FERRARI 612 SCAGLIETTI|フェラーリ 612 スカリエッティ
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2015年4月27日

FERRARI 612 SCAGLIETTI|フェラーリ 612 スカリエッティ

FERRARI 612 SCAGLIETTI

フェラーリ 612 スカリエッティ

ピニンファリーナによる優麗なスタイリング

2004年のデトロイトショーで発表されたV12を積むフロントエンジンフェラーリが「612スカリエッティ」だ。スカリエッティとは1950年代から60年代にコーチビルダーとして数々のフェラーリを生み出したセルジオ・スカリエッティを指す。

彼への敬意を表すかのように、美しく仕立て上げられたそのスタイリングはピニンファリーナの手によるもの。スチールでつくるより40%も軽量であるにもかかわらず、高い剛性を誇るアルミスペースフレームボディに搭載されるのは、5.75リッターのV12エンジン。その性能は540ps、588Nmにも及び、0-100km/h加速は4.2秒、最高速は313km/h以上をマーク。後席にふたりぶんのシートを用意し、十分な広さを誇るラゲッジスペースを備える実用的なパッケージングもこのクルマの魅力だ。

“プラス2”以上の快適な後席を提供しながら、走りの性能に妥協を許さないのがフェラーリの流儀といえる。しかも、フロントエンジン、リアドライブのレイアウトにもかかわらず、前46:後54の理想的な前後重量配分を実現し、スポーティなハンドリングをもたらすのだ。

これに貢献するのが、リアのディファレンシャル直前にギアボックスを配置するトランスアクスルという手法だ。トランスミッションはマニュアルに加えて、セミ・オートマチックのF1タイプ・ギアボックスが用意される。

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フェラーリ 612 スカリエッティ

ボディ|全長4902×全幅1957×全高1344mm
エンジン|5.75リッターV型12気筒
最高出力|397kW[540ps]/7250rpm
最大トルク|588Nm[60.0kgm]/5250rpm
駆動方式|FR
トランスミッション|6段マニュアル(F1タイプ・ギアボックス)
価格|3033万2000円(3297万円)
(2008年5月26日現在)

BRAND HISTORY
“カヴァリーノ・ランパンテ”、日本では“跳ね馬”と称されるエンブレムに胸躍らせるファンは少なくない。サーキットではその激しい走りに観衆は熱狂し、ストリートでは端麗なシルエットと甲高いサウンドで人々を魅了するクルマ、それがFERRARI(フェラーリ)だ。F1、市販車のいずれにおいても、スピードを極めるこのブランドは、創業者であるエンツォ・フェラーリの情熱がいまなお強く息づいている。

1898年にイタリアのモデナで生まれたエンツォは、10歳のときボローニャで見たレースに感激し、いつしか自分もレーシングドライバーになろうと思うようになる。一途な思いは着々と実現へ向かい、1920年、エンツォはついにアルファ・ロメオのテストドライバーとなった。そして、同じ年のタルガ・フローリオではアルファのドライバーとして参戦、見事2位の記録を残している。

しかし、やがてエンツォの興味はレーシング・チームを運営することへと移り、1929年にスクーデリア・フェラーリを立ち上げて、アルファのレース活動を引き受けることに。その手腕を発揮するにもかかわらず、1939年にはアルファとの関係は解消され、第二次大戦後の1947年、自前のV12エンジンを積む「フェラーリ125」を引っさげてレース活動を再開。ここからスポーツカーブランドとしてのフェラーリが歩みはじめた。

その後、フェラーリはフィアット傘下に入り、現在はフィアットグループの会長を兼任する社長のルカ・モンテゼーモロのもとで、ブランドの魅力を高め続けている。ラインアップは、V12エンジンを積む「599」と「612スカリエッティ」、V8のミドシップスポーツ「F430」「F430スパイダー」、そして、スポーティさを極めた「430スクーデリア」の5モデルである。

           
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