連載|藤原美智子|ハーブの力は凄い!
BEAUTY / THE EXPERTS
2015年3月6日

連載|藤原美智子|ハーブの力は凄い!

「ハーブの力は凄い!」

この度の大震災により被災されました方々に、心よりお見舞いを申し上げます。
一日も早く、一刻も早く復興されますことを心より願っています。

文=藤原美智子

ベニシア・スタンリー・スミスさんの本

花粉症の季節がつづいている。去年までは「花粉症?」と指摘されても「ううん、ちがう!」と、まだ否定できる余裕はあったし、自分自身にも“そうじゃないんだよ!”といいふくめることで症状を抑え込むことができていた。でも、例年の何倍といわれている今年はさすがに降参! 目はかゆいし鼻は詰まるし、くしゃみが出る。これでは、いくらなんでも「はい、花粉症です」と認めざるをえない。

さて、どうしたものか。薬も注射もなるべく使いたくないし、最後の砦として残しておきたい。ということは自然治療となるが、その対策としてパッと思いついたのがハーブだ。これまでハーブ系は料理に使ったり嗜好品として愛飲したりしてきたけれど、薬草という意識はもっていなかった。それが、京都 大原に住むイギリス人のハーブ研究家 ベニシア・スタンリー・スミスさんの著書『ベニシアのハーブ便り』(世界文化社)を読んでから、「へぇー、ハーブって、こんなにも薬効があるんだー」と、ちょうどハーブを見直していたところだったのだ。

なにしろ、この本には風邪をひいたときのハーブティーや消化を助けてくれるハーブティー、二日酔いしたときのハーブティーなどなどのつくり方が紹介されているたけでなく、ハーブを使った石鹸や化粧水やクリーム、シャンプー、ヘアリンス、歯磨きペースト、食器用洗剤、虫よけスプレーなどのつくり方まで載っているのだ。もちろんハーブを使った料理レシピも数多く掲載されている。ハーブにこんなにもたくさんの活用法があるなんて知らなかった。そういえば去年、庭に植えたレモングラスを胃もたれがしたときにハーブティーにして飲んだらスッキリしたっけ……。

即効性に慣れてしまったいまの私たちには随分と“のんびり”だが……

ベニシアさんの本に出会ったことや自分でも実感したことで、「今年はハーブを生活のなかに積極的に取り入れてみるぞ!」と、“やってみたいこと”のひとつにリストアップしていた。それなのに、「そのうち、そのうち」と実践していなかった。それが花粉症の症状が出はじめたころ、かかりつけの歯医者さんのところで「ここの花粉用のハーブのブレンド、すごく効きますよ!」と教えてもらったことが行動するきっかけとなったのである。なんでも、『ボタニカルズ』というハーブ専門店の花粉症用のハーブのブレンドを飲んでいたら、薬がいらなくなったという先生が院内に3人もいるというではないか。

それならばと早速、歯医者さんの帰り道に寄ってみることに。そのお店にはいろいろな症状に合わせてブレンドされたハーブが数多く陳列されていた。単品でも効果があるのかもしれないが、ブレンドされていたほうがより効果があるのだろう。それに、これはなんの症状に効くというふうに明確に表示されているので、初心者にはわかりやすいし大助かり。「なになに、花粉症に効くのは“花通信”という名のブレンドか」。ペパーミントやエルダーフラワー、ネトル、ローズヒップ、レモンバーム、マーシュマロウ、アイブライトといった7種類のハーブがブレンドされている。たしか、ネトルは花粉症に効くということを聞いたことがある。そのほかの6種類のハーブも花粉症に効く選りすぐりのものなのだろう。

ほかにも肩こり用や集中力アップ用、美肌用、新陳代謝や脂肪燃焼のアップとか試してみたくなるブレンドがたくさんある。が、今回はとりあえず花粉用のブレンドハーブを1ヵ月分購入することにした。ハーブは薬とちがって、飲んだら即効効果が出るというものではなく、人間の細胞が生まれ変わる28日のサイクルに合わせて効果が出てくるものらしい。まず1ヵ月目で身体のなかにたまったものがリセットされ、2ヵ月目は吸収期間。そして3ヵ月目で効果が実感できるという。即効性に慣れてしまったいまの私たちには随分と“のんびり”という感じがするが、でも、これこそが人間本来のサイクルというものであり自然ということなのだ。

それにしても意外だったのは、客のなかに若い男性も多くいたこと。それも、慣れているようすでお目当てのハーブを買っている。「へぇー、いまの男の子はハーブにも興味があるんだ~」となぜか、妙に感心してしまった。

さていま現在、花粉症のハーブブレンドを一日3回飲みはじめてから3週間経つのだが、効いてきた! というたしかな手ごたえを感じている。眼はかゆくなくなったし、くしゃみもでなくなってきた。鼻の詰まりもだいぶ軽減されてきた。もう花粉症の季節は過ぎてきたのかなと思うほどである。が、まわりを見ると、まだまだ花粉真っ盛りという感じなので、やはり効果がでてきたということなのだろう。そして、このハーブティーのお陰なのかどうか定かではないが、なんか顔の調子がいい。むくみが少なくスッキリとしているというか……。ブレンドに入っているネトルというハーブには利尿作用やデトックス効果、造血作用、浄血作用などがあるらしいのだが、そうした作用のお陰なのだろうか。もちろん、ほかのブレンドされているハーブたちも複合的に効いているのだろう。
それにしても1ヵ月弱でこの効き方なのだから、2ヵ月、3ヵ月後にはどんなふうになっているのだろう! このハーブ効果に味をしめて、花粉症がひと段落したら美容系のハーブブレンドも試してみるぞ! と、ヤル気まんまんと楽しみまんまんの私である。

※『ボタニカルス式 ハーブティー Perfect Book』(河出書房新社)もハーブ初心者にお薦めの本です。
藤原美智子プロフィール

           
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