トムフォードが手掛けるサステナブルピース「OCEAN PLASTIC SPORT」｜TOM FORD

TOM FORD｜トムフォード

海洋プラスチックをアップサイクル。1本につき、ペットボトル35本相当のプラスチック廃棄物を除去する腕時計

トムフォードより新作「オーシャンプラスチックスポーツタイムピース」がリリースされた。ケース、ストラップ、収納ボックスにまで、アップサイクルした海洋プラスチックを用いて、海洋環境改善へのコミットを表明する新たなタイムピースだ。

Text by OZAKI Sayaka

海洋環境改善に貢献できるラグジュアリースポーツウオッチ

2020年に登場したトムフォードの「オーシャンプラスチックタイムピース」は、100パーセント海洋プラスチックから作られた、初めてのラグジュアリーウオッチだ。このタイムピースをより進化させた新作「オーシャンプラスチックスポーツタイムピース」は、地球の海洋環境改善に対するブランドのコミットメントを継続し、さらに強化されたメカニズムをデザインに取り入れている。

本作は、オリジナルモデルと同様に、ケース素材とストラップ素材に、海洋や海岸、管理がずさんなごみ埋立地で回収され、リサイクルされた海洋プラスチックのみを使用。原料を回収した場所も明確にされている。海洋プラスチックの顆粒輸送はカーボンニュートラルで、スイスでの製造も太陽エネルギーで賄われている。

ケース径は43ミリ、ダイアルはセミマットブラックとセミマットホワイトの２色で展開される。またロゴ入りのジャカードストラップはブラック、ホワイト、イエロー、ブルー、オレンジの5色から選択可能だ。回転ベゼルを加えた考え抜かれたデザインのケース内部には、自動巻きムーブメントを搭載している。

現在、年間推定1100万トン以上のプラスチック廃棄物が海に流出しているとされるが、「トムフォードオーシャンプラスチックタイムピース」1本の製造によって、35本分に相当するプラスチック廃棄物が永久的に除去されるという。また本作のパッケージにも、すべて再利用可能な素材を採用している。

デザイナーのトム・フォード氏は、「持続可能性は、私たちの生活の中で重要な課題となっています。プラスチック汚染は私たちの環境に大きな影響を与えており、薄膜プラスチックは海に流入するプラスチック廃棄物の46パーセントを占めています。私たちは、革新的な技術の採用を引き続き主張し、プラスチック汚染、特に薄膜プラスチック使用の流れを変えるためにできる限りのことをしていきます。手遅れになる前に環境を救うため、そして解決策を見つけるために努力する必要があるのです」と発言している。

トムフォードは、海洋の環境改善にコミットするため、非営利の環境保護団体「ロンリー・ホエール（LONLEY WHALE）」とそのアドバイザリー部門「52HZ」とのパートナーシップを発表し、「トムフォードプラスチックイノベーション賞（TOM FORD PLASTIC INNOVATIONAWARD）」を立ち上げた。この賞は、生物学的に分解可能で拡張性のある薄膜プラスチックの代替品を開発することを目指し、プラスチック汚染に対する大きなターニングポイントとなることを目標に掲げ、コンテストの賞金は約1億円（120万米ドル）で、2025年までに市場に投入できるよう、同賞の投資家から支援を受ける予定だ。