CHANEL|2013年新作ウォッチ、バーゼル現地レポート
CHANEL|シャネル
2013年新作ウォッチ、バーゼルワールド現地レポート
J12コレクションに初のムーンフェイズ
ムーンフェイズ(月齢表示)付きウォッチといえば、クラシックで伝統的なデザインがスタンダード。だがシャネルがリリースした「J12」コレクション初のムーンフェイズ付きモデルは、何よりも美しさで見た人を魅了する。
Text by SHIBUYA Yasuhito
史上最もスポーティで美しいムーンフェイズウォッチ
シャネルの「J12」コレクションが、スポーツウォッチの歴史に残る傑作であることを否定する人はいないだろう。1965年に就任してから2007年9月に逝去するまで、40年以上に渡ってシャネルのアーティスティック ディレクターとして広告や製品デザインで活躍してきたジャック エリュ氏。
彼が「永遠不滅のスポーツウォッチ」をイメージしてデザインしたこの腕時計は、貴石のように艶のある輝きを見せるハイテク セラミックをケースからブレスレットまで大胆に使い、スポーツウォッチでありながら宝石のような華やかさを持つタイムピースとして、男女を問わず人々を惹きつける。2013年のバーゼルワールド(バーゼルフェア)では、このJ12コレクションに初のムーンフェイズモデル「J12 ファーズ ドゥ リュヌ」が登場した。
ムーンフェイズ(moonphase。フランス語ではphase du Lune)とは、時計、そして時間、そして暦がそもそもは宇宙の構造から産み出された精密機械であることを何よりも象徴するメカニズムだ。月はおよそ27.3日で公転する。その周期とその際に起きる満ち欠けを機械的にシミュレーションしたのがムーンフェイズである。
そして、懐中時計時代から愛されてきたこのメカニズムのデザインは、基本的にクラシックなものが主流。時計好きな方ならご存じだろうが、顔の付いた月のディスクを回転させるデザインのものが一般的だ。
しかしJ12コレクションの6時位置にあるインダイヤル(サブダイヤル)式のムーンフェイズは、美を追求するシャネルらしい、この上なく美しいもの。ムーンフェイズのこのインダイヤルに、きらめくように光を反射するアベンチュリンを使ったもので、あらゆる角度からの光を微妙に反射して、どんな角度から見ても宇宙の星々のように繊細なブルーの輝きを見せてくれる。
表示方法も満月から下弦の月、新月、上弦の月を経て満月へと至る月の変化を顔の表情ではなく、今がどの状況にあるか、これからどの方向に向かうかまでハッキリと分かる指針式を採用している点も大きな魅力のひとつだ。直径38mmサイズなので、男性はもちろん女性にもぜひ着けてほしいファンタジックな逸品である。
そして、イタリアのスポーツカーで特に超軽量ボディを採用したレーシングモデルに使われる“スーパーレッジェーラ(超軽量)”の名を冠したクロノグラフモデルの新バージョンも久々に登場した。こちらはクルマ好きの男性には、ぜひとも一見を勧めたいモデルだ。
また時計愛好家にとってぜひ記憶に留めてほしいのが、限定で登場したレディスウォッチ「プルミエール」のハイ ジュエリー&フライングトゥールビヨンモデル。2012年に最初のモデルが発表されたが、2013年に発表された新シリーズでも、その名の通りフライングトゥールビヨン機構を搭載したスペシャルムーブメントが、ベゼルとケースサイドにセッティングされたバゲットカットの宝石と共に至高の輝きを見せる。レディスウォッチのコンプリケーションモデルとしては、2013年を代表する傑作のひとつだ。
さらに、最高峰の職人技が凝縮された「マドモアゼル プリヴェ」コレクションの逸品も見逃せない。
シャネル(時計)
0120-159-559
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