X1との差別化で生まれた優雅な空間

このたび発表された「BMW X3」は、世界で60万台を販売した初代X3の後継モデルとして誕生した。初代よりもひとまわり大きなボディが特徴で、室内空間をより広く設定している。おそらくこれはBMWのラインナップにさらに小型のSUVであるX1が登場したことが影響していると予想できる。ボディにかんする実際の数値は、全長4648×全幅1881×全高1661mm（欧州仕様）でホイールベースは2810mm。これは現行の「335iツーリング」と比較したとしても、全体的に大きくなっている。

エクステリアデザインは、フラットなフロントエンドと高めに上げられたリアエンドを組み合わせたウエッジシェイプが採用され、スポーティな雰囲気を演出。
もちろんBMWのアイデンティティであるキドニーグリルは健在で、バンパーと一体化したアンダーガードや大型ヘッドライトとともに、BMWらしいフロントフェイスを形成している。
またキドニーグリルから伸びる、6本のプレスラインが独特の雰囲気を醸し出しているのも特徴的だ。

インテリアに眼をむけると、センターコンソールをドライバー側にむけて傾けられたBMW伝統のデザインが踏襲されるだけでなく、先代と比べて質感も向上している。収納部分やトレイ、カップホルダーも採用され、幅広い用途に適したつくりになっている。後席もかなり広がっており、大人3人が乗ったとしても余るくらいのスペースになっているという。また4：2：4で分割できる可倒式シートバックを採用することで、長尺物などの積載も容易になり、容量は後席使用時で550リットル、折りたたむと1600 リットルにまで広がる。

搭載されるエンジンは、3タイプが用意される。エントリーモデルである「X3 xDrive 28i」は最高出力243ps、最大トルク31.8kgmで0-100 km/h加速6.9秒、最高速210km/hの直列6気筒ガソリンエンジンが、「X3 xDrive35i」には、最高出力306ps、最大トルク40.8kgm を誇り、0-100km/h加速5.7秒、最高速度245km/hを記録する 3リッターの直列6気筒ガソリンツインターボエンジンが搭載されている。
また米国仕様への投入は決定されていないが、2リッター直列4気筒ディーゼルターボエンジンを搭載する「X3 xDrive20d」も用意される。こちらは最高出力184ps、最大トルク38.8kgmを発揮し、0-100km/h加速8.5秒、最高速210km/hを記録する。

トランスミッションは「xDrive35i」がオートスタートストップ機能を搭載する8速AT、「xDrive20d」は、6速MTまたは8速ATからのチョイスが可能。駆動方式は、全車種にフルタイム四輪駆動システムの「xDrive」が標準装備されただけでなく、X3初となる速度感応式の電動パワーステアリングも採用。セダンなどでもおなじみの、ダイナミックダンパーコントロールとダイナミックドライビングコントロールもオプションでチョイスすることができるという。