理想のネイルオイル「uka ネイルオイル」ができました!(4・最終回)
Beauty
2015年10月2日

理想のネイルオイル「uka ネイルオイル」ができました!(4・最終回)

理想のネイルオイルができました!(4・最終回)
「uka ネイルオイル」生産のフランス現地リポート(後編)

EXCeLのネイルアロマオイル「uka ネイルオイル」の開発のパートナー、ジル・バートゥミュウさんの案内でまわった、南フランス・トゥールーズの生産現場。今回も、前編につづいてその現地リポートです。

まとめ=染谷晴美

香りの魔術師に学ぶ、ちょっとほかにはないユニークな香りの勉強

今回の旅は、ネイルアロマオイル「uka ネイルオイル」の生産現場を視察するのが目的でしたが、案内役のジル・バートゥミュウさんは、その合間に“香りの勉強”の時間も用意してくれていました。

連れていかれたのは、緑が茂るお屋敷。そこに住むのは、ジルさんいわく「香りの魔術師」です。

とても有名な方らしく、ジルさん自身、「ぜひ一度会ってくるといい」とまわりに薦められたのだとか。となればものすごい大物にちがいない、と思いきや、目の前にあらわれたのは、妙な風貌のお茶目なおじさん……。

緑が茂る「香りの魔術師」のお屋敷

香りについて力説する「香りの魔術師」。抱えているのは海藻です

さっそく私たちを研究室にまねき入れると、まずは聞けといわんばかりに、香りの説明をはじめます。でも、風貌そのままに、話の中身もどうも怪しい(笑)。たとえば、冷蔵庫から取り出したある物体についての説明ではこう。

「これは山猫だよ。ヒマラヤに住む山猫からは媚薬が採れるのだけれど、たまたま先週、クルマに轢かれているのを見つけた。僕は科学者だから、これは研究しなきゃいけないと、もち帰ってきたんだよ」

んー、どう見てもフェイクファーなんですけど(笑)。でも、彼はそんな疑いの視線は無視して、「もちろん、研究がおわったら、すぐ土に返してあげるよ」と澄まし顔です。

とにかく、研究室にはいろんなものがあふれていました。海藻だったり、昆虫だったり。彼はそれらを手に取るたび「においを嗅いでごらん」と私たちに差しだします。

「香りの魔術師」のお屋敷の見事なハーブガーデン

ハーブガーデンのあちこちに人形が隠れていて楽しい!

そんな怪しさいっぱいの研究室をあとにし、裏庭のハーブガーデンへ。すると、おじさんの印象は一変。とにかく知識がすごい。たくさんの植物とその香りについて、ひとつひとつていねいに教えてくれたのです。

本当の正体は最後までわからずじまいでしたが、香りのスペシャリストであることは確か。ちょっとほかにはないユニークな香りの勉強。いい経験ができました。

最後の仕上げは、自分の仕事に誇りをもって働いているひとたちに託したい

いよいよ、工場の視察です。

まずは、ジルさんの会社「シリウス」へ。研究室では、女性スタッフがジルさんの指示どおりにエッセンシャルオイルをブレンドしています。そう、つまりここは、私たちのネイルアロマオイル「uka ネイルオイル」が生まれた場所。前日、素材となるオーガニックのラベンダー畑を見てきただけに、すくすくと育った植物から抽出されたオイルがここでブレンドされて私たちの香りになるという流れを、あらためて実感しました。

世界中のエッセンシャルオイルなどを扱うジルさんの会社

エッセンシャルオイルの研究室にて

つづいて、ブレンドされたオイルを製品に仕上げていく提携工場を案内していただきました。ジルさんの会社にも工場は併設されていますが、規模の問題もあり、すべてには対応できない。そこで、生産量や商品性にあわせて提携工場と連携し、安定した品質と供給を実現しています。

ネイルアロマオイルの生産場所としての候補は2ヵ所あって、ひとつは、ワークシェアリングに取り組んでいる工場。生産ラインで、障害のあるひとたちを戦力として受け入れています。レバーを押せば決まった量のオイルが出てくる容器など、誰でもまちがいなく作業できるよう、道具にもいろいろと工夫がほどこされていて、ただただ感心するばかり。

なにより、働いているみなさんの笑顔と、一生懸命にやっている姿が印象的でした。こういう方たちにつくっていただけたらしあわせ。ジルさんに「季穂のオイルもここでつくろうかと思っている。どうかな?」と聞かれて、「もちろん!」と即答です。

ここが第1候補の工場。障害をハンデと感じさせない仕事ぶりに感激!

それぞれの手もとにある道具は、ラベルをまっすぐに貼るためのもの

すべて手作業ゆえ、ほんの少し割高になるらしいけれど、つくる量はそれほど多くないので問題はない。ぜひ私はこちらでお願いしたいと思っているのですが、彼らの手で対応できる数には限界があるため、生産量が増えた場合は、この工場では難しくなるとのこと。

そこで、次に案内されたのが、もう少し規模の大きな工場。大きいといっても、先に見た工場よりはという程度で、スタッフの顔が見えるアットホームな雰囲気はおなじです。

こちらは第2候補の工場。目の行き届く、ほどよい規模です

ラベル貼りの作業をチェック

ここでは、詰める作業こそ機械に頼りますが、ラベル貼りは手作業です。現場に入ると、さっそくスタッフのひとりが「うまいだろ、おれのラベルの貼り方」と言いながら、完成品を自慢げにアピール(笑)。

すごくいいなと思いました。みなさんマイペースで、とてもゆっくりした時間のなかでお仕事をされているのだけれど、一人ひとりがプライドをもって臨んでいて、自分の仕事に自信をもっている。モノづくりって、こういう方たちに支えられているんですね。

5ミリリットルのオイルに詰まった、たくさんのひとの想い

植物がどこでどう育って、どうブレンドされて、工場でどう流れて……という、ひとつひとつの工程が見られただけでなく、完成までにはさまざまなひとが関わってくれているのだとわかったことが、今回の視察のいちばんの収穫。ネイルアロマオイル「uka ネイルオイル」に対して、大切に思う気持ちがいっそう強くなったし、自信もつきました。

そして今回ジルさんのご実家でお世話になってみて、あらためて思ったのは、開発のパートナーが彼でよかったなということ。

あの家庭環境で、自然と向き合い、いろいろなものを見て経験を積んで育ったからこそ、いいものを知っているし、いいものをつくってくれる。彼なら、これからも任せて安心です。

たくさんのひとの想いが集約されて、5ミリリットルの「uka ネイルオイル」が生まれるのだと実感できた、トゥールーズの旅。私たちは、商品の魅力とともに、ひとの手のぬくもりもしっかりと伝えていかなくてはいけないなって、いま気持ちを新たにしています。

ネイルアロマオイル「uka ネイルオイル」は10月1日発売決定。自信作です。楽しみにしていてください!

(おわり)

ジル・バートゥミュウ(Gilles Berthoumieux)
世界中のエッセンシャルオイルなどを扱う会社シリウスの代表であり、トロピカル・アグロノミーアグリカルチャーサイエンティスト。自然療法を愛し、子どもから老人にまで自然素材(エッセンシャルオイルなど)を利用したケアを推奨。高品質・新しい素材を求め世界100カ国以上をまわりつづけ、質のよいオイルを扱うことに定評あり。その高い技術とすぐれた品質によりフランスの大手ブランドからも商品開発の依頼を多く受けている。

           
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