとのために考えられた、人工化学物質を含まない日焼け止めの開発だ。フェイスクリームや天然SPFのリップクリームなどの他の製品にも活用でき、日常生活において有害な紫外線から人々を保護するの大いに役立つ。現在はオリーブオイルの製造方法を紹介する研究センターとビジターセンターの設置を進めており、人々が再びイスラエルへの旅行ができるようになった際には、生産方法を伝えたいという。
It’s about you, and its about your family.
And its all about your environment.
あなたのために、あなたの家族のために、
そして私たちの地球のために。

- Avner Talmon, Founder of Olea Essence
(アブナー・タルモン オレアエッセンス創業者)
彼の人びとと自然に対するこの精神こそ、持続可能な社会実現に必要な「想いやり」だ。
問い合わせ先

オレアエッセンス公式サイト
https://oleaessence.jp/

                      
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