RIKACOインタビュー|オーガニックを通じて、見えてきたもの
BEAUTY / FEATURES
2015年2月9日

RIKACOインタビュー|オーガニックを通じて、見えてきたもの

『be my self』プロデューサー RIKACOインタビュー

オーガニックを通じて、見えてきたもの (1)

昨年、東京・中目黒にオープンした『be my self(ビー マイ セルフ)』のキーワードは、オーガニック。1階がオーガニックデリ、2階は野菜を提供するオーガニックカフェ&ダイナー、さらにオーガニックアロマを用いたトリートメントサロンと、オリジナルのコスメも販売する3階、そしてヨガ、ピラティス、コアパフォーマンスが受けられるスタジオを備えた地下1階と身体の内側からも外側からもクリーンになれる、まさに“オーガニック”な複合施設だ。

そのプロデュースを手がけるのが、RIKACOさん。彼女の夢だったという『be my self』に込めた思い、オーガニックに対する考えなど、たっぷりと語ってもらった。

Text by Tica TsushimaPhoto by Kenta Suzuki

自分がこうって決めたら、やる。

――『be my self』を立ち上げる構想は、いつごろからあったんでしょうか?

この5年くらい、自分のなかで「食」「肌から吸収するもの」「身体を動かす」という3つのキーワードをすごく大事にしてきたんです。けど、食べ物ならこの店、コスメはあの店、運動なら……ってバラバラで。ひとつの場所ですべてがかなう空間が欲しいなと思ったのがきっかけかな。具体的にかたちにしていこうと動き出したのは、ここ3年くらいです。

――『be my self』は、RIKACOさんがたどり着くべき場所だったと。

まだまだ理想に向かってる途中なので、たどり着いたとは言えないけど、そんな気がします。

――『be my self』の誕生と同時に、エッセンシャルオイルを用いたコスメラインもデビューしましたが、こちらをつくろうと思ったきっかけはなんですか?

食べるものにいくら気をつかっていても、シャンプーや石鹸などに入っている界面活性剤が皮膚から吸収されてしまったら、食事の意味が薄まるじゃないですか。それなら、納得できるものを自分でつくろうって思ったんです。それで、3階のアロマフロアのプロデュースをお願いしている中村あづささんにリクエストしたら、びっくりするくらいいいものができて。これは本当に自信をもって薦められる商品。

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RIKACOさん

――製品にはすべて、RIKACOさんをイメージした香り「No.0」がつけられていますが、この香りもすぐに決まったんですか?

私がイメージを伝えて、提案してもらった香りのなかから選びました。今回のものは「No.0」ですが、これから何番まで増えていくのか、私自身もとても楽しみにしています。

食べ物を選ぶことは、将来の自分や家族の健康を選ぶこと

――そもそも、RIKACOさんが、オーガニックに興味をもつようになったきっかけを教えてください。

27歳のとき、長男を出産して、もう自分ひとりの身体じゃないっていうところから、できるだけ身体にいいものを食べたいなあって食事に関心をもちはじめたことですね。

――まずは食事だったんですね。それは野菜を有機栽培のものに変えるとか?

そう。口にするものから有機に変えて、そこから化粧品やシャンプーにも意識が向いて、身体を動かすようになって……。子どもを生んで育てたという体験が、いまの私につながったんじゃないかな。ひととしてもすごく大きくなれたし、たくさん学ばせてもらった。もちろん今でも学び中だけど、大きな転機だったと感じています。

――『be my self』で販売している食品も、RIKACOさんがセレクトされてらっしゃるんですもんね。

そうです。自分がずっと使っていたものはもちろん、あらたにスタッフが見つけてくれたものもあります。でもまだ完成形ではなくて、日々いいものを取り入れていきたいし、私たちで開発していきたいとも思ってます。

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1階のオーガニックデリ

――セレクトしたもので、一番のお薦めをあげるとしたら?

