FULL CARBON|イヴァン・バッソ氏とフェデリコ・マッサチェージ氏のコラボ
FULL CARBON|フルカーボン
イヴァン・バッソ氏とフェデリコ・マッサチェージ氏のコラボ
久びさにイタリアブランドの時計が誕生
2011年8月、世界最大の自転車ショー『ユーロバイク』で発表された新ブランド、フルカーボン。発表場所が場所なだけに、当然、自転車に関係する時計である。そのフルカーボン、早くも日本での取り扱いが始まった。
Photo & Text by parametric
ケースにカーボンを使用し重量85グラムを実現
この時計には気になる人物ふたりがからんでいる。ふたりとは、イヴァン・バッソ氏とフェデリコ・マッサチェージ氏。
イヴァン・バッソ氏は、自転車のロードレースで世界的に有名なイタリアのプロ選手だ。日本ではロードレースがあまり盛んではなく、地上波でのテレビ放送も少ないのでご存じの方は少ないかもしれないが、イタリアではスーパースター。
もうひとりのフェデリコ・マッサチェージ氏は時計ブランドのアノーニモを立ち上げた人物だ。アノーニモも少しマニア的な時計ブランドなのでご存じない方が多いかもしれないが、こだわりの時計を生産しているイタリア・フィレンツェが本拠地の時計会社である。アノーニモ設立以前、フェデリコ・マッサチェージ氏はフェラガモでマーケティングディレクターをしていた。
「フェデリコ・マッサチェージ氏はアノーニモのCEOですが、自身のワークショップ『フィレンツェ1959』を持っていて、いろいろな仕事をしているそうです。このフルカーボンはアノーニモとはまったく関係なく、フェデリコ・マッサチェージ氏がイヴァン・バッソ氏をイメージして作った時計です」(ユーロパッションの奥野未希恵さん。以下同)
ケース材質はブランド名の通りカーボンだ。ロードレース用自転車には軽量化のためカーボンが多用されているので、時計にも使用したという。結果としてこの時計も軽量になったのだろう。ムーブメントやストラップなどに積極的な軽量化の形跡は見当たらないが、ケースサイズ49×47×14ミリにして重量85グラムと軽量に仕上がっている。かなり軽い部類に入る重量だ。パネライのルミノールベース(44ミリ径)は実測約127グラム(ベルクロのラバーストラップ装着)もあるし、オリジナルサイズのリンドバーグモデル(18KYGだが)は実測約165グラムもあるのだから、十分に軽いといえる。
100グラム以上のブレスレットを使って腕が疲れることがないように、別に重くてもいいという考えもある。しかし、大型時計に軽量化は必要だ。
人の目は大きさと重さの関係を結構曖昧に捉えてしまいがち。例えばおなじ素材の直径40ミリ厚さ10ミリの円柱と直径50ミリ厚さ12.5ミリの円柱、つまり直径と厚さをそれぞれ1.25倍した場合、重量比は1:1.25ではなく1:1.95にな
る。感覚的にひと回り大きくなると、重さは約2倍になるのだ。これがそのまま時計に当てはまるわけではないが、大型時計は何かしら工夫をしないと異常に重くなってしまう。
この85グラムを軽いと思わない意見もあるだろう。たしかに世の中にはリシャール・ミルをはじめとして複雑機能を持ったもっと軽い時計がある(下の表参照)。
しかし、これらの時計の価格はフルカーボンと一桁も二桁も違う。ごく限られた人しか手に入れられない時計だ。それに対し、フルカーボンは常識的、というかかなりリーズナブルな価格となっている。
「アンバサダーのイヴァン・バッソ氏も使用しているそうです」
文字盤には誇らしげにMADE IN ITALYの文字が見える。あれほどイタリアメイドにこだわっていたジュリアーノ・マッツォーリがスイス製になってしまったいま、フルカーボンは貴重なイタリア製時計かもしれない。
価格|18万9000円
ソリッドカーボンケース
自動巻き
49×47mm
5気圧防水
モデル | 大きさ | ケース材質 | 機構 | 重量 |
---|---|---|---|---|
RM006 | 約45×38 mm | チタン&カーボンファイバー | トゥールビヨン | 約42 g |
RM009 | 約45×38 mm | アルシック | トゥールビヨン | 約40 g |
RM027 | 約48×40 mm | カーボンナノチューブ | トゥールビヨン | 約20 g |
RM035 | 約48×40 mm | マグネシウム&アルミニウム | 中三針 | 約40 g |
ユーロパッション
Tel.03-5295-0411
http://www.europassion.co.jp/