岡部美代治が分析する「藤原美智子」という魅力人の芯(その2)
岡部美代治×藤原美智子
岡部美代治が分析する「藤原美智子」という魅力人の芯(その2)
前回の「魅力人(みりょくびと)の芯」では、藤原美智子さんの「ヒラメキという芯」を解剖した岡部美代治さん。
オウプナーズでの連載打ち合わせのときに、ビューティサイエンティストの岡部美代治さんが熱望されたのが、藤原美智子さんとの対談。
藤原さんの快諾をいただき対談が実現し、岡部さんが対談のテーマとして掲げたのが、「なぜそのひとは歳を重ねるほど魅力を増すのか」。
「魅力人(みりょくびと)の芯」第2回は、「素直という芯」を岡部流に解剖する。
文=岡部美代治写真=原恵美子
「素直という芯」
久々に会った藤原さんは、どこか透明感のある心の持ち主だと感じました。そして会話があるたびに、心がフルカラーで輝くのです。
この透明感の雰囲気を感じるのは、藤原さんの素直な心構えなのかも知れません。
母親から一生懸命を
藤原美智子さんに、今までに影響を受けたひとについてたずねました。
「まず一番最初は母ですね。母は美容師をしていて、普段はこれって決めたらワーッと一生懸命やってしまうタイプなんですよ」
現在も美容室はつづけているそうですが、フラダンス、日本舞踊とつぎつぎに新しいことに挑戦しているそうです。なんと日本舞踊は免許をとって、現在は生徒もいるのです。
そのようなお母さまの一生懸命やることをみて育ったので、その影響が今の藤原さんに確かに身についているそうです。
師匠からは美意識を
藤原さんが最初についたメイクアップアーティストの松永タカコ先生からは、生活の美意識を学んだといいます。
「たとえば、ジュースを入れるのに、これぐらい入れるのが美味しく見えるでしょうとか、お花の生け方でもこうしたほうがきれいに見えるでしょうとか、イスの並べ方でもこうしたらきれいでしょうとか。いつも、ホーゥ、ホーゥ、ホーゥって感心させられていました。そのような美意識をもつ先生に、社会に出てから一番最初につけたことは本当にラッキーだったと思う」
このように恵まれた師匠と弟子の関係も、なにか単なる幸運というより、運命的な絆があったかのように思えます。きっと、なにかひらめいて松永先生との出会いにつながったのだろうと感じました。
そして大事なことは、そのような事細かに美意識を指図する先生に対して、うるさいとは思わず、それを受け止めた藤原さんの素直な性格があったからこそだと思えます。
スタッフからも教えられ、鍛えられ
「あともう一人といえば誰だろうな……。あ……、私を鍛えてくれたアシスタント全員かしら」と、藤原さんはスタッフから教えられたことを、感謝の気持ちを込めて話してくれました。師匠と生徒という関係より、子どもや孫との関係に近いそうです。
「たとえば怒り方をとっても、こう言えばよかったかなとか、あれこれ考えてしまう。スタッフは教わっていると思っているかも知れないけど、じつは私が教わっているのです」。ということは、藤原さんの素直な心があるからこそ、お互いに教え合うような関係が成立するのではないでしょうか。
「私もこうやって歴代何人ものアシスタントに育てられていったなと感じています」と、スタッフへの愛情を感じる言葉が印象的でした。
素直だから、砂が水を吸い込むように
このように、いつまでも魅力を身につけながら増幅できるひとは、素敵なことにたいして、素直に受け止め、自分のスタイルに合わせて吸収できるのではないかと思います。
まるで砂が水を吸い込むように、良かれと感じることはなんでも吸収し、自分自身の魅力としてまとうことができる、それがもうひとつの藤原さんのもつ、“魅力人の芯”だと確信しました。
最後に、「うちのワンちゃんには、ほんと育てられています。だって、思い通りにはいかないもん!」と、あっけらかんと笑う藤原さんには、人間のみならず、動物や植物、あるいは自然界のすべてからも魅力を吸収しているのではないでしょうか。
これからも、どのような魅力を身につけられるのか、お話を聞いていてワクワクしてきました。
藤原美智子さんの「間合いという芯」を解剖します