Diary-T 215 Too Old to ROCK'N'ROLL Too Young to DIE
失ってみなければ分からない威力を感じた。
つまらなくなる。世の中がもっとつまらなくなる。
惜しい人をなくしたというが、昨今の、どの首相よりも
まぎれもなく日本の損失という思いが沸き上がる。
編集という職業は、編集者は、時代を動かしていたんだ。
改めてそんな思いに駆られた。
川勝さんの仕事を縦に積み上げて、
過ぎ去った時代と並べてみたら、
沢山印刷してお金を集積して、
そしてそのためにゴミを大量に生産して、
大量生産大量消費された文化と呼ばれるものと
世間からはサブカルと呼ばれた川勝正幸の仕事を比べたときに、
歴史はどちらを大切だった、と判断するのだろうか。
人に愛されるのは鋭敏な感性よりも、
もしかしたら律儀で誠実な人柄かもしれない。
礼儀正しいということは、
仕事をする準備があるということなのだろう。
おしゃれな人とは、
客観性のずば抜けた人のことをいうのかもしれない。
繰り返しているうちに身に付くという修練もおしゃれの肝。
記憶の手がかりはフェティッシュだ。
無宗教という名の宗教(内田樹さんの書籍より)
過去が波のように押し寄せてくる青山葬儀場で、
私は何度も波に呑み込まれそうになり、必死で藁をつかもうとしたが、側には藁はなく、杖に使えそうな流木をつかんだ、
よくよくみたら、古くからの友人宮沢章夫さんの笑顔だった。
誕生日が同じというだけで、私は勝手に肉親のような気がしている尊敬する友人だ。
で、ネクタイを締めている宮沢君を目の前にしたのはこの日が初めてだった。
ひとはいつもの認識をほんの少し移動させられただけで、
笑いがこみ上げてくるのはなぜか?
そしてこの日はみたこともない雰囲気を醸し出すよく知っている人に沢山お会いすることになった。
ヤン富田さんのネクタイ姿も私にはとてもまろやかに腰が砕けた。
元気そうな顔の色つやに思わず私の頬も緩む。
やはり、人生は金じゃないな。と思う。
青山葬儀場というと大概が立派な成功者でお金持ちの為の場所、
というイメージがこの日迄私にはあった。
だから、この葬儀はある意味革命だと思った。
川勝正幸さんの葬儀が青山葬儀場で行われるということは、
市井の人の勝利とでもいおうか、
川勝正幸さんを愛する人々の小さな心の集まりが、
権威ある青山葬儀場の祭壇をサブカルの祭殿に変えたのだ。
after311以降、日本は自己責任で生きていく国家になった。
弱きものは集い、大きな力に対抗していく時代の幕開けを、
自ら戦陣を切って新しい時代を指し示してくれた川勝正幸に、
私たちのなすべきことはなにか?
利他性、分かち合うこと、
どれもこれからの主流になるだろう。
しかし、なによりも大事なのは、
精一杯、「ふざけること」だと思う。
つまらない時代に、辛気くさい話はもうご免だ。
サブカルの存在理由は
何よりもくだらないことを面白がることだと思う。
あほらしくて、馬鹿で、どうしようもなくて、
もうひたすらあきれて笑い転げること、
でも、
笑ってるのは時代の本質をちゃんと掴んでいるからだもんね、
一番ヤバいところへ突っ込むこと、
川勝正幸さんの意思を継ぐものたちは、そこだと思う。
でだ、川勝さんが亡くなって、49日、
ありがたいことに、
PIRATE RADIOの火曜日。3月20日の火曜日。
だったらやらんといけんやろ!と。
宮沢君も、
”ああいいですね。少し声をかけてみますよ。”
といってくれたけんね。
もはや肉親である宮沢章夫さんに音頭をとって頂いて、
大笑いする?大泣きする?番組をやってみようと思う。
さてさて、いかがなることやら、乞うご期待。
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