OMEGA|オメガ|デ・ビル アワービジョン
OMEGA|オメガ
「機械の小宇宙」を眺める楽しみを追求した新発想のシースルーモデル
文=渋谷康人
De Ville Hour Vision|デ・ビル アワービジョン
「デ・ビル アワービジョン」は、「アワー(時)」の「ビジョン(姿)」という名前を具現するように、時の姿ならぬコーアクシャル脱進機搭載の新世代自動巻きムーブメントが時を刻むようすが、ケースバックにくわえケースサイドからも楽しめる時計だ。
2007年に発表された、シンプルだが時計好きの心をくすぐるこの腕時計の「時を見る」楽しみをさらに深く追求したモデルが、今年あらたに限定版として登場した。
文字盤はインデックスと、それを保持するリングのみを残して大胆にシースルー化をはかった。またムーブメント自体も、地板を徹底的に肉抜きしてグレーのガルバニック処理をほどこし、その一方で歯車などにレッドゴールドのコーティングをおこなうなど、視覚的にも楽しめるようにモディファイされている。
さらにシースルーバックから眺めることのできる自動巻きローターにも、ローター下のメカニズムが見えるよう、中央部分にサファイアクリスタルが埋め込まれている。これはおそらく世界初の試みだろう。
ムーブメントという「機械の小宇宙」を心ゆくまで楽しみたいというひとに、これほどぴったりのモデルはない。
自動巻き、レッドゴールドケース、アリゲーターストラップ、ケース径41mm 、世界限定88本、380万1000円(予価)、12月発売予定。
BRAND HISTORY
スイス時計界でも1、2を争う知名度を持つブランド。そのルーツは、時計師のルイ・ブランが1848年、スイス・ラ・ショー・ド・フォンに開いた小さな工房にある。
創立当初の工房は、組み立てを専門に手掛けていたが、時が経つにつれてヨーロッパ全土とアメリカを見据えた販売戦略を他社に先駆けて開始する。こうして業績を順調に伸ばし続け、1877年「ルイ・ブラン父子会社」へと改称。
’80年には現在も本社のあるビエンヌへと本拠を移転し、時計製造のすべてを自社で行うマニュファクチュール工場を設立。’80年代当時の最高水準の精度を誇る「ラブラドール」ムーブメントも同工場から誕生している。
その後、1890年に改称した「ルイ・ブラン兄弟社」時代に開発した「キャリバー19(通称:オメガキャリバー)」をきっかけに、20世紀初頭からギリシャ文字で究極を表す「Ω=オメガ」を社名としたのである。
オメガは、1932年にロサンゼルスで開かれたオリンピック大会で初の公式計時を担当して以来、世界各国のスポーツ大会で計時を担当するなどグローバルに活躍する。さらに腕時計においては、’65年に「スピードマスター」が苛酷な検査を乗り越えた末、数あるクロノグラフの中からNASAの公式装備品に選ばれ、’70年に海底探査「ヤヌス計画」においては「シーマスター」が250mの深海実験に使用されるなど、数々の偉業を成し遂げていった。
こうして着実に愛用者を増やすこととなったオメガは、その栄光の歴史に甘んじることなく、さらなる自社製品の完成度を追求する。
1999年には時計師のジョージ・ダニエルズが発明したコーアクシャル・エスケープメントの量産化に成功し、オメガの技術力の高さを改めて時計界に証明すると、21世紀からは次々と新作モデルにコーアクシャル・エスケープメントを搭載。さらに2007年には、実に30年振りとなる自社製ムーブメントを発表するなど、開発への意欲はいまだ止むことを知らない。
【創業年】1848年
【創業地】スイス、ラ・ショー・ド・フォン
【主なシリーズ名】スピードマスター、シーマスター、デ・ビル、コンステレーション
【問い合わせ先】スウォッチ グループ ジャパン オメガお客様センター 03-5952-4400
公式サイト:http://www.omegawatches.jp/