Volkswagen Golf|フォルクスワーゲン・ゴルフ(後編)
Volkswagen Golf|フォルクスワーゲン・ゴルフ(後編)
じつに効率的なクルマ
1974年のデビュー以来、つねにベストセラーとして世界中のカーメーカーの指標となってきたゴルフ。このたび登場したその6代目にさっそく試乗した。
文=小川フミオ写真=荒川正幸
燃料計の針がなかなか動かない
ふたつ用意されたグレードのうち、とりわけハイラインは、低回転域ではスーパーチャージャーが太いトルクを与え、エンジン回転が上がるとターボチャージャーが動いて、がつんとパンチのある加速力を味わわせてくれる。知らなければ2リッターの感覚だ。
さらに運転感覚を上質なものにしてくれているのが、DSGと呼ばれる新世代のギアボックスだ。従来のオートマチックと同じ感覚で運転できるのに、マニュアルトランスミッションのようなダイレクトなシフトフィーリングを味わえる。
今回は7スピード化されるとともに乾式となり、従来の湿式多板クラッチの6段DSGがクラッチ冷却用のオイルを必要としたのに対して、こちらはより軽量化に成功。
「これからはこのDSGが世界中のクルマに搭載されるようになる」とフォルクスワーゲンでは言うが、それもうなづけるような出来なのだ。実際いま国産自動車メーカーでも着々と同種のギアボックスの研究開発を進めているようだし。
10・15モードで17km/lに迫る低燃費
小排気量エンジンと高効率のギアボックスの恩恵は燃費にも。フォルクスワーゲンによると、ハイラインもコンフォートラインも10・15モード燃費でリッターあたりの走行距離が17kmに迫ろうというのだ。たしかに距離を走っても、燃料計の針がなかなか動かない。
「日本ではハイブリッドばやりだけれど、ドイツをはじめ欧州のように高速走行を前提に判断すれば、新型ゴルフはじつに効率的なクルマです」
フォルクスワーゲン広報の言葉だけれど、エレクトロニクスに頼らず、運転して楽しく燃費もいい、というクルマをつくりあげた発想と技術には感心する。かたやハイブリッドがどんどん進化する時代だけれど、ガソリン車だってまだまだやれることがある――。運転好きなひとは、いちどゴルフに乗って、クルマの未来について思いを馳せてみませんか。なかなか楽しい作業だと思う。
そうそう、かなり静かです。これも驚き。
フォクルスワーゲン・ゴルフTSI ハイライン
ボディ|全長4210×全幅1790×全高1485mm
エンジン|1.4ℓ 直列4気筒+インタークーラー付きターボチャージャー+スーパーチャージャー
最高出力|118kW[160ps]/5800rpm 最大トルク240Nm[24.5kgm]/1500~4500rpm 駆動方式|FF
トランスミッション|7段オートマチック
価格|312万円
フォクルスワーゲン・ゴルフTSI コンフォートライン
ボディ|全長4210×全幅1790×全高1485mm
エンジン|1.4ℓ 直列4気筒+インタークーラー付きターボチャージャー
最高出力|90kW[122ps]/5000rpm 最大トルク200Nm[20.4kgm]/1500~4000rpm
駆動方式|FF
トランスミッション|7段オートマチック DSG
価格|275万円
フォルクスワーゲン カスタマーセンター
0120-993-199
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