第25回 08年春ビューティトレンド(1)美白編「集中トリートメント」
小林ひろ美が指南! 2008年春 ビューティトレンド(1)
美白編「集中トリートメント」
美容の世界ではいま、なにが生まれ、人々はなにを求めているのか。最新のビューティ情報をリサーチ!
ビューティディレクター・小林ひろ美さんに聞く、『2008年春 ビューティトレンド』。第1弾は「美白編」です。
構成と文=染谷晴美(本誌)Photo by Jamandfix
大人の美白は、集中トリートメント
ことしの美白アイテムはサイエンス的なものが多く出ています。シミの根元にはたらきかけるものや、できたメラニンを眠らせるもの。たとえば、『SKⅡ』のホワイトニングシリーズの新製品2種。「ホワイトニングソース ダーム ディフィニション」は4つのプロセスでシミの芽をつみとってくれます。そして「同 リニューアルエッセンス」が古い角質を取り払い、肌のターンオーバーをスムーズにしてくれる。シミの根元を断ち、表面に出てきたものを取るので、肌は日に日に透明感をおびてきます。保湿効果が高いのもポイントですね。
美白ケアをずっと続けていると、確かに透明感は出てくるのですが、美白成分のなかには乾燥を誘うものもあるため、どうしても肌がかさつきがちになってしまう。そうなると今度は、小ジワという新たな悩みが出てきます。「白くなったはいいがシワが目立ってきた」ではもともこうもありません。ですから、こういった保湿にもチカラを入れている美白アイテムはうれしい。さらに、シミもシワもとりたいという大人の女性には、3週間集中トリートメントをおすすめします。
3週間というのは、肌細胞が生まれ、それが表皮となりアカとなるまでのターンオーバーのサイクルを目安にした期間。つまり、その間、集中的に美白トリートメントをすれば、肌細胞は健やかに育ち、生まれたメラニンはスムーズに排出される。
さらに、早く出していきながらUVケアをしっかりしていれば、新たなメラニンが育ちにくくなりますから、シミを薄くする効果も期待できます。
使いきること=きれいになる目安
3週間だったり4週間だったりの集中プログラム製品は数多く出ています。1回分ずつアンプルに入っているものなど、パッケージもケアスタイルもいろいろで、手にするだけでわくわく。「お手入れするぞー!」って気持ちにさせてくれる。じつはそこが大事なんですね。
美白ケアはシミが目立ってきたときに行うことが多いせいか、習慣になりにくく、製品を使いきる前にやめてしまうこともしばしば。だからメーカーさんもそこは考えていて、集中的に使ってもらえるものがいいだろうと、集中ケアでトラブルを改善したら、また通常のケアに戻れるようにと、集中プログラム製品を提案している。使いきることがきれいになれる目安なわけですから、やる気が起きますよね。
“使いきる”という意味では、『ポール&ジョー』のこの春の新製品「ブライトニングキット」もオススメです。ホワイトエマルジョンの現品に、トライアルサイズのクレンジングミルクとローション、さらに美白効果を高めてくれるパックまでついているので万全。持ち運びに便利なポーチつきだから、いつでもどこでもエステ気分に浸れます。
まずは、クレンジングミルクとローションを使いきるころが待ち遠しい。どんな肌に仕上がっているか……楽しみです。
心地よくケアできる製品がヒット
お手入れが楽しくなる製品といえばこれもそう。『ドクター・セバー』の「ピュアビタミンCパウダークリーム」。お医者さんが処方するレベルのとてもピュアなビタミンCが入っています。1メモリ分のパウダーを乳液やローションに溶かして使用。シミが出やすい骨付近の皮膚の薄い部分にだけピピッとつけて、あとはいつものローションでケアします。溶かした瞬間、シュッと弾けるのが実験みたいで楽しい。白衣を着たくなるような(笑)。72ポンドと高価ですけど、こういうお手入れ心をくすぐるアイテムはヒットしますね。
売れる商品のキイワードとしてもうひとつ挙げられるのは「ナチュラル」。成分はもちろん、香りも、いかにもあとからつけましたといういやらしい香りではなくて、心地よい天然のエッセンス。ちょっとスパイシーだったり、わらっぽい匂いがしたり、自然チックなんですよね。『イグニス』というスキンケアブランドが私は大好きなんですが、最近は、五感にやさしくはたらきかける美容コスメが数多く出てきています。
コスメのチカラはどんどん強くなってきているので、あとは使っていて心地いいかどうか、そこが続けられるポイント。上手にかしこく使えば、極端にお金をかけなくても、きれいになれるんじゃないかなと思っています。