あらゆる人が、皆等しく、快適に使える腕時計｜CITIZEN

CITIZEN｜シチズン

健常者と同じように時計をファッションとして楽しみたい

シチズンは、インクルーシブデザインの考え方を取り入れた「視覚障害者対応腕時計」を2020年3月19日（木）に発売する。

Text by YANAKA Tomomi｜Edit by TSUCHIDA Takashi

カジュアルなデザインでタウンユースにも

1960年に国産で初めて視覚障害者対応の腕時計「シチズン・シャイン」（※参考画像）を発売し、その後60年にわたり生産を続けてきたシチズン。

そして2020年、あらゆる人が快適に使えるよう、健常者だけではなく、視覚障害を持つ人、弱視の人など、使用を想定される人が企画・開発段階からかかわるインクルーシブなデザインアプローチを採用した視覚障害者対応時計が発表された。

実際にタイの盲学校、ロップリー複合視覚障害者学校の在校生や教職員をはじめ、視覚障害を持つ人による「健常者と同じように時計をファッションとして楽しみたい」「ひと目で視覚障害者とわからない時計であってほしい」という意見を採用。

分針の形状を判読しやすくするため、長短を明確にし、形状も異なるようにした。また、弱視の人も判読しやすいように黒文字板にイエローのインデックスを組み合わせている。

プレーンなデザインの上蓋や直接指で触れる文字板には指紋や凸部を目立たせないようにするためマット加工を施し、カジュアルなフォントを組み合わせることでタウンユースにも適したデザインに仕上げられた。

バンドは自身での調節が可能なフリーアジャスト構造を採用し、中留め部にはバンドが意図せず抜けることがないように、リペットが配されている。

シチズンは、企画段階から携わったロップリー複合視覚障害者学校に「視覚障害者対応腕時計」100本を寄贈する予定だ。