バーゼルの“華”は今年もクロノグラフ|BASELWORLD 2016
BASELWORLD|バーゼルワールド
注目の10ブランドをピックアップ
バーゼルの“華”は今年もクロノグラフ(1)
ほとんどのブランドからクロノグラフの新作が登場し、まさに百花繚乱といった趣が、年々強くなる腕時計の世界。2016年のバーゼルワールドでも、その流れは堅調だった。ムーブメント供給が危ぶまれた、いわゆる2010年問題を契機として起こった自社クロノグラフムーブメントの開発競争には一息ついた感はあるが、外装も含めたレベルアップは継続中だ。
Photograph by NAGASHIMA ToruText by KAWADA Akinori
デイトナにブラックベゼルが帰ってきた
ROLEX|ロレックス
ついにという感慨がある。かつてブラックのプレキシガラス製ベゼルを装備したデイトナのステンレススチールモデルは、1960年代半ばに登場し、長きにわたってメタルベゼルモデルと並行して製造されていた。
それが、1988年に登場したRef.16520以降、メタルベゼルに一本化されラインナップから姿を消していた。
デイトナ誕生50周年の2013年、チェスナットブラウンのセラクロム ベゼルが装備されたプラチナケースモデルが登場。以来、ステンレススチールモデルでもブラックベゼル仕様の復活が強く待ち望まれてきた。
2016年のバーゼルワールドで発表されたコスモグラフ デイトナは、現代的なクロノグラフフェイスに、かつてのプレキシガラス製ベゼルを想起させるブラックのセラクロム ベゼルを装備し、ひときわ精悍さが引き出された。
セラミック製のリングにタキメーターのスケールと数字を彫り、表面全体をプラチナでコート。表面のプラチナは削り落とし、数字やスケールの溝にのみプラチナを残すという手の込んだ手法で製造されたベゼルは、艶感が美しく、視認性に優れている。
文字盤は、2つのバリエーションがあり、アクティブなブラックラッカーダイヤル、シックなホワイトラッカーダイヤルのセラクロム ベゼルモデルが用意される。いずれもデイトナの新しい時代を開くデザインとして、好評を呼びそうだ。
ROLEX│ロレックス
コスモグラフ デイトナ
Ref.116500LN
ケース│904Lステンレススチール、セラクロム ベゼル
直径│40mm
ムーブメント│自動巻き(Cal.4130)
機能│クロノグラフ(30分積算計、12時間積算計)
ブレスレット│904Lステンレススチール
防水性能│100m
発売時期│2016年夏発売予定
予価│118万円(税抜)
http://www.rolex.com/ja/
Page02. OMEGA│強力耐磁性を持つマスター クロノメーターがさらに充実
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BASELWORLD|バーゼルワールド
注目の10ブランドをピックアップ
バーゼルの“華”は今年もクロノグラフ(2)
強力耐磁性を持つマスター クロノメーターがさらに充実
OMEGA│オメガ
バーゼルワールド前より、2015年に生まれた新しい公的な時計規格として発足した「マスター クロノメーター」に適合する新作への期待を集めていたオメガ。
スイス連邦計量・認定局が認証するマスター クロノメーターでは、厳しい精度や耐久性の基準に加えて、従来規格と比べて破格の性能となる1万5000ガウス以上の耐磁性能を規格の適合基準に取り入れている。このため現在まで、歯車の軸に独自の非帯磁素材ニヴァガウスを用いて、規格をクリアした時計を作ることができるオメガの独壇場となっている。
2016年、このマスター クロノメーターがどこまで広がりを見せのか注目を集めたが、早くもスピードマスターに適合モデルが登場した。「スピードマスター ムーンフェイズ マスター クロノメーター」は、そのうちの一つだ。
オメガが独自に開発した、脱進機の摩擦を低減させるコーアクシャル機構を備え、高精度は折り紙付きのクロノグラフムーブメントCal.9904を搭載(貴金属ケースモデルはCal.9905を搭載)。もちろん、1万5000ガウス以上の耐磁能力を有している。
