特集|人気日本人デザイナーブランド2011-12秋冬コレクションをピックアップ!
特集|2011-12年秋冬ウィメンズコレクション
人気日本人デザイナーズブランドの最新ルックをチェック!
シーズンを重ねるごとに注目度を増していく日本人デザイナーズブランド。東日本大震災の影響により、ほとんどのブランドが予定されていたショーを中止せざるを得ない事態に見舞われるも、あらためてショーを開催し、明るい話題を提供したブランドや、sacaiがパリで初のショー形式でのコレクション発表をおこなったり、TOGAからメンズコレクションが発表されるなど、心躍るニュースも多く飛び込んできた。あらためてメイド・イン・ジャパンの魅力について意識させられる今シーズン。ここでは、いま注目すべき日本人デザイナーズブランドから届いた2011-12年秋冬コレクションを紹介しよう。
Text by OPENERS
Chapter 01|世界を相手に躍進をつづけるスターブランド
sacai|サカイ
阿部千登勢|ABE Chitose
素材、カラーブロック、テイスト、アイテムなど、さまざまなエレメンツの組み合わせによって構築的なシルエットを描くとともに、動きのある軽さが表現されている今シーズン。
立体的なパターンとディテールで、ケープのようなシルエットを構築したボンバージャケットや、ローゲージのベルスリーブのニットカーディガンに、シフォンのシャツワンピースを組み合わせ軽さをプラスしたドレス、また手編みのカーディガンに、コットン・ウールのアームを合わせたライダースジャケットなどが、シーズンを象徴するアイテムといえるだろう。
TOGA|トーガ
古田泰子|FURUTA Yasuko
「“entwine, bind, knot”絡みつく、縛る、飾り結び」というテーマのもと発表されたTOGA 2011-12年秋冬コレクションでは、ことなる性質をもつマテリアルの組み合わせや、巧妙なカッティングから作られる飾り結び、布地を結ぶことで生まれるドレープやシャーリングなどのディテールから立体的な表情を構築。ブラックとダークグリーンを基調に、差し色にイエローやピンクなどのパステルカラーを取り入れた、TOGAらしいエッジの効いたシックなスタイルを展開する。
Chapter 02|メンズデザイナーが手がけるハンサムなウィメンズコレクション
MIHARAYASUHIRO|ミハラヤスヒロ
三原康裕|MIHARA Yasuhiro
デザインの本質的な要素であるエレガンスと機能性が融合したハイブリッドなコレクション、テーマは“Alt-elegance”。ミリタリーブルゾンやテーラードジャケットなどのメンズライクなアイテムを、軽くて柔らかなメルトンジャージーや、色鮮やかなパイルジャカードをもちいて表現。女性のための服がもつ繊細さや上品さ、男性のための服がもつ機能性や簡潔さなど、相反するエッセンスをひとつにすることで、MIHARAYASUHIROらしい独創的な世界観を表現した。
Chapter 03|圧倒的なバイヤー人気を誇る、東京モードシーンきっての人気ブランド
beautiful people|ビューティフル・ピープル
熊切秀典|KUMAKIRI Hidenori
“rabitt fashion”をコンセプトに、メンズシーンの主流となっている無骨で剛健な“RUGGED fashion”へのアンチテーゼとして、やわらかく、しなやかなトラッドウェアを展開。ボーイズサイズのメンズアイテムを取り入れたルーズなスタイルを中心に、「RENT YOUR BOYFRIEND ONEPIECE!(彼氏のワンピースを借りよう! 女装用ドレスをボーイフレンドから借りる!?)」というユニークなテーマのもと、デラックスサイズのワンピースを提案。デザインチーム全員が実際に女装をしたインスタレーションは話題となった。
AMBELL|アンベル
門野文蔵|KADONO Bunzo
キャンバスを大胆に使った単色の色面に、細く縦線を引いた抽象表現で有名な美術家 Barnett Newman(バーネット・ニューマン)からインスピレーションを受けたという今季コレクション。彼の最盛期でもある1950年代のスタイルにみられるエレガントかつフェミニンなシルエットに、アーティザナル(職人技術)をもって異なるエレメンツを統合し、作り上げられるアイテムを発表した。長く着ることで風合いが生まれる生地を使用し、着るひとが内面からラグジュアリーを感じられるコレクションに仕上がっている。
Chapter 04|メンズモードシーンから生まれたウィメンズコレクション
porlar.White Mountaineering|ポーラー ホワイトマウンテニアリング
相澤陽介|AIZAWA YOSUKE
東京メンズモードシーンでいまもっとも勢いのある「ホワイトマウンテニアリング」から誕生したウィメンズコレクション「ポーラー」では、女性らしいデザインに、メンズウェア特有の細かなディテールをプラスしたデイリーウェアを提案する。今季は落ち着いた色づかいやモチーフをベースに、グレーとべージュの世界にさまざまなトーンや素材、柄をプラスして深みと奥ゆきを演出、独自のイメージをカタチにした。クリーンなイメージのなかに「強さ」「儚さ」「静けさ」を表現した、独自の世界感をもつ女性像を描く。
JOHN LAWRENCE SULLIVAN|ジョン ローレンス サリバン
柳川荒士|YANAGAWA Arashi
エレガンスと遊び心を絶妙なバランスで盛り込んだデザインと、テーラリングに定評のある「ジョン ローレンス サリバン」が、メンズコレクションでみせるテクニックをそのままウィメンズアイテムに落とし込み、ほかにはないハンサムな女性像を描く本コレクション。今シーズンはシックな色づかいをベースに、シガレットパンツやワイドトラウザースなど、シルエットの美しいボトムスに得意のテーラードやミニマルなライダースジャケットを合わせたマニッシュなスタイルを展開。アイテムの個性やボリュームなど、バランス感を楽しみたい。
FACTOTUM femme|ファクトタム ファム
有働幸司|UDO Koji
テーラード、ミリタリー、ワーク、そしてデニムをキーワードに、ワードローブを展開するメンズコレクション「ファクトタム」。デザイナーみずからさまざまな国を訪れ、そこで出会ったひとや風景、空気からインスパイアされたモノづくりをおこなってきた本ブランド。そんなブランドが提案するウィメンズコレクション「ファクトタム ファム」では今季、“Cafe Time”をテーマに、サンフランシスコのカフェ文化や日常の空気感を盛り込んだ、優しい色目や柔らかい素材を使ったリラックスしたスタイルを提案する。