ACT 3 MEET THE BE@RBRICK!!!!!(1)
ACT 3
MEET THE BE@RBRICK!!!!!(1)
~ベアブリックがやってくる!!!(1)
小さくて不思議な容貌にもかかわらず、世界中から注目を浴びている自社オリジナルキャラ「BE@RBRICK」について語っていただく。世界売上2000万個の販売実績を持つキラーコンテンツに成長した「彼」はどのように誕生し、発展していったのか…?
末尾のスクープ情報も見逃すべからず。
「100年愛されるキャラクターを作れないものか」
――BE@RBRICK誕生の経緯
前回でお話した「KUBRICK」で色々やりたいことを模索していたんですが、商品化するまでにかなり時間がかかってしまいまして……。企画を考えても、その制作に時間がかかってしまう。そんなスピードに合わせられる企画を作れないかなぁと考えていました。それがひとつ。
もうひとつは、2000年のお正月あたりだったでしょうか。新聞か何かでテディ・ベアが100周年という記事を見かけたんです。100年も世界中の人に認知され、愛されているキャラなんてすごいなぁと。
今でこそ、WEBというツールが当たり前になっていますが、当時はやっと立ち上がったレベルで、これからはもっと成熟していくだろうと感じていました。そこでそんなマーケットや環境の中に、きちんと対応できるようないわゆる「デジタル」なテディ・ベアを作ろうと思ったんです。
●「悶々としたKUBRICKの開発スピード」
●「100年愛されるキャラクター」
●「デジタルなテディ・ベア」
この全てをあわせた瞬間に、一気に「ピタッ」とはまった気がしました。
『BE@RBRICK』の始まりです。
――BE@RBRICKの独特なフォルム
そしてデザインへ話は移っていくのですが……あれはある日の夜中3時くらいでしたか。アイデアがコロンと落ちてきたのが。それをペンで描いたのが発端です。それを企画会議で「こんなデザインはどうよ?」「あぁ面白いねぇ」と。「時間はないから手足はKUBRICKを流用して…」「頭と体は作って、クマにしちゃおうよ」などなど、今考えると時間が無かった所為もあってすごく急ピッチで開発しましたね(笑)……。
考える時間を持って、もっと企画を練り上げていたらその結果は分かりませんが、もっと違う形になっていたかもしれません。結果的に僕らが皆様に「彼」をご提供できるようになった経緯の中には、様々な偶然や、要素が絡み合って、可能になっているのだと思います。もちろんKUBRICKが無ければ生まれていないキャラクターでもあります。
デザインを見ると三次曲線と直線が絡み合う、すごく不思議なデザインですよね。
実は発表した後に、あるデザイナーの方が、
「赤司君さ、これ変だよ。
デザイナーの観点から言うと、こんなデザインはしないよ」
と言われてしまったんです……。
ですが、
「デザイナーならばもっと洗練させるか、もっと変にしてしまうか。しかし、僕らには思いつかないデザインだから何故か引っかかってしまう。ヒットした理由って、そういった『違和感』なんじゃないか」
ともおっしゃっていただいたんです。
ただかわいいだけじゃない、不気味な気もするこのフォルムが「彼」が皆さんに愛されている一番の理由なんじゃないかなと、今では思っています。
フォルムで言うと、もうひとつキーになっているのが「顔」がないこと。なんでもないから、なんにでもなれる。という全容性があるキャラクターでもあるんです。…というのは実は後付で考えた事なんですが……(笑)。
次回
ACT3 MEET THE BE@RBRICK!!!!!(2)につづく…