「スピードマスター ムーンフェイズ マスター クロノメーター」より今回のバーゼルワールドでは一挙に8モデルが発表された。ステンレススチールモデルの2つのバリエーションに加えて、コンビモデル、セドナゴールドモデル、さらに最高級の950プラチナモデルと、充実したラインナップがお披露目された。
美麗なムーンフェイズを搭載する、スピードマスターの新たなハイエンドラインが一気に確立された。
OMEGA│オメガ
スピードマスター ムーンフェイズ マスター クロノメーター
ケース│ステンレススチール
直径│44.25mm
厚さ│16.85mm
ムーブメント│自動巻き(Cal.9904)
機能│日付表示、ムーンフェイズ表示、クロノグラフ(同軸による60分積算計、12時間積算計)
ストラップ│アリゲーター
防水性能│10気圧
発売時期│2016年11月発売予定
予価│113万円(税抜)
http://www.omegawatches.jp/
セラミックとブライトチタンの軽量ケースを打ち出した、グランドセイコー
SEIKO│セイコー
グランドセイコーは、1960年にスイスを凌駕する高級時計を目指して誕生した、セイコーを象徴するコレクション。長年にわたり、独自の美意識と多面体構成から生み出されるセイコースタイルというデザイン文法と、スイス製ムーブメントを凌駕する高精度の設計が融合し、国産時計の王者として君臨している。
2016年の新作は、セラミックを素材に取り入れた限定コレクションが登場。黒素材を組み合わせた二重構造のハイブリッドケースが大きな特徴だ。アウターケースは、ステンレスの7倍の硬さをもつジルコニア・セラミック。インナーケースにはブライトチタンを採用し、堅牢性をさらに高めている。
セラミックを丹念に磨き上げたポリッシュケースが、グランドセイコー本来の多面体フォルムと稜線を際立たせる。精悍なブラックダイヤルに加え、製造拠点である長野県・諏訪に所在する、諏訪神社の御柱祭(おんばしらさい)で用いられるモミの木をイメージしたグリーンダイヤルをラインナップ。限定モデルらしい特別感を携えた。
ムーブメントには、機械式のストラクチャーとクォーツの精度制御技術を融合させたスプリングドライブを搭載。ボタンの押し心地にまでこだわった高品位のクロノグラフ機能に加え、ワールドに活躍するビジネスエグゼクティブにも役に立つGMT機能を備える。新たなケース素材へチャレンジし、国産時計づくりの到達点を示す至高のクロノグラフが誕生した。
SEIKO│セイコー
グランドセイコー ブラックセラミックス リミテッドコレクション
スプリングドライブ クロノグラフGMT
ケース│ジルコニア・セラミック(アウターケース)、ブライトチタン(インナーケース)
直径|46.4mm
ムーブメント│自動巻きスプリングドライブ(Cal.9R96)
機能│日付表示、クロノグラフ(30分積算計、12時間積算計)、第2時間帯表示、パワーリザーブ表示
ストラップ│クロコダイル
防水性能│10気圧
限定数│500本(SBGC015、ブラックダイヤル)、600本(SBGC017、グリーンダイヤル)
発売時期│2016年6月10日発売予定
予価│140万円(税抜)
http://wwww.seiko-watch.co.jp
Page03. TAG HEUER│充実の時を迎えた「キャリバー ホイヤー01」
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BASELWORLD|バーゼルワールド
注目の10ブランドをピックアップ
バーゼルの“華”は今年もクロノグラフ(3)
充実の時を迎えた「キャリバー ホイヤー01」
TAG HEUER│タグ・ホイヤー
Cal.1887の精神を受け継ぎ、さらに発展させた自社製クロノグラフムーブメントとして2015年に登場した「キャリバー ホイヤー01(Cal.HEUER 01)」。動作の伝達機構に高品位なコラムホイール方式を採用するなど、320ものパーツを用い、精緻を極めたムーブメントは、創業者エドワード・ホイヤーをリスペクトしてネーミングされた。
