連載・藤原美智子|2010年8月エッセイ「習慣を変えて、低体温の体質から脱出!」
BEAUTY / THE EXPERTS
2015年1月28日

連載・藤原美智子|2010年8月エッセイ「習慣を変えて、低体温の体質から脱出!」

「習慣を変えて、低体温の体質から脱出!」(1)

──暑い。こんなにも暑い日がつづくと冷たいものばかりほしくなる。飲みものはもちろんのこと、食べるものもソーメンや冷や奴、冷やしトマトやきゅうり、スイカなど冷たいものばかり。これじゃー、いくら暑いからといっても身体が冷えて具合悪くなっちゃうと思った瞬間、昔はそんなことには無頓着で、冷たいものばかり摂っていたことを思い出した。

文=藤原美智子
写真=高田みづほ

「体温が低いと免疫力が下がるし、肌の新陳代謝も悪くなるんですよ」

3年ほど前に少しのあいだ、針灸院に通っていたことがある。その初診のときに、「内臓が冷えていますねー。冷たいものの摂り過ぎですよ。身体をあたためるようにすると体調がグンと良くなりますよ」と言われたことがあった。たしかに私はうーんと冷えているシャンパンや白ワインが大好きだし、冷凍庫で凍らせたジンでつくるジントニックも好き。冷蔵庫で冷やしているミネラルウォーターを朝一番に飲むのも好きな日課のひとつだった。いくら体調が良くなるといわれても、好きなものは我慢したくないなーと思いながら「はぁー、そうですか」などと気のない返事をすると、鍼の先生がそんな私の心のなかを読み取ったのか、「体温が低いと免疫力が下がるし、肌の新陳代謝も悪くなるんですよ」と言うではないか。なになに、そうかー! それに3ヵ月もしたら体質は変わってくるという。そんなに早く効果が出てくるんだったら、ちょっとトライしてみようかなという気になったのが、私の“冷えからの脱出”の第一歩となったのである。

藤原美智子|ラドンナ|体温を上げると健康になる 02

まずは簡単に取り組めそうな、ミネラルウォーターを常温に変えることからトライすることに。でも、これがおいしくなくて、なかなか喉を通っていかない。それでも四苦八苦しながら10日もつづけていると慣れてきたのか、なんの抵抗もなく飲めるようになってきた。試しに冷たくした水を飲んでみたら、“いま、冷たいものが喉や食道を通って、胃に向かっている”と、流れていく道筋がハッキリとわかってビックリ。以前は、内臓が冷たい水とおなじくらいに冷えていたから気がつかなかった、ということだろうか。

“キンキンに冷えたシャンパンと白ワイン好きの私”をどうしよう

つぎにトライしたのは、“キンキンに冷えたシャンパンと白ワイン好きの私”をどうするかということ。これは常温というわけにはいかないし、ましてや飲むのを止めることはできない(!)。そこで、量を減らしてみることにした。最初は意識的に努力して量を控えるようにしていたのだが、そうしているうちに我慢しなくても徐々に飲める量が以前の半分ほどに減っていったのである! これは、ちょっと習慣を変えるだけでも身体(体質ともいえるだろうか)は変わっていくものだ、とあらためて実感したできごとである。そして、去年からはじめたジョギングでさらにお酒に弱くなり、2杯も飲むと眠くなるまでになった。“走る”ことで代謝が格段に良くなり、アルコールが早くまわる体質になったのだ。お酒の量を減らしたいと思っているひとはぜひ、走って試してみてほしい。

ほかに、身体をあたためるためにくわえた習慣は夜と朝の2回、お風呂に入ることである。1日2回入るようにしたらグンと平均体温が上がったように思う。それに免疫力も上がったのか、以前はしょっちゅう風邪を引いていたのに、1日2回のお風呂習慣にしてからは風邪をひいていない。それがなによりの証拠といえるだろう。


「習慣を変えて、低体温の体質から脱出!」(2)

ジョギングをはじめる前に全力ダッシュをくわえると……

さて、そんな自分の体験で得た“身体をあたためる効用”についてこの原稿を書くにあたり、もっと医学的に裏づけられるものがないかと調べたら、ありました、ありました。その名もズバリ『体温を上げると健康になる』(齊藤真嗣著 サンマーク出版)という本である。なんと70万部を超えるベストセラーだそうなので、知っているひとは多いかも。内容は「体温が一度下がると免疫力が30%下がる」「体内の酵素が活性化するので、新陳代謝が活発になり細胞が若返る」……etc。自分の体験と照らし合わせると、どれも「やっぱり!」と強くうなづくことばかり。まるで、ひとりで歩んできた闇夜の道筋を照らし出してもらえたようでうれしくなる。それに、さらなる向上アップ法もこの本から見つけることができた。

それは「有酸素運動の前に無酸素運動をすると脂肪の燃焼がアップする」、あるいは「パフォーマンスを発揮できる筋肉を身につけるために、脳から筋肉への神経の経路を鍛えることが大事」ということ。そのための具体案のひとつとして、ジョギングをはじめる前に10メートルでも20メートルでもいいから全力ダッシュをするという方法が提示されている。回数は1回でも2回でもいいとのこと。これをくわえると、筋肉の質が高まるだけでなくダイエット効果がグンと高まるらしい。

たしかに、いままでジョギングをしていても、肌にハリがでたり代謝が良くなったりということは実感していたが、とくにダイエットに効いているという手ごたえは感じていなかった。それは、無酸素運動をくわえるというひと手間をしていなかったからだったんだ。そのダッシュ法をまだ2回しか試していないが(この本を読んで一週間もたっていないので)、手ごたえは感じられる。つづけていたらマラソンランナーのようなスラッとした体形に近づけるかも……!

藤原美智子|ラドンナ|体温を上げると健康になる 04

今年の目標=「腹7分目でも満足できる私」

ひとつ、この本のなかで習慣化するのは、私には難しいと思うことがある。それは「夕食後、4時間空けなければ寝てはいけない」というものだ。なぜなら、胃にものが残っている状態で寝てしまうと、成長ホルモンが出なくなるからということだ。そんなことを聞いたら即、実行したくなる。が、実現するためには、10時に寝る習慣の私は6時には夕食を終えていないといけない計算になる。いつかは、そうした生活にしたいがいまは無理……か。でも、なるべく夕食は消化の良いものを食べたり、小食を心がけたりするようにしよう!

あっ、そうだった。今年の目標として「腹7分目でも満足できる私」と立てたのに、最近ちょっと忘れかけていた。これを機に気を引き締めよう。それに“身体をあたためる”ことも初心にもどって意識的にしよう! ほんとに、悪い習慣は簡単でアッという間だけど、良い習慣が身につくには努力と時間がかかるのよねー、フ~。

           
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