2015 ミラノサローネ 最新リポート|BOFFI
BOFFI|ボッフィ
特集|ミラノサローネ国際家具見本市 2015
キッチン・バスルームの先駆者のたゆまぬ進化
4月7日、ミラノサローネ開幕の直前にキッチン・バスルームのパイオニアである「BOFFI(ボッフィ)」社と、デザイン家具のアイコン的ブランドである「デ・パドヴァ」社の統合が発表された。イタリアデザインの最高峰といえるブランド同士が連携し、“イタリアのノウハウ”を世界的にさらに展開させるという構想を受け、ボッフィはどのような新作を発表したのか。
Photographs by Daniele DAINELLIText by KATSURA Kumi(TOL STUDIO INC.)
イタリアのノウハウが向かう“その先”
ミラノサローネ開幕の前日、洗練されたショールームや店舗が集まるソルフェリーノ通りの一画につぎつぎと人が流れ込み、道路まであふれ出していた。そのにぎわいは、80年にわたりミラノのキッチン・バスルームの先駆者として躍進をつづける「ボッフィ」のもとに駆けつけたデザイナーや記者、関係者たちの期待値の高さを示す指標でもある。今回の「デ・パドヴァ」との統合は、互いのブランドのアイデンティティは保持しながら、デザイン界での戦略的連携を結ぶためにおこなわれた。これによって、住宅やコントラクトにおける勢いがさらに高まることが予想される。
ボッフィの誇る高度な技術から生まれる機能的なキッチンは、デザイナーとのコラボレーションによってつねに進化している。ピエロ・リッソーニ氏が手がけた、圧倒的な存在感を誇るキッチン「Open(オープン)」は、昨年発表されたアウトドアタイプにつづき、インドアタイプがくわわった。レンジフード「Tile(タイル)」には、伝統的な手法で手作りされたドメニコ・モーリ氏のセメントタイルがあしらわれ、ラインの美しいステンレスのほか、人工大理石のデュポン™ コーリアン®をつかった一体鋳造タイプも追加。テクニカルな質感のキッチン「K14」は、伝統的なモチーフのタイルを組み合わせた斬新なデザインだ。
パトリシア・ウルキオラ氏の手がけたキッチン「Salinas(サリナス)」は、ウォールペーパー・デザインアワード2015、エルデコ・インターナショナル・デザインアワード2015でベストキッチンに選出された注目のプロダクトだ。セメントや金属、エッチングガラスという重厚な素材の組み合わせでありながら、繊細さをも併せもつ。アルミでふち取られた棚は、それぞれがキャンバスとなって、絵画のように浮かび上がるギミックを備えている。
ボッフィの世界観が体感できるショールームがオープン
日本人デザイナーの深澤直人氏が手がけるプロダクトはイタリアでも非常に評価が高く、今年度のミラノサローネでもさまざまなブランドから作品が発表された。彼のデザインの境界を超えた本質的なものの捉え方や考え方から生まれる表現と、独自性が息づく素材と用途から導かれたプロダクトは、変わらぬ高い評価を得ているポイントだ。なかでもバスタブ「Ark(アーク)」は、バスタブの外側と内側をはしる2本のラインの陰影の美しさが、クリスタルプラント®のマットな白によって際立っていた。
日本では、今年の7月中旬から東京・南青山の「エ インテリアズ」内にボッフィのショールームが併設される予定だ。「L14」「Xila」「Hide」などの人気コレクションが並び、ボッフィの世界観を日本で体感できる。
エ インテリアズ
東京都港区南青山4-22-5
Tel. 03-6447-1451
営業時間|10:30~19:00 水曜定休
http://www.interiors-inc.jp/
www.facebook.com/einteriors