はじまりとおわりのヴェイロンを展示|Bugatti
CAR / MOTOR SHOW
2015年3月5日

はじまりとおわりのヴェイロンを展示|Bugatti

Bugatti Veyron 16.4 Grand Sport Vitesse “La Finale”
ブガッティ ヴェイロン 16.4 グランスポール ヴィッテス “ラ フィナーレ”

はじまりとおわりのヴェイロンを展示

ブガッティはジュネーブモーターショーにおいて、「ヴェイロン」の第1号車と、最後となった450台目「ラ フィナーレ」を展示。時速431.072km/hという市販車世界最速のワールドレコードをもつ、スーパースポーツカーの有終の美を飾った。

Text by HORIGUCHI Yoshihiro(OPENERS)

最初を参考にした最後のモデル

事前に発表されたとおり、ブガッティはヴェイロン最後のモデル「ヴェイロン 16.4 グランスポール ヴィッテス “ラ フィナーレ”」をジュネーブモーターショーで発表。“はじめの1台”とともにヴェイロン最後のステージを飾った。

2005年に1,000psという破格のパワーを有するロードゴーイング スーパースポーツカーとして登場した「ヴェイロン 16.4」。それから10年を経て、出力の向上やオープンモデルの追加、限定モデルを発表しながら当初の目標どおり450台目についに到達し、生産が終了した。

Bugatti Veyron 16.4 Grand Sport Vitesse “La Finale”|ブガッティ ヴェイロン 16.4 グランスポール ヴィッテス “ラ フィナーレ”

Bugatti Veyron 16.4 Grand Sport Vitesse “La Finale”|ブガッティ ヴェイロン 16.4 グランスポール ヴィッテス “ラ フィナーレ”

最後のヴェイロン、ラ フィナーレは、最高出力1,200ps、最大トルク1,500Nmを発揮する8リッターW型16気筒エンジンを搭載した「ヴェイロン 16.4 グランスポール ヴィッテス」をベースに、10年前に製造された最初の1台のデザインを現代風にアレンジしたという。

はじめの1台ことシャシーナンバー1のヴェイロンは、1920-30年代のトラディショナルなブガッティによくみられた赤と黒のツートーンで仕上げられていた。ラ フィナーレではこれを参考におなじ赤と黒としているが、最新技術をもちいた透明ラッカー塗料を使用したことでカーボンファイバーの模様が透けて見え、深みのある色になっている。

フロントの右側隅とリアウィングの裏側には、“La Finale”というモデル名がイタリアン レッドで描かれている。またルーフ後方にそびえるエアスクープとインタークーラーはブラックで仕上げられた。

Bugatti Veyron 16.4 Grand Sport Vitesse “La Finale”
ブガッティ ヴェイロン 16.4 グランスポール ヴィッテス “ラ フィナーレ”

はじまりとおわりのヴェイロンを展示 (2)

立ち上がる象を内外装にあしらう

内装も1号車をオマージュしたベージュのレザーを基調にしているが、赤のレザーをコントラストとして導入しているのはラ フィナーレのオリジナル。また、ヘッドレストとドアシルにはモデル名“La Finale”が刻まれる。シート後方の中央にあるストレージのフタは、カーボンファイバーを赤の透明ラッカーで仕上げたパネルを貼り、そのうえにブガッティを象徴する“立ち上がった象”と最終モデルをあらわす「450/450」があしらわれる。

創業者エットーレ・ブガッティの弟であり彫刻家であったレンブラント・ブガッティが生み出した、ブガッティのラジエーターマスコットとして象徴的なこの“立ち上がった象”は、フューエルフィラーキャップやホイールセンターにも描かれる。

Bugatti Veyron 16.4 Grand Sport Vitesse “La Finale”|ブガッティ ヴェイロン 16.4 グランスポール ヴィッテス “ラ フィナーレ”

Bugatti Veyron 16.4 Grand Sport Vitesse “La Finale”|ブガッティ ヴェイロン 16.4 グランスポール ヴィッテス “ラ フィナーレ”

日本円で1億円以上とされる高価なクルマゆえ、これまで出荷された450台は、それぞれ顧客の要求に応じて特別なカスタマイズがほどこされ、ふたつとしておなじ仕様はないという。そのために、特別なボディカラーはもちろんのこと、陶磁器、クリスタル、特別なレザー、ウッド、ゴールド、プラチナなど自動車ではあまり使われない素材までもが用いらており、これらの費用にオプションをくわえたヴェイロンの平均購入額は、約2,300万ユーロ(およそ3億円)にものぼるという。

今回は最終モデルの展示となったが、この先後継モデルについては触れられておらず、公式なアナウンスを待つばかりだ。

           
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