Diary-T 183 つぼ焼き(つぶやき)
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2015年5月7日

Diary-T 183 つぼ焼き(つぶやき)

Diary-T

Diary-T 183 つぼ焼き(つぶやき)

文・アートワーク=桑原茂一

ユニクロの柳井会長兼社長の「グローバル人材論」を選んだので、それについてコメントする。
柳井のグローバル人材定義はこうだ。
「私の定義は簡単です。日本でやっている仕事が、世界中どこでもできる人。少子化で日本は市場としての魅力が薄れ、企業は世界で競争しないと成長できなくなった。必要なのは、
「その国の文化や思考を理解して、相手と本音で話せる力です。」
ビジネス言語は世界中どこでも英語である。
「これからのビジネスで英語が話せないのは、
車を運転するのに免許がないのと一緒」。
だから、優秀だが英語だけは苦手という学生は
「いらない」と断言する。

途中略

ここには、国民国家の幼い同胞たちを育成し、支援し、
雇用するのは、年長者の、とりわけ「成功した年長者」の
義務だという国民経済の思想が欠落している。

途中略

柳井のいう「グローバル人材」というのは、
要するに「どこにも根を持たない人間」のことである。
だから、誰にも養分を提供しないし、誰からも養分の提供を求めない。労働契約にある通りの仕事をして、
遅滞なくその代価を受け取る。
相互支援もオーバーアチーブも教育も、何もない。

途中略

後期資本主義の「栴檀」たちは『百年目』の船場の大店と違って、「根を持たない」から、そういうことができる。

あまりにも内田樹さんの指摘が小気味いいので、
内田樹の研究室からランダムにcutupをさせて頂いた。

内田樹の研究室
http://blog.tatsuru.com/2011/11/25_1036.php

正しい指摘はそこに悪意を含まない。んだな。
人生の有段者は発言の佇まいが誠に端正でござる。
と至極納得感銘。

これが、あたいらのレベルだと批評と批判がついごちゃまぜになり恨み節になってしまうのは何処かに被害者意識が働いてしまうのだろうか。
固くなった頑固な思考にマッサージだ。温泉だ。わーい。
で、調子が悪いとは腸の調子のことだとここ暫く感じている。
調子悪くて当たり前!
そんな元気な発声もこの頃心もとなくたどたどしい。

が、つづいて内田樹の研究室に勇気という文字発見。

接近してみる。

誰が私のこの不全感を埋めてくれるのか、
それを探しあてる力。「メンター(導き手)」、
自分を導いてくれる人、それを見当てる力です。
本当に強い不全感を持っている子供は必ず
「この人について行けば大丈夫」、この人なら、
本当に自分が何をしたいかを教えてくれるという直感が働きます。
先ごろ亡くなったスティーブ・ジョブズのスタンフォード大学の卒業式での有名なスピーチがあります。

僕が言いたかったことを彼は全然違う言葉で言っていて、
僕は深い共感を覚えました。

彼がその中でこう言っていました。
半生を振り返って得た結論が、一番大事なことは、
「あなたの心と直感に従う勇気を持つことだ」
(the courage to follow your heart and intuition)と。
どうしてかというと、ここが素晴らしいんですが、

「あなたの心と直感は、あなたが本当は何になりたいかを知っているからである(they somehow know what you truely want to become)」。

これを僕は本当に素晴らしい言葉だと思いました。
僕の言う二番目の学力というのはこれのことです。
「勇気」です。

内田樹の研究室
http://blog.tatsuru.com/2011/11/24_2042.php

内田樹さんの言葉は常に、力強いが力まない。

まるで無重力の言葉だ。

私は毎回こうしてひたすらうなづいているだけだが、

内田樹さんが合気道の有段者であることは、
言葉の武芸としても有段者であるということなんだろう。
真似の出来ることではないが、いつまでもフォロワーでありたい。

手は触れないが随喜の涙。
いつか私もこんな言葉を操りたいものだ。
そう軽くて暖かい羽毛布団のような境地にいつか潜りたいものです。

「僕が言いたかったことを彼は全然違う言葉で言っていて、
僕は深い共感を覚えました。」

このフレーズが私にはツボです嵌りました。
まさにツボを押さえた表現。
しかもこのツボは物書きは無論、あらゆる表現者の必須条件でもありんすよね。
よし私もそのツボを会得する修行に出かけることにしよう。
正月休みに希望が湧いて来たぞ。温泉だ~わーい。
そうか、では来年の書き初めの言葉はこれだな、

つぶやきのツボを極める私。
その志を込めて、

「つぶやきの整体師」

うん?つぶやきのツボ?→「つぼ焼き」→「サザエの壷焼き」

サザエ、か、つぶ貝、ニシ貝、ホラ貝、白ばい貝…
そういえば、赤貝は握りもいいけど酢の物も美味しいよね。
ミル貝は、あの見ためが、もひとつね、ね、後悔、なんて言う貝もあったりして…来年もなんだか忙しい年になりそうだ。

トップ画像は祐天寺のマーゴのトイレに張ってあったポスターから。

margo
http://www.margo3020.com/

それにしてもみあきない写真だな。いいね。×百万倍。

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