グッドウッドのセンターは911だ|Prosche
Prosche 911|ポルシェ 911
今年のグッドウッドのセンターフィーチャーは 911
グッドウッド フェスティバル オブ スピードの今年のセントラルフィーチャーは、誕生50周年をむかえた ポルシェ「911」だった。
Text by SUZUKI Fumihiko(OPENERS)
歴代のレーシングポルシェが集う
現在開催中のグッドウッド フェスティバル オブ スピード。このイベントは近年、2009年はアウディ、2010年はアルファロメオ、2011年はジャガー、2012年はロータスと、特定のブランドをイベントのセンターに据ている。
今年、このセントラルフィーチャーとなったのはポルシェ。とあれば、クルマはもちろん、1963年の誕生以来、50年をむかえた「911」だ。
これまで82万台以上がつくられたという、「911」が、いま、グッドウッドに大集合している。ハイライトは1973年、セブリング12時間レースで優勝し、アメリカでのポルシェの名声を確固たるものにした「911 RSR 2.8」。
ポルシェミュージアムからは、1978年にWRCサファリラリーに参戦したラリー向け911 「911 SC」、そして1984年、パリ=ダカールラリーで優勝をはたした「カレラ 4x4」も提供されている。
また、レースモデルとして1993年のポルシェスーパーカップ選手権に出場した「911 RS」(964型)、2003年 アメリカン ル・マン・シリーズの「911 GT3 RSR」(996型)も登場。
レーシングカーといえば、ル・マン24時間レースの90周年を記念して、やはりポルシェミュージアムからポルシェのレーシングカーが数台、提供されている。「911 GT1」は1996年、ル・マン24時間レースに参戦すべく、993型911をベースに開発されたモデル。このときのライバルは「マクラーレン F1」だった。「935/78 ‘Moby Dick'」は、3.2リッター水平対向6気筒エンジンをターボチャージャーで過給し、950psの最高出力を発揮した1978年のレーサー。グループ5規定にあわせたクルマながら、ル・マンのストレートを360km/h以上の速度で駆け抜け、より上位のグループ6のクルマすら追い抜く、規格外のマシンだ。
そして、グッドウッドではおなじみの1987年にル・マンで優勝した「962C」、ル・マン24時間レースで1976年、77年、81年と3回の優勝をはたし、もっとも成功したポルシェのレーシングカー「936」もここにくわわる。
最大の目玉となるのは、ゼッケン23番の「917 K」だ。1970年、ル・マン24時間レースで雨と霧のなかを走りきり、ポルシェに初のル・マン総合優勝をもたらした。
1973年モデルの「917/30K」は、カンナムこと、カナディアン-アメリカン チャレンジ用の「917」で、水平対向12気筒エンジン は5,374ccまで排気量を拡大。これにターボチャージャーを組みあわせることで、1,000psを発揮した。この技術は、1975年に市販化されたポルシェ初のターボモデルである930型911にいかされたとされ、ポルシェはターボモデルの40周年の起源という位置づけで、今回、この917/30Kを出展している。
ちなみに、もちろん最新モデルも登場しており、「911 GT3」は、このグッドウッドが英国デビュー。また新型「パナメーラ」もその走りを披露している。