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2015年2月3日
特集|OPENERS的ニッポンの若手建築家 PARTII
環境問題、経済や便利な暮らしとエネルギー政策、食品の安全など、私たちの生活はあらゆる局面において、「ポスト3・11」と向き合うことを余儀なくされている。大震災にともなう津波被害やエネルギー危機を経て、とくに“暮らしの場”である長年住みなれた土地やマイホーム、町や都市における、コミュニティのあり方、そこでの価値の見なおしが迫られているように思う。
建築や都市のあり方は、その社会の状況に左右されることは言うまでもないが、これほどまでに、その価値が足もとから揺らぎ、存在自体がおびやかされたことはかつてなかっただろう。
今回のニッポンの若手建築家特集 PARTIIでは、これまで彼らがどのように建築とかかわってきたのかを問うとともに、「震災以後」の取り組みを、それぞれの建築へのスタンスにそって聞いた。
戦後復興から高度経済成長期、飽和の時代からバブル崩壊、無関心の世代を経て、情報化社会を迎えたいま、誰もが危惧していた未曾有の大災害を経験したニッポンの再生への道のりは長い。
この国の未来像を描く職能をもつ、若い世代の建築家たちが3・11以後、何を考えどのように行動しているのかを知ることから、私たちの暮らしをめぐるビジョンの一端がみえてくる。この特集がそんなきっかけになることを願っている。