MOVIE|クリスチャン・ルブタンが演出したショーを映画化『ファイアbyルブタン』
MOVIE|ブルノ・ユラン監督がみせるこれまでにない臨場感
クリスチャン・ルブタンが演出した伝説のショーを映画化!
ファイアbyルブタン』
シューズデザイナーのクリスチャン・ルブタンが演出し、パリの老舗ナイトクラブ「クレイジー・ホース」で、80日間のみ上演された舞台。この伝説のショーを映像化した『ファイアbyルブタン』が、12月21日(土)から日本でも公開される。
Text by YANAKA Tomomi
モダンカルチャーの頂点を極めたショー
1951年に創立されて以来、半世紀以上にわたりパリカルチャーの中心に君臨しつづけるナイトクラブ「クレイジー・ホース」。ただエロティックなだけではなく、革新的な芸術作品ともいえるショーはセレブリティをはじめ、多くの人を魅了してやまない。
「アートは変化しつづけることだ」と発信してきた「クレイジー・ホース」が2012年、史上初のゲスト・アーティストとしてクリスチャン・ルブタンを招聘。「クレイジー・ホース」のダンサーたちの美しさにインスパイアされて、ハイヒールのデザインをはじめたというルブタンにとって、ここは彼の原点でもあったのだ。
ショーではルブタンたっての希望により、映画監督としてはもちろん、画家、音楽家としてもその稀有な才能で世界を幻惑させつづけている鬼才、デイヴィッド・リンチが音楽を担当することに。こうして21世紀のモダンカルチャーの頂点が溶け合って、『ファイア』は誕生した。
“80日間の幻”に永遠の命を
この世紀のショーに世界は熱狂。再演が強く望まれたが80日間の限定上映という約束が覆ることはなく、伝説として語り継がれることとなった。
そして、この“80日間の幻”に永遠の命を与えるべくして完成したのが『ファイアbyルブタン』だ。3D撮影のスペシャリストとして、2010年FIFAワールドカップの3D生中継の監督・監修を務めたブルノ・ユランが監督を担当。舞踏家ピナ・バウシュをテーマに、アート系3D映画としてあらたなジャンルを切り拓いた『Pina/ピナ・バウシュ踊り続けるいのち』(2011年)の撮影チームとタッグを組み、1300平方メートルの巨大なスタジオでの撮影が敢行された。
ショーは映画のために再構築され、実際の客席では見られなかった角度から舞台を映すことが可能に。さらに、ダンサーたちの息遣い、筋肉の動き、肌の熱まで感じるほどの限界まで近づいたカメラワークはこれまでにない迫力を生み出し、観る者を舞台のなかへと引きずり込んでゆく。また、クリスチャン・ルブタン自身も登場し、演出の秘話を明かすとともに、20年にわたるシューズデザインへの想いも語られた。
映画のために撮り下ろされ、3Dにより高まる臨場感。美しく妖艶で、エレガントかつダイナミックなパフォーマンスが繰り広げられる。
『ファイアbyルブタン』
12月21日(土)より、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか、全国順次ロードショー
監督│ブルノ・ユラン
出演│クリスチャン・ルブタン、クレイジーホース・ダンサー
配給│ギャガ
2012年/フランス/81分/3D・2D/原題『FEU(FIRE) by Christian Louboutin』
http://fire.gaga.ne.jp/
© Antoine Poupel