日本人デザイナーの最新ルックの先鋭
特集|日本人デザイナーの最新ルックの先鋭
2011年秋冬注目メンズコレクションを順次公開!
パリ、ミラノ、ロンドン、ニューヨークのコレクションで、世界の歴史がある 錚々たるメゾンの新作もたしかに気になる。しかし、消費者も世界のデザイナーたちも衆目しているのが、日本人デザイナーのクリエイション だ。リアルなスタイルを展開しつつ、モードなエッセンスを忘れないその服づくりは、もはやグローバルスタンダードとして認識されているのだ。とくにそのサイジング、時代性、ディテール、巧緻な技術などは、おなじ日本人だからこそ共感を 呼び感性にしっかりと響く。アイテム単体でもトータルなスタイルでも魅力に溢れている。そんな日本人デザイナーたちのルックを、順次公開しご紹介しよう。
Text by OPENERS
都市生活のみならず、さまざまな場所やシチュエーションに適応する、東京発の新スタンダードだ。今季は“IT DOESN’T MATTER(=そんなの関係ない)”がテーマ。世紀末真っ只中の1990年代のある種の“なげやり”“終末感”をイメージ。ベージュ、ネイビー、チャコールの3色のキーカラーを軸に、代表的スタイルであるミリタリー、アウトドア、ワークに捕われない、独自のレイヤードやサイジングで唯一無二のスタイルを表現している。
FUJII Takayuki|藤井隆行
1976年生まれ。武蔵野美術大学中退後、いくつかのショップスタッフを経て、2001年にnonnativeのデザイナーに就任。そして今年で10年目を迎える。2005年、鋭敏な審美眼が高く評価されている中目黒のセレクトショップ、vendorをオープン。
vendor Tel. 03-6452-3072
http://www.nonnative.com/
http://vendor.co.jp/
MIYASHITA Takahiro|宮下貴裕
「NUMBER(N)INE」脱退後1年の沈黙を破り、2010年「Soloist,Inc.」を設立、「TAKAHIROMIYASHITATheSoloIst.」としてふたたび洋服づくりを始動させる。”TheSoloIst.”とは、洋服に携わる各個人が、”独奏家”として孤高の精神をもち合わせてほしいという宮下の願いであり、またふたたび洋服の世界へもどってきたという自分への不退転の決意のあられである。
Pred PR Tel. 03-5428-6484
「それはクローゼットの中身をつくっていくような感覚でした。好きなもの、必要なものが、自然と集まっていく感覚」と、デザイナーのスズキタカユキは語っている。
SUZUKI Takayuki|スズキタカユキ
1975年愛知県生まれ。東京造形大学在学中に友人と開いた展示会をきっかけに映画、ダンス、ミュージシャンなどの衣裳を手がけるようになる。2007年より東京コレクションに参加。オーガニックコットンに特化した「ikkuna/suzuki takayuki」や、企画・コラボレーションライン「toha」をスタート。2009年には、Milano Unicaでのイベント「オン・ステージ」に世界の新鋭デザイナー10名のなかの一人として選ばれ、合同ショーに参加。同年9月、渋谷パルコパート1に直営店「 suzuki takayuki placed」 をオープン。
suzuki takayuki Tel. 03-3783-5813
http://www.suzukitakayuki.com/
MOCHIZUKI Tadashi|望月 唯
1969年静岡県生まれ。スタイリスト井嶋和男氏に師事。94年スタイリストとして独立。2002年に自身プロデュースのSHOP『RICO』をオープン。翌年、KOROMO BY RICOオープン。05年、フェニックス Robe di KAPPA クリエィティブデレクターとして参加。ファッション雑誌はもちろん、アドバタイジングや写真集のスタイリング、ミュージシャン&タレントのCDジャケットのスタイリングも多数手がける。
SUN'S & RAINBOW Inc. Tel. 03-6804-9619
http://howl.jp/
UDO Koji|有働幸司
1971年生まれ。東京モード学園卒業後、ビームス入社。退社後ロンドンに留学し、帰国後、国内ブランドの立ち上げに参加。その後独立し、2004年2月にFACTOTUMを始動、2004-2005年、秋冬コレクションよりデビュー。2004年6月、会社設立。2006年2月、直営店をオープン。2006年9月、東京コレクションに参加。2010年5月、レディースラインFACTOTUM FEMME デビュー。
FACTOTUM PRESS ROOM Tel. 03-6698-8963
