Diary-T 247 Taiwan dictionary 台北高雄の旅 その五
Diary-T Vol.32
Diary-T 247 Taiwan dictionary 台北高雄の旅 その五
文・アートワーク=桑原茂一
高雄は港町だったのだ。しかもデカイ。
気を使って頂いて世界で二番目に高い?高層ビルのホテルを予約して頂いたのはいいが、高所恐怖症気味の私はお尻むずむず夜景を楽しむ余裕はなかった。やっぱり気分は平屋がいい。
で、最初に来た八年前?にも確かぶらついた高雄の夜市に出向いた、毎夜毎夜繰り広げられる夜市。安い。安い。安い。しかし時々臭い。豆腐の腐らせた臭豆腐を食べさせるたった一軒の屋台のお陰でその匂いになれないくら~の私はすべての食欲を失ってしまった。来る前にうまい安い新鮮海鮮料理でお腹いっぱいだったせいもあるが、確かなんとかの○玉も食べさせられたのも影響しているかもしれない。
そして人気の仙草水(ゼリー?)専門屋台で腕を振るうおばさまの年季の入った手つきに見とれてしまった。あんまり甘くないというのもなんだか拍子抜けした。しかもたったの六十円也。
身体にいいのかそうでもないのか?
私は遥か昔の駄菓子屋で食べたあれやこれやを思い出していた。あの頃も確か二十円とか?五十円とか?
台湾は私をノスタルジックな気分にさせてしまう。
高雄の優しさと緩さと、でもどこか哀愁のような…寂しさのような、心に隙間があることを、風が通り抜けるように、小さな不安を感じる。
巨大な建造物が次々と生まれようとしている。
その脇のちいさな路地で私は足のマッサージをしてみた。
うん?なぜ?小学生の女の子もマッサージ?お母さんと一緒?なんだかここはみんながワイワイガヤガヤ笑い声が絶えない。
片言の英語?言葉なんか通じなくても気持ちよければ顔見れば分かる。か、だからとてもアットホーム。
アジア、なかでも台湾は、高雄は、私のお母さんかも。
とはいえ暫く住んでみないと本当のところは分からないというのが正直なところだ。でもやってみようかな。
脇毛を剃らない時代があったんだ…っけ、
げっ、絶句アジア。
つづく。