サーキット試乗、ランボルギーニ ウラカン|Lamborghini
Lamborghini Huracan LP610-4|ランボルギーニ ウラカン LP610-4
サーキット試乗、ランボルギーニ ウラカン
ガヤルドの後継モデルとして2014年3月にデビューしたランボルギーニ「ウラカン LP610-4」を、九島辰也氏がサーキットインプレッション。野太いエキゾーストノートをこだましながら、610psものパワーを生み出すV10エンジンが富士スピードウェイを駆け回る。
Text by KUSHIMA TastuyaPhotographs by HANAMURA Hidenori
ファイティングブルは健在
ランボルギーニ史上もっとも売れたクルマをご存知だろうか。「カウンタック!」といいたいところだが、現実は「ガヤルド」である。サイズ、プライス、扱いやすさ、信頼性といったところで、高い人気を獲得したようだ。
だが、クルマにはご存知のようにモデルサイクルというものがある。マーケットを刺激するため、ニューモデルの投入は欠かせない。そこで登場したのがこの「ウラカン LP610-4」となる。日本発表は2014年なのですでに実車をご覧になった方も多くいらっしゃるだろう。ガヤルドの正常進化といったスタイリングながらインパクトの大きさは事欠かない。
ウラカンの名前は伝説の闘牛種からとったそうだ。つまり、ファイティングブルは健在!である。ガヤルドが闘牛名ではなく闘牛飼育家フランシスコ・ガヤルドの名前だったことを考えれば、先祖帰りしたような気がしなくもない。
それはともかく、そんな暴れ牛を富士スピードウェイで乗る機会を得た。ランボルギーニジャパンが顧客向けに開催するプログラムと同時期におこなわれたメディア向け試乗会である。しかも、先導車はあるもののある程度高い速度を体験できる自由度の高い内容であった。
Lamborghini Huracan LP610-4|ランボルギーニ ウラカン LP610-4
サーキット試乗、ランボルギーニ ウラカン (2)
560Nmのトルクでドーンとスタート
サーキットインプレッションを簡単に記すと、まずクルマの軽さが強調された。それもそのはず、こいつのフレームはアルミニウムとカーボンファイバーを使ったハイブリッド構造。ガヤルドより10パーセント軽量化し、かつねじれ剛性も高めている。しかもパワートレーンは強化され、V10エンジンの最高出力は610psとなる。
560Nmのトルクでドーンとスタートし、8,000回転オーバーまで回してマックスパワーを発揮するのだから軽く感じないわけはない。カタログ上0-100km/h加速はわずか3.2秒だそうだ。
次に感じたのは乗り心地のよさ。ピレリのウルトラ ロープロファイル タイヤを履きながらもバタバタするところはなく、サスペンションを一番柔らかくするとまるで高級サルーンのような快適さを得られた。特にストロークが長いわけではないのに不思議だ。これなら普段使い、とまではいかなくとも、街中で嫌気がさすことはない。
走行モードはステアリング上にある「アニマスイッチ」で変えられる。街中で使う“ストラーダ”、スポーツドライブを楽しむ“スポーツ”、サーキットモードの“コルサ”といった選択肢だ。“スポーツ”にするだけでレーシーなエキゾーストノートが拡大されるので雰囲気は出る。アクアラインのトンネルで切り替えたらきっと楽しいだろう。まぁ、やりすぎるといい迷惑とも言えなくないが――。
Lamborghini Huracan LP610-4|ランボルギーニ ウラカン LP610-4
サーキット試乗、ランボルギーニ ウラカン (3)
パワーがあっても扱い易い
そして最後に感じたのが安全性の高さ。サーキットではいろいろ試してみたが、電子デバイスの反応は早くクルマの挙動は高度にコントロールされる。高速コーナーではアンダーを消し、ヘアピンではオーバーステアを修正する。しかも瞬時に。
なのであえてステアリング操作を若干遅らせてみてもクルマの挙動は大きく乱れない。ドライバーがカウンターを当てるより早く鼻先は逆に向くから恐れ入る。新設計の4WDシステムを効率よく使っている結果だろうか。制御は精緻におこなわれる。
ということで、こんなエキゾチックなスタイリングをしながらこのクルマは想像以上に安全性が高く破綻しない。アウディ譲りの電子制御システムがとてつもないパワーをねじ込んでコントロールする。
これなら、街中で臆することなくドライブできる。路面が濡れているから今日はクルマを出せないってことはないだろう。もはやスーパーカーは「パワーがあって扱いにくい」ものから、「パワーがあっても扱い易い」シロモノへとスイッチしたようである。
Lamborghini Huracan LP 610-4|ランボルギーニ ウラカン LP 610-4
ボディ|全長 4,459 × 全幅 1,924 × 全高 1,165 mm
ホイールベース|2,620 mm
トレッド 前/後|1,668 / 1,620 mm
車輛重量|1,422 kg
エンジン|5,204cc V型10気筒
ボア×ストローク|84.5 × 92.8 mm
最高出力| 449 kW(610 ps)/8,250 rpm
最大トルク|560 Nm/6.500 rpm
トランスミッション|7段LDF(ランボルギーニ・ドッピア・フリッツィオーネ)
駆動方式|4WD
サスペンション 前/後|ダブルウィッシュボーン
タイヤ 前|245/30R20(Pirelli P Zero)
タイヤ 後|305/30R20(Pirelli P Zero)
ブレーキ 前|ベンチレーテッド カーボンセラミックディスク φ380 × 38 mm
ブレーキ 後|ベンチレーテッド カーボンセラミックディスク φ356 × 32 mm
最高速度|325 km/h
0-100km加速|3.2 秒
0-200km加速|9.9 秒
燃費|12.5 ℓ/100 km(およそ8.0km/ℓ)
CO2排出量|290 g/km
価格(消費税込み)|2,970 万円
ランボルギーニ カスタマーセンター
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