ケースをはみ出すアウトサイズベゼル、両方向回転ベゼルという圧倒的個性を放つチューダー最新作｜TUDOR

TUDOR｜チューダー

フランス海軍特殊部隊との共同開発によるプロ向け特殊仕様ダイバーズ「PELAGOS FXD」

チューダーとフランス海軍の特殊部隊との共同開発により、水中ナビゲーションのために設計された独自仕様を備えた新作「ペラゴス FXD」がリリースされた。

Text by OZAKI Sayaka

フランス海軍とチューダーの繋がりを継承する本物のテクニカルウオッチ

チューダーの新作として、フランス海軍の特殊部隊と共同開発したプロフェッショナルモデル「ペラゴス FXD」がリリースされた。水中ナビゲーションのために設計された、確かなプロフェッショナルモデルだ。

本作は、1980年代までフランス海軍に腕時計を納入し続けたチューダーとのかつての親密な関係を蘇らせ、フランス海軍の権威ある戦闘ダイバー部隊として知られる“コマンドー・ユベール”の協力のもと開発された、特殊機能を含む独自仕様を満たすテクニカルウオッチである。

ケースをはみ出すアウトサイズベゼル、両方向回転ベゼルという圧倒的個性を放つチューダー最新作｜TUDOR

ベゼルをケースからはみ出させることで、操作性を上げている。しかも両方向に回転操作が可能なのだ。

その機能的特徴は、より高い堅牢性と信頼性のためにケース本体に固定されたストラップバー、ラグを延長させたようなケース形状で、これらがウオッチ全体に独特のシルエットをもたらしている。また、120ノッチを刻んだ回転ベゼルも、本作に新たに採用された仕様のひとつ。両方向に回転するベゼルには、0から60までの目盛りが反時計回りにあしらわれているが、これはダイバーズウオッチ規格ISO 6425:2018への準拠を超越して、戦闘ダイバーたちの重要な任務である“水中ナビゲーション”に特化したニーズを満たす仕様である。

水中ナビゲーションでは、“ライフライン”と呼ばれる紐で互いを繋いだダイバー2名のペアが、磁気コンパスを用いて水中のルートを一定の速度と時間で泳いで目的地に到達することが求められ、新しいセクションに入る度にカウントダウンを再スタートする必要がある。そこで役立つのが、ベゼルにあしらわれた反時計回りの発光性目盛りだ。セクションごとに設けられた所要時間に応じて、両回転ベゼルの反時計回りの目盛りを分針に合わせるだけで、カウントダウンのセットが完了する。さらに、本作のベゼルリングはケース本体よりも大きくデザインされており、長い潜水で冷えて感覚を失ったグローブ着用の手でも操作可能だ。

外観の意匠は、歴史的にフランス海軍に採用されてきたチューダーダイバーズウオッチから着想を得たもの。ネイビーブルーのカラーや、暗闇の使用でも発光強度を最大化させるために導入されたスノーフレーク針やスクエア型アワーマーカー、発光塗料を用いたサンドブラスト仕上げのセラミック製回転ベゼルが特徴だ。

さらに、チタニウム製ケース全体にサテン仕上げが施され、そのマットな質感によって光の反射を制限する。裏蓋には、Marine nationale（フランス海軍）のロゴと、“M.N.21”（Marine nationale 2021）のエングレービングが施されている。

フランス海軍は歴史的に、チューダー製ダイバーズウオッチをブレスレットなしで発注し、主に手製のファブリック製ストラップを装着して使用してきたという。ダイバーたちが特に好んで利用していたストラップにオマージュを捧げ、本作ではフランスのジュリアン・フォール製の新構造ストラップを採用。中央にグレーのラインが入ったネイビーブルーのファブリック製ストラップに、セルフグリップ着脱システムが組み合わされ、あらゆる手首に快適にフィットする。また、付け替え用としてテキスタイルモチーフがエンボスされた、しなやかなラバーストラップも付属する。

本作に搭載されたマニュファクチュールキャリバーMT5602は、時針、分針、秒針を備え、他のチューダーのマニュファクチュールキャリバー同様、特徴的な仕上げが施されている。一体鋳造のタングステン製ローターには透かしがあしらわれ、サンドブラスト加工が施されたサテン仕上げ。ブリッジとメインプレートはサンドブラスト仕上げとポリッシュ仕上げに加え、レーザー加工によるデコレーションが施されている。

堅牢性、耐久性、信頼性そして精度を兼ね備えたこのムーブメントは、2カ所で固定されたトラバーシングブリッジによって支持される可変慣性テンプが搭載され、また非磁性のシリコンバランススプリングを備えている。

また、このムーブメントは、スイス公認クロノメーター認定を取得済み。その認定ではムーブメントの状態で日差-4秒〜+6秒を基準とするが、チューダーはさらに腕時計として組みあげられた状態で日差-2秒〜+4秒というより高い基準を達成しているから素晴らしい。