ART|北海道の歩みをアートで振り返る『札幌国際芸術祭2014』
LOUNGE / ART
2015年1月28日

ART|北海道の歩みをアートで振り返る『札幌国際芸術祭2014』

ART│「都市と自然」をテーマに、坂本龍一氏がゲストディレクターに就任

北海道の歩みをアートで振り返る『札幌国際芸術祭2014』

「都市と自然」をテーマに、坂本龍一氏をゲストディレクターに迎え、9月28日(日)まで開催中の『札幌国際芸術祭2014』。会期の約半分を終え、佳境を迎えた芸術の祭典からまだまだ目が離せない。

Text by YANAKA Tomomi

札幌大通地下ギャラリーやモエレ沼公園など市内各所も会場に

明治維新とともに“北海道”と名づけられ、日本の近代化の象徴ともいえる北海道。いっぽう、先住民族や自然そのものも、近代化とは無縁ではいられなかったのも事実だろう。そうした過去の歩みをアートとして振り返ろうと開催されている『札幌国際芸術祭2014』。

ゲストディレクターには世界的アーティストの坂本龍一氏が就任。街や自然に親しむような音楽や音にも注目が集まる芸術祭となった。

岡部昌生 《YUBARI MATRIX 1992-2014》 2014年 オフィシャルサプライヤー:日本板硝子北海道株式会社 提供:創造都市さっぽろ・国際芸術祭実行委員会 photo:Keizo Kioku

島袋道浩 「一石を投じる」2014年 提供:創造都市さっぽろ・国際芸術祭実行委員会 photo:Kentaro MINAMI(SS)

メイン会場のひとつとなる北海道立近代美術館では、岡部昌生氏による大規模な夕張炭鉱遺構のフロッタージュ作品など、北海道の炭鉱史をはじめ、エネルギーの転換期とそれを取り巻く環境や社会背景に関連した作品が並ぶ。

札幌市街地から少し離れた会場、札幌芸術の森美術館では、宮永愛子氏による器をもちいたサウンド・インスタレーションや、カールステン・ニコライの巨大な新作映像作品などが、抽象的でありながらも、悠久の自然を体感させてくれる。

宮永愛子 そらみみみそら(mine・札幌) 2014年 提供:創造都市さっぽろ・国際芸術祭実行委員会 photo:Keizo Kioku

坂本龍一+真鍋大度 センシング・ストリームズ ー 不可視、不可聴 2014年 提供:創造都市さっぽろ・国際芸術祭実行委員会 photo:Keizo Kioku

このほかにも札幌駅前地下歩行空間(チ・カ・ホ)や札幌大通地下ギャラリー、モエレ沼公園など市内各地が会場となり、現代アートを中心に音楽やパフォーマンス、メディア・アートといったさまざまなコンテンツが繰り広げられている。

アートの舞台としてこれ以上ないほどの豊かな表情をみせる北の大地北海道で、少し早い芸術の秋を堪能できる『札幌国際芸術祭2014』。アートに触れ、地域に触れることで、札幌の過去、いま、未来がより心に響くものとなるだろう。

札幌国際芸術祭2014
会期│7月19日(土)~9月28日(日)
会場│北海道立近代美術館
札幌市中央区北1条西17丁目、
札幌芸術の森美術館
札幌市南区芸術の森2丁目75、
ほか16会場
共通チケット│一般1800円、大学生1000円、高校生700円
www.sapporo-internationalartfestival.jp/

           
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