ベントレーEXP 9 Fのエンジンとインテリアを公開|Bentley
BentleyEXP 9 F|ベントレー EXP 9 F
ベントレー、ジュネーブで初お披露目した「EXP 9 F」を北京でも公開
3月に開催されたジュネーブ国際モーターショーにてヴェールを脱いだ「EXP 9 F」。ベントレー初のSUVとして大いなる関心をもって迎えられたコンセプトモデルだ。今回の北京国際モーターショーでの展示では、そのEXP 9 Fについてパワートレーンやインテリアといった点に言及し、プロダクトに向けてプロジェクトが進行している様子をうかがわせた。
Text by HORIGUCHI Yoshihioro(OPENERS)
エンジンバリエーションも検討中
ジュネーブでのワールドプレミアの際には、パワートレインは最高出力600bhp、最大トルク800Nmという強力なパワーを発生させる6リッターW型12気筒ツインターボエンジンを採用するとアナウンスされていたが、このたび“バリエーションとして検討している”と語ったのは、コンチネンタルGT V8に搭載されている最高出力500bhp(507ps)の4リッターV8エンジンや、V型6気筒エンジン+ハイブリッドシステムだった。
ハイブリッドシステムを搭載したモデルはモーターのみでも30kmほど走行可能で、CO2排出量はわずか130g/kmという高い環境性能を発揮するいっぽう、0-100km/h加速については5秒以下という圧倒的なパフォーマンスも誇るとされている。
エクステリアデザインは、往年のブロアー ベントレー(ターボのコンプレサーがグリルよりも出ている)のように、「visible engineering(技術を見せる)」発想を導入しているという。ヘッドライトの下にある、タービンを連想させる丸い穴は、ふちがデイタイムランニングライトになるとともに、そのかたちが表現する通りW12ツインターボエンジンのための冷却用エアインテークでもある。このタービンの意匠は23インチという巨大なホイールにもあらわれている。さらに同様のイメージは戦闘機のジェットエンジンからインスピレーションを受けているというリアのライトでも反復される。
また、前回は不明だった内装も、今回、明らかになった。イギリスの伝統的なハンドクラフトの技術を使用することで、英国風の豪華さを演出したというインテリアは、木とレザーにアルミや銅といった金属がくみあわされた、軽快なものに仕上がっている。
インパネ内部は3D液晶画面に2つのアナログメーター風ベゼルの組み合わせる。3D表示のナビゲーションはドライバーの視線移動が少なくなるよう、メーター中央に配置されており、悪路走行時には地面を確認するためのカメラへと切り替えられる。さらに、砂漠地帯ではスピードメーターがコンパスに、高地ではタコメーターが高度計に自動的に切り替わるという。
ラゲージ部分はピクニックを想定したさまざまなギミックが施される。テールゲートは上下2分割式となっており、開放することで下の部分はそのままベンチに、上部分は屋根となり、先端から日除けを展開することができる。荷室の左右に専用のピクニックバスケットが収納されており、必要なときには楽に取り出せるようになっている。急な雨にも対応できるよう2本の傘が収納できるコンパートメントには、濡れた傘を乾かすためのヒーターまで用意されるという心配りだ。
ベントレーは、今後も、世界中の顧客のEXP 9 Fへの反応を注意深く解析し、製品化にむけて修正を重ねているという。