自分たち自身が着たい “大人ロックテイスト”|戸田恵子×植木 豪
FASHION / WOMEN
2015年8月19日

自分たち自身が着たい “大人ロックテイスト”|戸田恵子×植木 豪

「BGブランド」新作はロングレングスなTシャツ

戸田恵子×植木 豪、自分たち自身が着たい “大人ロックテイスト”(1)

ブランドプロデューサーの戸田恵子さんと、デザインを担当する植木 豪さんが手がける「BGブランド」の新作は、型紙からすべてふたりで作り上げたTシャツ。しかもトレンドを踏まえた長めの着丈が特徴だ。世界的にヒットの兆しを見せるこの“ロングレングス”の着こなしに、あなたもトライしてみてはいかが?

Photographs by JAMANDFIXText by TSUCHIDA Takashi

ゆったりラインで、じつは着こなしがラク!

――今回のTシャツは、着丈の長さが特徴ですね。

戸田恵子(以下、戸田) ロングレングスと呼んでいますが、それは豪くんの方から提案があって。

植木 豪(以下、植木) 最近は自分自身、長いものばかりを着ているんで。女性のみなさんにもチュニックみたいに着られるTシャツになったらいいんじゃないかって。

――着丈が長いデザインが、いまストリートで流行っているんですか?

植木 そうなんです。

戸田 デザイン的にも素敵ですよね。テールの形状もシャツのように丸くして。ラインがゆったりしているから、着ていてラクなんです。

植木 そう。1回長いのを着ると、普通の着丈に戻れなくなりそう。周りのメンバーも長い丈のものばかり愛用しています。

――そのトレンドは、欧米が先行しているんでしょうか?

植木 ブラックカルチャーのオーバーサイズな着こなしと、ハイブランドのビッグサイズのトレンドがちょうどオーバーラップしてきて、横幅はスリムですが縦に長い。ファストファッションでも、今季はほとんど長めになっています。

戸田 ただ、さすがにあからさまなものは大人には無理なので、ちょうどいい頃合いで折り合いをつけました。しかも女性用は、襟ぐりを大きく開けています。もちろんこのまま1枚で着てもいいし、なかにタンクトップを着て、差し色を入れてもらってもいい。

――“SHOW MUST GO ON”と記されていますね。

戸田 このキャッチコピーは、ブランドをはじめたときからのモットーです。私たちはショービジネスの世界に生きているので。もともとはブロードウェイの役者たちのあいだで使われてきた言葉なんですね。どんなことがあっても、舞台はつづけなくてはいけない。

――演目にアナを空けてはいけないと……。

植木 ぼくは知らなかったです。教えてもらってはじめて知りました。

戸田 そうね。豪くんたちは、活動の場がダンスからはじまっているから。

でも、結局おなじだとおもうんですよ。ダンスでステージに上がれば、なにがあっても踊りつづけなければいけない。板の上にいる人たちは、みんな「SHOW MUST GO ON」。私は好きな言葉です。

植木 僕も、教えてもらって、素敵だなとおもいました。

戸田 このボックスロゴも、ものすごく流行っていて。昔からあったデザインですが、また急激に再注目されていますよね。

植木 前回作ったトートバッグもボックスロゴだったんで、それと一緒に着れるようにデザインしました。

――前回のバッグでは、おなじボックスロゴでもカレッジ風でしたが、今回はもっとシックですね。

植木 そうです。線の細いフォントで大人のキレイめを狙って。

戸田 文字を細くしたことで、上質感も出せたとおもいます。繊細で、大人な雰囲気ですよね。ほかのフォントも何種類か試しましたが、これが一番よかった。

――キャッチコピーの下に複数のモチーフがありますね。

植木 いままで登場させてきたモチーフから選んでいます。

戸田 スカルは、オリジナルで作ったロゴアイテムです。剣は、ストールで使用したもの。モノグラムのパターンを作った時に柄のアイテムのひとつに使用しました。それにBGというブランドの名称も入れて。

――アルファベッドのBとGが、Aから数えて2番目と7番目なんですよね。それが、2007年のブランド設立年にちょうど符合して。

戸田 じつはあとからはめ込んだようなエピソードですけど(笑)。もともとBGブランドとは、バックギャモン(Backgammon)の略なんです。バックギャモンは、ふたりで挑むすごろくゲーム。豪くんと私の2人で、ゲーム感覚でブランド作りをしようという。ゲーム感覚って言っても、決して遊びではないのですが(笑)、お互い本業を持っているのでそういうイメージが浮かんだんですね。

好きなファッションとデザインの仕事で、ブランドのアイテムを作り、その収益でダウン症の子どもたちを応援する。

――なるほど。そういう経緯があったんですね。

戸田 ほんとにいまは安いTシャツが簡単に手に入ります。大量生産されたファストファッションのものなんて数百円で買える時代。そんななかで、あえてのチャレンジというか、自分たち自身が着たいとおもえる“大人ロックテイスト”を目指して。年齢層が高い人たちにも、ロックな雰囲気を無理ない程度に楽しんでもらえればと。

――コンセプトそのものが、とてもエッジが効いていますよね。ディテールひとつひとつは尖っているのに、トータルでは尖っていないように見える。その二面性が心地よい。

戸田 やっぱりたくさんの人たちに着てもらいたい。しかも自分たち自身が楽しめる服を作りたいからね。

BGブランドも今年で8年目

「BGブランド」新作はロングレングスなTシャツ

戸田恵子×植木 豪、自分たち自身が着たい “大人ロックテイスト”(2)

――BGブランドも今年で8年目となりましたが、心境の変化などありますか?