http://www.factotum.jp/
AIZAWA Yosuke|相澤 陽介
1977年生まれ。多摩美術大学染織デザイン学科卒業。2006年A/W COLLECTIONよりWhite Mountaineeringをスタート。2009年S/S COLLECTIONよりBLACKをコンセプトにしたBLKをスタート。 同年8月「WhiteMountaineering」代官山にてショップをオープン。2010年S/Sシーズンにて初のコレクションを発表。
White Mountaineering Tel. 03-6416-9110
http://www.whitemountaineering.com/
TAKESHI OSUMI|オオスミタケシ
2010年にPHENOMENONを創設。秋冬より並行して、MCM by PHENOMENONのデザイナーを務める。
PHENOMENON PRESS ROOM Tel. 03-5794-8105
FURUTA Yasuko|古田泰子
1997年ブランドを立ち上げ、99年春夏より展示会形式にてコレクションを発表。2001-02秋冬より東京コレクションに参加。パターンのおもしろさや、オリジナルでつくりつづけている生地も注目を集め、国内外問わず評価が高い。“過去”“未来”“アヴァンギャルド”などあらゆる感覚が混在したフェミニンで複雑な女性像を表現。2011年秋冬、満を持してメンズコレクションを発表。
TOGA ARCHIVES Tel. 03-5475-7031
MIHARA Yasuhiro|ミハラヤスヒロ
1972年長崎県生まれ。1993年 多摩美術大学テキスタイル学部に入学し、翌年独学で靴づくりを開始。1998年、初の直営店「SOSU MIHARA YASUHIRO」を東京・青山にオープ ン。1999年、「SOSU」を設立。同年ウェアラインを東京コレクションにて発表し、大きな話題に。2000年「PUMA by MIHARA YASUHIRO」を国内で発表。2004年、オリジナルブランド「MIHARA YASUHIRO」を海外デビューさせ、ミラノコレクションに参加。2007年 にはパリコレクションに作品を発表。2010年、 表参道のフラッグショップ「SOSU MIHARAYASUHIRO」を『MIHARAYASUHIRO TOKYO』として移転オープン。
MIHARAYASUHIRO TOKYO Tel. 03-5778-0675
YANAGAWA Arashi|柳川荒士
広島県生まれ。プロボクサーとして4年間リングへ上がる。引退後、独学でデザイナーへ。素材とパータンのマッチングから生まれる美しい背中へ執着し、理にかなった エレガントなシルエットを追求しつづけている。現在、パリコレクションにて活躍している。
www.john-lawrence-sullivan.com
ABE Junichi|阿部潤一
文化服装学院卒業後、いくつかのブランドを経て、2004年5月に「kolor(カラー)」設立。同年7月に2005年春夏コレクションを発表しスタート。ドレスからカジュアルまでをフォローする幅広いコレクションは、オリジナリティ溢れるカッティングとこだわりの素材選び、時代性を加味することによって、ひとつのアイテムとしての完成形を追求している。海外においても、ますます評価が高まっている。
MORERIDE Tel. 03-5351-6277
OBANA Daisuke|尾花 大輔
1974年、神奈川県生まれ。1992年、専門学校中退後、古着屋でバイヤーとショップマネジャーを兼任する。1995年、古着のセレクトショップ「go-getter」の立上げに携わる。2000年「N.HOOLYWOOD」を設立。同年12月、本格的にオリジナルを展開するために原宿に「Mister hollywood」をオープン。2002年にはクラブで初のコレクションを発表。2007年6月には、パリで初の展示会「N.HOOLYWOOD COMPILE」を発表。2008年11月1日、「N.HOOLYWOOD」としての初の路面店を香港にオープン。
Mister hollywood Tel. 03-6447-0977
ABE Chitose|阿部千登勢
岐阜県生まれ。数社でパタンナー、企画を担当。99年、sacaiを立ち上げる。「日常のうえに成り立つデザイン」をコンセプトに、スタンダードなものを大切にしながらエレガントな要素をくわえ、またクラシックなアイテムにひねりをくわえることで、「ニュースタンダード」を表現している。2010年春夏からはモンクレールの新ライン「MONCLER S」を手がけるなど、世界でも注目を浴びているデザイナーだ。
sacai Tel. 03-5428-6254