Diary-T 203 私の経験だ。
赤ん坊はかわいくて抱きしめたくなるが、
まだ少し無生物のようだ。
子供は三歳ごろから面白くなり始め、
地獄の暗い霧が彼らを包み始める十二歳ごろまでそれが続く。
そして二十歳前後で半文明化された人間として再び姿をあらわすのだ。
それを見て自分が悪い親だとか、
遺伝的な問題があるのではないかなどと思い悩むのはやめ、
やっぱり自分の子供だと悟り、愛するのである。
もちろん例外もあるが、これが私の経験だ。
トニー・ブレア /私の履歴書 日経朝刊文化欄より
http://ja.wikipedia.org/wiki/トニー・ブレア
英国の首相ともなる卓越した人の言葉の巧みさには、
やはり、ただななる気配が潜んでいる。
つまりものごとをみる視点や洞察力にも
まるで将棋の名人のごとく先を先を読みとる奥行きも広がりをも含んでいるのだ。
一見平易な事柄に思えなくはないが、
言葉の隙間から溢れる品性と普遍の真理に
凡庸な私などは思わず四股を踏んでしまう。
人類の歴史を横断し縦断し俯瞰から観察しその上で、
生きる上で最も大切なことを見逃していない。
頭がいいというのは、こういうひとのことをいうのだろう。
さりげないこの一節に接するだけで、
英国の国民は大変豊かな人生を送っているのではないか…、
つまり政治家とは何をする人か?
という答えがちゃんと用意されている国に住む人々を
私は心底羨んでしまうのです。
愛という言葉はキリスト教的な世界から必然として生まれたとどこかで目にしたような気がするが、
大きな愛を育てる風土を、
もう一度、ここから始め直しなさい。
と荒ぶる○から、私たちは問われているのかもしれない。
日本を再生させるのは一人一人の目覚めからでしかないのだから、と。
(トップ画像のコーヒー)
目で見て舌で味あうコーヒーからの愛もある。
ストリーマーコーヒーカンパニー澤田洋史作。
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