Diary-T 248 Taiwan dictionary 台北高雄の旅 その最終回。
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2015年4月15日

Diary-T 248 Taiwan dictionary 台北高雄の旅 その最終回。

Diary-T Vol.32

Diary-T 248 Taiwan dictionary 台北高雄の旅 その最終回。

文・アートワーク=桑原茂一

台湾の求人ポスターの元気のよさに目を見張る。
労働に対してまだ純な思いがあるのではないか。
お店はどこでも親切だ。マニュアル通りのセリフしかは話せない日本の労働者たちの心の貧しさをまだ彼らは知らない。

働くことを効率にしか置き換えることが出来ないメンタリティーを子供の頃から植え付けられたロボットのような日本の若き二十代~三十代前半までの労働者たちに変化が訪れるとするなら、それは台湾の労働者たちに混ぜてもらうことでしかないかもしれない。働くこと。それ自体が、人間に喜びを生み出すものだということ。思い通りにならないから仕事はクリエイティブにならざるを得ないのだ。

台湾で生きてみる。

これまでとは違う私に出会う為にはもうつかの間も躊躇している余裕はない。行き当たりばったりで生きてきた私だが、TheEndをあますところ十年程度と捉えるなら、台湾、パリ、インドネシア、ベトナム、ベネズエラ・ボリバル共和国 、チェンマイ、京都…

もうここからは計画的にならざるを得ないのだ。
まじ?野方図に放屁する私は愚者の楽園の頑愚也。

恋愛映画のように、恋愛小説のように、そのサウンドトラックを日々選曲するように、
台湾で生き、暮らし、映像を撮り、
もうこれでいいと観念するまで存分に生き抜きたい。もちろん個人的なサイズでの話だが、
まだ一度も作りたいものを作っていないのだから。

アートは一瞬にしてそれまでの私の時間を奪い
まだ経験したことのない世界をみせてくれるものでなければならい。
ホテルのフロントに掲げてある裸体絵画を前にして私の日常は崩れていく。そして聞こえてくるCharles Aznavour の La Bohème
もうここはどこでもないどこか。

抱き合う物体。
悪趣味なアートをちりばめたホテル。
私の求める非日常がここにある。わけもない。が、
それは、確かに心振るわすメロディーが聞こえるから…そんな気になってしまいますわ。

舌を刺すような渋みの利いた台湾のお茶がいい。
朽ちていく私の身体をアイム・ノット・アフレイドぷるると染み込んでくる。

人生をハッピーエンドで終わらせることが出来ないことはもうとっくに分かっている。
答えをいつまでも先延ばしして余計な金利を払うくらいなら毅然と真実を真摯にふりちんで受け止め己の人生を祝祭で飾る処方箋に分があるだろう。

愚か者たちよ空砲を撃ちならせ。
放屁でもいい。鼾でも。指笛でもいい。
叫べ!出来るだけ大きな声で。
あぁ小さなひとが歩く音が巨人の足音という愛。
もう目からダムが決壊だ。
I'm In The Mood For Love
アホでいい、馬鹿でいい、恋して、愛して、
I'm In The Mood For Love
生きてることは泣き笑い。
ピアノから吹き出すミルクもマザーcome backプリーズ。
あり得ぬことこそ生きる技マエストロ!
死ぬまで遊ぼう恋人よ♥

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