trialog初の1DAYイベント 「trialog summit」 開催レポート

左から若林 恵、小堀  弘貴、水口 哲也

DESIGN NEWS


blkswn publishersのコンテンツ・ディレクター若林 恵とソニーが協働で行っている、次世代のクリエイティブな生き方について“三者対話”を通して考えるプラットフォーム「trialog(トライアログ)」が、trialog初となる1DAYイベント「trialog summit」を2019年9月15日(日)、渋谷ヒカリエにて開催。
 
trialogイベントとして8回目に当たる今回は、渋谷区が展開する都市回遊型イベント「SOCIAL INNOVATION WEEK SHIBUYA 2019(以下SIW)」のオフィシャルプログラムとして開催された。

テーマは、SIW全体の「NEW RULES.~新しい価値観~」に対し、trialog summitは、未来を生きるためのヒントをU-30世代と共に考えるという意義の下、「Alt.Rules オルタナティブなルール/ルールのオルタナティブ」(Alt.=Alternative:「これまでとは違う」、「代わりの」の意)を掲げ、“ほんとうに欲しい「情報」「見た目」「会社」「アイデンティティ」”という4つのトークセッションを行なった。

ゲストにモデルのラブリ氏やスタイリストのShun Watanabe氏、HIGH(er)magazine編集長haru.氏や株式会社GoodMorning代表の酒向 萌実氏、そしてDIGDOG llc.代表の陳暁 夏代氏、Dos MonosのラッパーTAITAN MAN氏らを招き、様々な世代や職種の計12人の登壇者が語り合いました。

「現代のルール」を4つの視点で議論

左からラブリ氏、Shun Watanabe氏、佐久間 裕美子氏
左から若林 恵、陳暁 夏代氏、TAITAN MAN氏

■ラブリ氏とShun Watanabe氏、佐久間 裕美子氏が、「ほんとうに欲しい見た目」について語る
「ラブリ氏が語る、内側と外側の自分。見た目やイメージに左右されず、自分らしく生きるために」
ラブリ氏は、自分が伝えたい発信を、見た目やイメージといったフィルターを抜きにして伝えるため、そして、アイデンティティとして自分の場所を守るために、「(モデルの)ラブリとしての外側」と「(アーティストの)白濱 イズミとしての内側」を分けているそうだ。現在は、「白濱 イズミだと伝えられないが、ラブリだから伝えられる、興味を持ってくれる層」に気付き、「ラブリ」というメディアを使って、「ラブリ」と「白濱 イズミ」を共存して利用していくことに考えがシフトしたと話した。
また、ラブリ氏とShun Watanabe氏は、自分らしいファッション、スタイルを作れずに困っている人たちに対して、「オリジナルのスタイルを持っている人が一番かっこいいが、最初はコピーからでもいいからまずは自分の好きなものを見極めていくことが大事。最初は自分のスタイルなど分からないから、いろんなタイプの服をとにかくたくさん見て、着て、試していくべきだ」とアドバイスを送った。