植木 ありますね。

戸田 えー、そうなんだ。びっくりした。

植木 あります(笑)。まあ、心境の変化というより、昔だったらすごく意気込んで、デザインにいろいろな思いを入れ込もうとしました。でも長く携わってきたなかで、最近はシンプルであることのカッコよさを意識するようになって。

――デザインしすぎないということですね。

植木 そうです。いかに一歩引いて、形もシンプルにして、だけど機能的でって……。そういう風に考えるようになって。最近はコンセプトを整理して、スタイリッシュに作っていくことを姉さんと話しています。すでにいろんなモノを作ってきたから、過去のアイテムとの合わせやすさなども考えつつ。

――今回のTシャツで、うまく力が抜けたところはどこでしょう?

植木 ほんとうに伝えたいことと見せたい形にこだわり、モチーフを詰め込まずに、英字が引き立つようにしたんです。モノトーンの色使いもそうです。またロングレングスを着ること自体、大人のみなさんにはあたらしいチャレンジとなるかもしれない。それならデザインはスッキリさせようと考えました。

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商品詳細はこちら[メンズ][ウィメンズ]

――なるほど。ところで8月のライブ会場はコットンクラブになったんですね。

戸田 そうなんです。はじめてこの会場でやります。今回、豪くんは出ないんですが。出たくないって言うんで。

植木 (笑)一年前くらいからスケジュールが決まっていた別のイベントがあって。

戸田 フフフ。こっちも決めるのが遅かったっていうか。

植木 一年前から決められないですもんね。

戸田 うーん。ライブハウスをいろいろ探していることもあり、自分のスケジュールと擦り合わせているあいだに時間が経ってしまい、ようやくですね。

――六本木のスイートベイジルが閉店して以降、はじめての会場なんですか?

戸田 はい、そうです。

――やっぱり、こういうジャズ系の会場が使いやすいですか?

戸田 いや、そういうことではなく、いまはいろんなところでやってみようとおもっています。今後はもっと豪くん寄りのライブもやってみたいなとおもうし。生音ではなく、打ち込みの音をバックにしたライブにもトライしたい。

――今回のライブは、いままでのライブの内容と。

戸田 なんら変わらないです。その時々に合わせて、曲のチョイスを変えるくらい。ただバンドさんとのあたらしい出会いがあったので、いつもお願いしているメンバーとはちがうメンバーでやることになります。

――どんな風に変わるんですか?

戸田 編成がちょっと変わるので。いつもはメロディラインにバイオリンが入ることが多かったのですが、今回は管楽器が入るアレンジになります。

――植木さんの近況はいかがですか?

植木 僕のほうは、春に自分の『WASABEATS』の舞台を終えて、いまは仕事を抑えていて。いわば修行期間というか、あたらしいことをインプットしていく時間に当てています。そうしないと、自分が満足するアウトプットができないんですね。

戸田 その『WASABEATS』の公演のひと幕で、観客から選ばれた人が協力するコーナーがあり、私も参加して。私の声で皆が踊るというコーナーがあったんです。

植木 めっちゃ緊張しました。姉さんの日。それがDVDになるんです。

――戸田さんの今後のご予定も教えてください。

戸田 私は12月から立てつづけに舞台を4本やります。それまでは少し空いていて、連続ドラマの撮影もなく、いまはロバートとザキヤマと楽しくやっている名古屋のバラエティ番組と、NHKのスタジオパークの声の出演をレギュラーでやっていて、ほかにも声の仕事をいくつかしているくらい。

この期間を利用して、ボイストレーニングに行ったり、ジムで基礎体力をつけたりしようとおもっています。それに、このブランドの今後もしっかりと考えたい。もっとチラシを配ろうかとか、そうした些細なことも含め、プロデューサーとしてなにができるのかを練りたいなとおもっています。


舞台、映画、テレビで活躍中の戸田恵子がお届けするスペシャルライブ。今回のゲストは、おなじく舞台、映画、テレビで幅広い音楽活動をおこなっている荻野清子さん。作曲を手がけるだけでなく、演奏者として出演することもある多才な音楽家。ふたりの“化学反応”をお楽しみに。

戸田恵子 CASUAL LIVE 14
~キヨちゃんと~

日程|9月20日(日)
時間|[1st] 14:30開場 15:30開演、[2nd] 18:30開場 19:30開演
出演|戸田恵子(vo)、荻野清子(p)
会場|JZ Brat
東京都渋谷区桜丘町26-1 セルリアンタワー東急ホテル2F
Tel. 03-5728-0168
チケット|6480円
※ドリンク、フードどちらか1品以上のオーダーが必要
※8月22日(土)10:00から各種プレイガイドで発売開始

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問い合わせ先

サンライズプロモーション東京

Tel. 0570-00-3337(10:00〜18:00)

http://www.jzbrat.com

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