あたらしいフロントフェイスを採用したナビゲーター|Lincoln
Lincoln Navigator|リンカーン ナビゲーター
あたらしいフロントフェイスを採用したナビゲーター
フルサイズ ラグジュアリーSUVマーケットを牽引してきたリンカーン「ナビゲーター」が、あたらしいフロントグリルデザインを採用したマイナーチェンジをおこない、2015年モデルとして登場する。実車は、2月6日に開幕するシカゴ オートショーで初披露され、北米では今年の秋より販売を開始する予定である。
Text by SAKURAI Kenichi
リンカーンブランドのあたらしいフェイスに
シカゴ オートショーでワールドプレミアするリンカーンのフラッグシップSUV「ナビゲーター」は、これまでの格子型グリルをあらため、ほかの現行モデル同様となる中央にエンブレムを置き、左右にグリルを分割するあたらしいリンカーン フェイスを採用している。リンカーンではこれを“スプリット ウィング グリル”と呼び、「MKZ」から最新の「MKC」にいたる全モデルで順次採用してきた。今回、ナビゲーターのマイナーチェンジにより、全ラインナップがスプリット ウィング グリルへの移行を完了したことになる。
フロントフェイスは、この新型グリルの採用のほか、新デザインのボンネットフードや、LEDのポジションランプを内蔵したあたらしいHID式ヘッドライト、バンパーに配置されたLEDのアクセントア ダプティブ ヘッドライトなどで洗練された印象をもたらすものとなった。テールライトデザインもパドル型に一新され、よりラグジュアリーなアピアランスを手にいれた。この左右のテールライトとガーニッシュを組み合わせたデザインは、フロントのバンパーにおける、左右のLEDアクセントアダプティブヘッドライトを繋ぐデザインと対になるモチーフだ。
ホイールは20インチサイズが標準となり、より豪華なアイテムを採用する「リザーブパッケージ」では、ポリッシュ加工された22インチサイズのものが標準装備されるほか、オプションでクロームアクセントを施したランニングボードや電動ムーンルーフをくわえることができる。
インテリアでは、高級車の証としてシートやトリムに本革や本物のウッドがふんだんにあしらわれる。ウッド部分には、一般的にヨットでのアクセントとして使用される、最上級のうつくしさと肌目をもつ反面、加工が非常に難しい「プレミアム ジリコテ ウッドトリム」を惜しみなく採用したほか、手に触れる部分はほとんどが上質な革で覆われている。フロントシートにはベンチレーター機能とヒーターを内蔵し、2列目シートにはシートヒーターを装備する。「リザーブパッケージ」では、3列目のシートまでがプレミアムレザー張りとされる。
インフォテイメントも最新にアップデート。ほかのリンカーンブランド ラインナップとおなじく、カーナビやオーディオ、携帯電話、エアコンなどを直感的に操作可能な“マイ リンカーン タッチ”や、音声でオーディオや携帯電話をコントロールできる“SYNC”を装備。あたらしく、エンジンスタート/ストップスイッチも採用した。
Lincoln Navigator|リンカーン ナビゲーター
あたらしいフロントフェイスを採用したナビゲーター
ダウンサイジングされた3.5リッターV6を搭載
搭載エンジンはこれまでの5.4リッターV8にかわり、新開発の3.5リッターV6ツインターボ エコブーストエンジンにダウンサイジング。少なくとも370psの最高出力と59.5kgmの最大トルクを発生すると発表されている。最終スペックは、生産モデルのデリバリー直前に決定する予定だ。このあたらしい3.5リッターのエコブーストエンジンには、マニュアル変速が可能な6段ATのセレクトシフトを組み合わせている。後輪駆動と4WDの駆動方式をスイッチひとつで選ぶことができるのも、「ナビゲーター」の特徴のひとつである。
さらに、あたらしいナビゲーターでは、速度によって適切な操舵力を提供する電動パワーステアリングや、電子制御ダンピングシステム(CCD)、ヒルスタート/ディセントアシストなどのメカニズムも搭載した。CCDは、複数の車両センサーをもちいて道路状況を0.002秒ごとにモニタリングし、路面に合った最適な減衰力をサスペンションが提供してくれるというシステムだ。ノーマル/スポーツ/コンフォートの3つのことなる制御モードを選択することにより、車両の乗り心地をカスタマイズすることが可能。スムーズで快適な乗り心地をもたらしてくれるほか、スポーティなハンドリングを楽しむこともできるという。
また、5度以上の傾きを持つ場所で停車した場合に、ドライバーがブレーキペダルを離した後、最大で2秒間静止し坂道発進をサポートするヒルスタート/ディセントアシストや、牽引のさいに自動的に車高を水平に保つニボマットなども装備。本格派SUVにふさわしいパフォーマンスを提供する。
リンカーンは、新型ナビゲーターの登場によって、あたらしいコンパクトSUV「MKC」をふくむ新世代のフルラインナップが完成する。ナビゲーターの製造はケンタッキー州ルイビルの工場が担当し、今年の夏から開始する予定。今秋には全米のショールームで、新型ナビゲーターの姿が確認できるはずだ。現行モデルは日本でも正規販売がおこなわれているので、ぜひ早めの上陸を期待したい。