MASSARO|男性待望の「マサロ」のプレタコレクションがいよいよ登場
MASSARO|マサロ
待ち望んでいた男性たちへ
「マサロ」のプレタコレクション登場
シャネルをはじめとするそうそうたるメゾンのシューズを手がけることで知られる「マサロ」だが、メンズとしてはこれまでカスタムメイドのみに限られていたため、指をくわえて見ているしかなかった男性も多かっただろう。そんな“崇拝者”たちに朗報。このたび全6型のラインナップで初のプレタ(既製靴)コレクションが登場──リリースは2010年3月。
Text by OPENERSPhoto by MASSARO
もの自体が語る真のラグジュアリー
おしゃれな女性にとって「マサロ」は、なじみのある名ではないだろうか。ウォリス・シンプソン、モナ・ビスマルク、マレーネ・ディートリッヒ、ロミー・シュナイダー……、枚挙に暇のないほど数多くのセレブリティに愛されたその靴は、ときに彼女たちの代名詞となるほどに、そのスタイルの形成に与るところが大きかった。それまでにない靴を求めた彼女たちの要望に、マサロは上品さ、威厳、独創性をすべて備えた靴をつくることで応えたのだ。
創立者の孫、レイモン・マサロはそのような個人の顧客のためだけでなく、多くのファッションブランドの靴も手がけるようになった。クリスチャン・ラクロワ、ジョン・ガリアーノ、アズディン・アライアなどのメゾンのために靴をつくっているが、その筆頭はなんといってもシャネルだろう。彼が開発に携わった1952年のトウに黒のサテンを張ったベージュのサンダルは、いまやシャネルのアイコンのひとつである。
こうして広く世間の知るところとなったマサロの熟達した技術は、とうぜん、洒脱な男たちにとっても魅惑的なものであった。だが、その恩恵にあやかることができたのはごく一部の粋人たちにすぎない。
マサロでは男性用としてはこれまでカスタムメイドでしかその“渇望”に応えてこなかったのだ。そんなマサロから、初の“プレタ”コレクションが発表されるという。当主レイモンより引き継いだディレクター、フィリップ・アティエンザ──フランス国立工芸保存院出身、靴職人としての経験も豊富──が取り組むこのあらたなステップとはどのようなものなのか。
コレクションは全6スタイル。その構成は2種のダービースタイル、3種のオックスフォードスタイル、そして1種のバックルスタイルである。あえて狭く保たれたシューズ幅やラウンドになりすぎず、かといってテーパードでもないトウのラインは、時代性を超越したクラシックなスタイルとなっている。キッドスキンをグッドイヤー・ウェルテッド製法で仕立てるマサロのメンズ・シューズは、耐久性、クオリティともに見巧者を頷かせる仕上がりだ。カラーはそれぞれブラック、チョコレート、タバコの3色で展開される。ハーフサイズでそろうので自分の足にしっくりなじむ1足を見つけられるだろう。
これらをはじめて目にするひとには、もしかするとそのシルエットは少々“いびつ”に映るかもしれない。長いノーズや左右の差を感じさせないスマートなプロポーションは、マサロの靴には縁遠い要素だ。
しかしそれは、“あるがまま”の足型に沿って成型されているからにほかならない。このいびつさは実際に足を入れたとき、最高の履きごこちを約束してくれるだけでなく、外見的な美しさの点でも同様に、ひとの足に履かれてこそ最高のパフォーマンスを発揮する。
もの自体が語ることこそ真のラグジュアリーである──マサロの靴にはソールはもとよりインソールにさえ一切ロゴはない。ただひとつマサロであることを“語る”のがフィドルバックのイエローとブラックのコンビネーションだ。数かずのクチュリエたちを唸らせてきた伝統に、さらに熟練の技巧がくわわったマサロの靴づくりが、名実ともに最高峰を極めたあかしは、このようにしてさりげなく仄めかされるのだろう。
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