第26回 08年春ビューティトレンド(2)香り編「アロマキャンドル」
Beauty
2015年3月11日

第26回 08年春ビューティトレンド(2)香り編「アロマキャンドル」

小林ひろ美が指南! 2008年春 ビューティトレンド(2)
香り編「アロマキャンドル」

「香りというものはどれだけ心理に影響するか、そして、心理はどれだけ肌に影響するのか。以前からいわれていたことですが、だんだんそれが立証されてきている感じがあります」と小林ひろ美さん。じっさい、アロマキャンドルが美容の部門に入ってきているのだそう。注目です。

構成と文=染谷晴美(本誌)Photo by Jamandfix

パーソナルなニーズ、そのひとつが香り

ナチュラルと心地よさが、最近のトレンドのキイワードであり、よりパーソナルなニーズに応えられるものがヒット商品になっています。私たち消費者は、そこに感動がなかったら買いません。「わー、いいにおい!」とか「わー、肌なじみがいい!」とか、ささやかな感動を毎日味わっていたいから買う。自分の生活環境、たとえば、夜が遅いとか、本を読むのが好きとか、お風呂の時間を大切にしているとか、その人その人、100人いたら100通りの生活環境や趣味嗜好があるわけです。そういったパーソナルなものにどれだけ落としこめるかというところが、商品としてヒットするかどうかの境目だと思います。

アロマキャンドルにしても、ローズの香りは確かにいい匂いだし、みんなもそう思うだろうけれども、「私はブラックベリーが好きだわ」という人もいて、さいきんはそういうニーズに応えられる商品がどんどん出てきています。

お手入れのベースに香りは必要

肌のお手入れは自分を美しくするための儀式。お姫さまのように自分をもち上げて、「かわいいかわいい、きれいになれ」と、おまじないをかけるようなもの。それなのに、部屋のなかが生活臭であふれていたらどうでしょう? スナック菓子のにおいやネコのエサのにおいがしていたら、モチベーションは下がります。それではきれいにはなれませんね。

逆に、部屋のなかが大好きな香りで満たされていたら……。心地よさはあらゆるものにプラスにはたらく。つまり、アロマキャンドルを焚いて、気もちを高めながらお手入れをすることで、その効果は2倍にも3倍にもなるのです。

そこに乙女たちは気づきはじめた。アロマキャンドルって、ちょっと高いけど、でも長い時間燃えるし、これまでドラッグストアで買っていた250円のキャンドルとはたしかにちがう。天然由来成分だから香水をふりまいたようないやらしい感じにはならない。なにより、“癒される”って。

旅先で活躍する「アロマセラピー アソシエイツ」のキャンドルはローズの香り

私にとって、アロマキャンドルは旅先でも必需品。海外のホテルでは必ず、キャンドルを部屋のなかで焚きます。そうすると日本に戻ったあとも、キャンドルを焚くたびに旅先の思い出がよみがえってくるのです。香りは大脳を刺激するものなので、思い出と連鎖するんですね。すごく好きだった彼がつけていた香りというのは、十年二十年経っても憶えているし、雑踏のなかでその香りに出合ったら、当時の記憶がフラッシュバッグしてくる。それくらい感情と香りは密接であり、だからこそ、お手入れのベースに香りが必要だということを、ジャーナリストや美的感度の高い人たちは、もうすいぶん前から気づいているんですね。

お気に入りの香りを見つけてこころもからだもきれいに

いまはいろんな香りのアロマキャンドルが出てきているんですよ。きょう持参したものだけでも、5、6種類はあるかな。この『アロマセラピー アソシエイツ』のキャンドルは、ゼラニウムとジャスミンの香りです。華やかさと落ち着きがミックスした大好きな香りで、すこし中性的な印象だと思います。

『ティモシーハン』というロンドンのブランドから出ているのは、大豆100%のアロマキャンドルです。キャンドルを焚くとふつうはススが出ますけど、このキャンドルは出ない。とてもエコロジーな商品です。香りのエッセンスは、オレンジやグレープフルーツといった柑橘系がメインですが、グローブも入っているから、あったかい香りもする。パーソナルな感じがしますね。

さらにパーソナルな香りが、『MEMO』の「モスコーグロー」。ブラックベリーとウォッカショットが入っているんですよ。甘酸っぱさのなかにお酒の香りがかすかに効いていてすごく好き。いまいちばんのお気に入りです。

こういう香りに出合えるとすごくうれしい。きっとみなさんもそう思うはず。自分好みのアロマキャンドルを見つけて、肌のお手入れタイムを充実させてください。

小林ひろ美が指南! 2008年春 ビューティトレンド(2)<br><br>香り編「アロマキャンドル」

左から、「アロマセラピー アソシエイツ」のゼラニウムとジャスミン、
「MEMO モスコーグロー」、「アロマセラピー アソシエイツ」のローズ。
右下に、アロマ外来処方の香り、オーガニックのリップクリーム

学生たちと接していると、いまの若い人たちは疲れているのかなと感じます。へこんでいるというか、悲観的になる子がすごく多くて。人をきれいにする仕事につきたいのに、自分たちが夢を見失っている。当然、新しいコスメ商品への反応も鈍い。ところが、アロマキャンドルを出すと目がキラキラしてくるんですね。匂いをかいで「やばい、やばい」といって離さない(笑)。案の定、感想文を書かせると、「きょうはアロマキャンドルを買って帰ります」って。コスメ商品の名前なんてひとつも出てきません(笑)。

さいきんはアロマ外来に通う人も増えています。私も処方してもらっていますが、いろいろあるんですよね。更年期、うつ、皮脂過多など、さまざま悩みに応じて香りを処方してくれます。きょうはちょっと調子が悪いなと思ったら、マグカップに1、2滴たらして、立ち上る香りをかぐ。そうすることで、不調が改善される。香りのパワーはすごいです。

次回は「オーガニック・ドリンク」を取り上げます

niliya(ニリヤ)

           
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