「艶やかに、丸首セーター!」
編集大魔王の独断で選んだこの秋冬注目のアイテム7選を、月二回の更新でお届けしているこの連載。第三弾は、今年らしいモチーフやアーティスティックな柄をあしらったクルーネックセーターをフィーチャー。ブランドの持ち味が存分に発揮された一着は、それぞれが主役級の存在感を放ち、スタイリングに抜群のインパクトを与えてくれるはずだ。
Direction & Select by SUKEZANE TomokiPhotographs by YAMAGUCHI KenichiStyling by KAWAI Kota Text by HATAKEYAMA SatokoGrooming by 大東京
vol.3 クルーネックの柄セーター【pæ'tərn swétər】
祐真 クルーネックセーターはアイビーの基本アイテムのひとつで、それにボタンダウンシャツとチノパンをあわせたコーディネートは、メンズファッションの王道スタイルでもあります。16歳ぐらいの多感な時期にそのルールをガツンと注入された僕は、クルーネックセーターをみると「着てみたいな」と条件反射のように思ってしまいます。
いつもは無地のモヘアやシェットランドウールのセーターを着ることが多いのですけれど、今秋冬は多くのブランドが面白い柄のセーターを出していて、それぞれが斬新かつ新鮮でつい目がいってしまいます。今回チョイスしたセーターに合わせたのは、白のボタンダウンシャツ。
チノパンをあわせるのもいいのですが、僕自身のスタイリングではブリーチしたデニムパンツを穿いています。リジットの5ポケットというよりは、太めのワークパンツをあわせるのが今年の気分かなと思っています。
PRADA|プラダ
祐真 デジタル風なグラフィックを、温かみのあるカラーリングとざっくりした手編みのテクニックでアナログ風にみせているのが秀逸。70年代のニュアンスを巧みに取り入れた今シーズンのプラダを象徴するようなアイテムです。袖はラグラン仕立てで、着やすいのもいい。
Saint Laurent|サンローラン
祐真 長めの袖やマルチな配色など、ちょっとパンクな匂いを感じさせるモヘアニットです。上質なモヘアの質感はもちろん、細身のシルエットなので、着た時のシルエットも意外とスマート。
GUCCI|グッチ
祐真 キャットモチーフがインパクト大ですが、これを堂々と着こなせる人がいたらかなりの達人だと思います。バックには「HOLLYWOOD」のメッセージも。若い世代にぜひトライして欲しいセーターです。
FENDI|フェンディ
祐真 なによりもマスタードイエローの発色が素晴らしい。整えられすぎていない「YELLOW」の赤文字も、インパクトがあってユニーク。長め丈の裾からシャツを出す着こなしが似合いそうです。
THOM BROWNE|トム ブラウン
祐真 トラッドなアーガイル柄を大きくデフォルメしたセーターは、幅広の裾リブや左袖のボーダーライン、スリットや袖口のフィンガーホールなどトム ブラウンらしさが盛り沢山。伝統を小気味よくひねったディテールが光ります。
MARNI|マルニ
祐真 マルチボーダーのカラーリングがモダンでいい。こういうクルーネックセーターは、オーセンティックな着方が似合います。キレイな色目をいかして、ボトムは深いグリーンのパンツなどをあわせるといいかもしれません。
DIOR HOMME|ディオール オム
祐真 コレクションのメッセージやメゾンの象徴であるバラなどを、アシンメトリーにジャカードであしらったクールな逸品。クルーネックの襟元から白シャツを出してストイックに着てみたい一着です。
【spot light】
LOUIS VUITTON|ルイ・ヴィトン
祐真 今シーズンのルイ・ヴィトンはSupremeとのコラボが大きな話題になっていますが、実はそれと同じぐらい注目したいのが、ウェアのマテリアルがかなりハイクオリティだということ。全体を見てもすごくいいコレクションに仕上がっているんです。