■陳暁 夏代氏とTAITAN MAN氏、若林 恵が、「ほんとうに欲しいアイデンティティ」について語る
「 『カテゴライズされたくない』 『一独立体でいたい』 らしさや肩書きを定義付けることの難しさを改めて考える」
ある参加者の質問により、「そもそもアイデンティティの定義とは何か」というテーマのもと、「自己統一性?個性?そんな曖昧なものに縛られていること自体が、実は罠なのではないか」という議論が生まれ、若林は、「らしさとは何か、本質とは何か、といった考え方は神学論争にしかならない。いかにそういった思考回路から脱却できるかを本日話したかった」と、改めて本イベント開催におけるテーマ設定の意図を明らかにした。
 その下で陳暁氏は、「最近仕事をしている中で、生まれやどこで育ったかなどを頻繁に聞かれる。今どんな仕事をしていてどんなサービスをやっているかなどの自己紹介で十分なはずなのに、なぜその人のアイデンティティ=生い立ちやバックストーリーとして捉え、求めるようになったのか」と疑問を呈し、さらに、「現在の日本はカテゴライズやペルソナの種類が少なすぎるにも関わらず、分類しようとするがあまり、どこにも当てはまらず、強制集約されることで消える人・消える要素が出てきてしまう」と話した。陳暁氏は「言葉や物事はあくまでも現在の解釈でしかなく、自分をN=1と捉えた時に、世の中に存在を示すことで、カテゴライズの拡張を提示している。またアイデンティティに関しても、意見や考え方も、毎日変わるのがリアル。アイデンティティとは変動的なものだ」と語った。TAITAN MAN氏も、「どこかのカテゴリに括られてしまうと、それと紐付いたイメージが勝手に付きまとってしまう。今僕がこの場に登壇して語っているのも、ラッパーの行動としてはダサいのかもしれないが、でもこの行動がラッパーという概念の拡張になるかもしれない。」と、陳暁氏の考えに賛同を示した。

■ミュージックセッション、Future Showcase by Sonyなど
また、ミュージックセッションでは、“いま観ておくべきミュージシャン”として、ヤナセジロウ(betcover!!)氏がスペシャル・パフォーマンスを披露。20歳という若さや、独自の感性、迫力ある歌声の強弱や惹きつけられる歌詞で会場を魅了した。

さらに、Future Showcase by Sonyでは、ソニー・ミュージックレーベルズの梶 望も登壇し、ソニーグループ横断で行っている、VRで新しい体験を創り出すためのプロジェクト「PROJECT LINDBERGH」について、ソニーのブランド戦略部 小堀 弘貴と、trialog共同参画者 水口 哲也と共にトークセッションを行った。

梶は本プロジェクトについて、「VRはどうしてもただ見るだけのコンテンツになりがちだが、実際に行われた宇多田ヒカルのコンサートなど、リアルな体験を元にVRを作ることで、価値が上乗せされる。そういった視点を全てのコンテンツに取り入れている」と言い、また水口も、「これからは体験の時代にシフトする。相当面白いことをやれる時代に突入すると思う」と話した。

イベント会場では、宇多田ヒカルが目の前で歌っているかのような感覚を味わえる体験に加え、俳優や声優が収録する時の「ダミーヘッドマイク」になれる体験や、アイドルのホームパーティーに招かれた時の感覚を味わえる体験など、4つのコンテンツを展示。アーティストとの、今までになかった多種多様な距離感を創り出すこれらのコンテンツを、多くの参加者が楽しみ、満足気な表情を見せていた。

 今後もtrialogは、次世代を見据えたクリエイティブプラットフォームとして実験的な試みを重ねながら、定期的に展開。これからの活動に注目だ。


○ trialogとは
trialog(トライアログ)は、次世代に向けた“対話”のプラットフォームです。trialogでは、世の中を分断する「二項対立」ではなく、異なる立場の三者が意見を交わす「三者対話」の空間をつくり、「本当に欲しい未来は何か」について議論を深めながら、次世代に向けた自由でクリエイティブな生き方と、その未来のあり方について考えるトークイベントを実施している。

イベントの様子は、trialog公式Twitterアカウントでライブ配信を行うとともに、視聴者はネット上からリアルタイムにコメントを投稿することで対話の場に参加できます。イベント後は公式WEBサイトでアーカイブ映像を公開する。

■ trialog WEBサイト : https://trialog-project.com/
■ trialog 公式Twitterアカウント : @trialog_project (https://twitter.com/trialog_project
■ trialog コンセプトムービー : https://youtu.be/HCCtF9JQJP4
■ trialog 過去のイベント記事 : https://trialog-project.com/article/

問い合わせ先

trialog PR事務局(㈱プラチナム内)斉藤・鈴木・新村・大庭

03-5572-7351

https://trialog-project.com/

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