どれもお薦めしたいけど、しいてあげるなら「ミルキークウィーン」。昔から日本人はお米を食べて育ってきたし、日本人にとって一番身近な食べ物ですから。このお米は、茨城の大野さんっていう方がつくってらっしゃるんですけど、彼のお米づくりの信念と私の子どもを育てる考え方がすごくマッチしていて、すごくリスペクトできるの。実際会ってこのひとが育てているお米ならまちがいないって思えたし、本当に美味しい。できるだけ多くのひとに知ってもらいたい、幻のお米です。

『be my self』プロデューサー RIKACOインタビュー

オーガニックを通じて、見えてきたもの(2)

ルーズな自意識の時代は終わった

――日本における、食の状況はどうお考えですか?

自給率がすごく落ちていて、輸入のもので成り立っているっていう状況じゃない。だからこそ日本でつくられた食材を私たちがもっと食べて、少しでも自給率アップにつながっていければいいんじゃないかなと思いますね。あと、食べ物を買うとき、10円でも安いものを選びがちなひとが多いと思うんですけど、少しくらい高くても、自分や家族の健康を買うってことに意識を向けたら素敵だと思う。食べているもので人間は変わる、絶対に。考え方も美しさも。

――食べる内容を変えて、RIKACOさん自身は変わられました?

変わったと思います。きれいになった、身体のなかから。考え方にもブレがなくなったし。身体にいいものってパワーがあるでしょう。そういうものを意識して食べていると、自分は健康だって思えるようになるの。もちろん、実際健康になっていると思う。

――今、オーガニックがブームになっていますが、RIKACOさんはこのような状況をどうお考えになりますか?

オーガニックを流行りとしてとらえていることが、すごく悲しくて。ファッションの一部みたいになってしまってるじゃないですか。それはちょっとちがうんじゃないのかなって思いますよね。日本人はまずかたちから入りがちだから、ポリシーをもって長くひとつのことを深く考えるとか、自分の身体を大切にするとか、そういうことがまだ足りないのかな、と。もっとこう、この流行をとっかかりにして、日本人のライフスタイルや、未来への考え方が変わればいいのだけど……。

――日本人は、もっと自分に対して意識的になったほうがいいということですか?

将来を健康に過ごしたいのであれば、自分で改善していかないと、結局は自分の責任で誰も助けてくれないと思うんです。不摂生がよくないことはわかってるけど、忙しいとか言い訳するひとが多いのが現実でしょう。だけど、もうルーズな時代じゃない。同世代で体型が崩れてないひとに出会うと、すごい信頼できますよね。それをキープしていく辛さを、自分もわかっているから。ストイックな精神って体型にもあらわれると思うし、そういう生き方のベースを問われる時代になってきてるんじゃないかな。

――最後に『be my self』を通じて、こうしたいという願いはありますか?

毎週日曜に、みんなでこの地域のゴミ拾いをしてるんですど、毎回、ゴミの多さにすごいショックを受けていて。それって“自分だけならいいや”って精神があるからじゃないですか。いま、世界全体がそんな感じになってる気がするの。いろんなものが発展して、生活は便利になった。だけど、それが地球にもたらしたリスクって、ものすごく大きいと思うの。未来の子どもたちのためにも、いまここで私たちが地球に恩返ししなきゃいけない。『be my self』には、そういう思いも託してるんです。政治を動かすとか、地球環境に対してとか、大きなことじゃなくて、オーガニックという選択によって地球にもいいことができるんだよ、っていう身近なことを子どもたちにしっかり伝えていきたい。ぜひ『be my self』にきていろいろ私と話をしてほしいし、一緒にできることをやってほしいと思っています。

――ありがとうございました。

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オリジナルのシャンプー

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『be my self』外観

RIKACO|リカコ

13歳でモデルとなり活躍。持ち前のスタイルとキャラクターで多数の同性ファンの支持を集めコマーシャルにも数多く出演。その後20代から芸能界にフィールドを移しバラエティー、ドラマ、映画、CM、雑誌で活躍。2009年10月に自身がプロデュースする「スタジオ」「オーガニックカフェ」「オーガニックアロマショップ」の複合施設『be my self』を中目黒にオープンさせる。

be my self|ビー マイ セルフ
東京都目黒区青葉台1-25-1 K2ビル
Tel. 03-6412-8381
営業時間|11:00~23:00
定休日|年末年始
www.bemyself.jp

           
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