2016年のタグ・ホイヤーは、キャリバー ホイヤー01を搭載するカレラの新作が大挙登場する。ホイヤー01 シリーズの大きな特徴のひとつは、文字盤側の地板を大胆にスケルトンカットしていること。このため、文字盤にオープンワークを施せば、文字盤側の歯車やデイトデスクの動作も楽しめる。クロノグラフ針の運針に連動し、積算計が動作する様子もうかがえるのだから、クロノグラフの愛好家にはたまらない。また、12のパーツからなるモジュール式のケースにより、さまざまな素材の組み合わせが可能となっている。
バーゼルワールドで衆目を集めた「タグ・ホイヤー カレラ キャリバー 01 クロノグラフ ブラックセラミック」。レーシーなスタイルのスチールモデルのほかに注目されたのは、グレーを基調としたモデルとオールブラックモデルだ。
ブラック仕様は、セラミックをケースおよびベゼルの素材としている。パンチングを施したラバーベルトと組み合わせた漆黒の精悍な姿は、レーシングカーのインテリアを思わせる。
グレー仕様は、超軽量のグレード2チタン素材を採用し、文字盤もグレーに仕上げられた。サテンやサンドブラスト加工で艶を消し、スパルタンな佇まいを見せる。グレーファントムという愛称の通り、モノトーンで力強いイメージだ。
いずれもタグ・ホイヤーのクロノグラフらしく、アクティブかつスポーティーに使いこなしたい出来で、日本でのデリバリーが待ち遠しい。
TAG HEUER│タグ・ホイヤー
タグ・ホイヤー カレラ キャリバー ホイヤー 01 クロノグラフ
ケース│ステンレススチール、セラミックベゼル
直径│45mm
ムーブメント│自動巻き(Cal.HEUER 01)
機能│日付表示、クロノグラフ(30分積算計、12時間積算計、ベゼルにタキメーター)
ブレスレット│ステンレススチール
防水性能│10気圧
発売時期│2016年7月発売予定
予価│61万円(税抜)
タグ・ホイヤー カレラ キャリバー ホイヤー 01 ブラックセラミック
ケース│ブラックセラミック
直径│45mm
ムーブメント│自動巻き(Cal.HEUER 01)
機能│日付表示、クロノグラフ(30分積算計、12時間積算計、ベゼルにタキメーター)
ストラップ│ブラックラバー
防水性能│10気圧
発売時期│2016年10月発売予定
予価│70万5000円(税抜)
タグ・ホイヤー カレラ キャリバー ホイヤー 01 クロノグラフ
グレーファントム
ケース│チタン
直径│45mm
ムーブメント│自動巻き(Cal.HEUER 01)
機能│日付表示、クロノグラフ(30分積算計、12時間積算計、ベゼルにタキメーター)
ブレスレット│チタン
防水性能│10気圧
発売時期│2016年10月発売予定
予価│66万5000円(税抜)
http://www.tagheuer.com/
エル・プリメロ搭載の新作でクラシックカーレースの世界観を表現
ZENITH│ゼニス
精密な時間計測を主題とするクロノグラフという機能は、モータースポーツや航空機の世界との親和性が非常に高く、こうした分野の計器として生まれた。近年のゼニスは、圧倒的な高速ビートを武器とするクロノグラフを軸に、ブランドのアイデンティティをこの両分野と同調する姿勢を強めている。
一連のパイロットシリーズでは、ルイ・ブレリオをはじめとする20世紀前半の航空時計との関係を想起させるとともに、ツール・オートやヒーローカップなどのクラシックカーレースとのつながりがゼニスのクロノグラフの魅力を一層高めている。
新作「エル・プリメロ 36’000VpH クラシックカーズ」では、ゼニスの象徴である自動巻きクロノグラフムーブメント、エル・プリメロ(Cal.400B)を採用し、クラシックなスタイルに仕上げた。
新作のディテールに目を移すと、アンスラサイトカラーの文字盤は、ストライプ状のエンジン仕上げが施され、クラッシックカーの内装を想起させる。インダイヤルは従来の「エル・プリメロ 36’000VpH」とは異なるカラー配列が特徴で、スペシャル感を押し出すとともに、赤い針が計器然としたイメージを増幅させる。
カーフストラップはヴィンテージ風の表面仕上げとし、パンチングを施すことで、ステアリングをカバーするレザーやグローブをイメージ。ヴィンテージカーの雰囲気を巧みに盛り込んで、エル・プリメロと融合させた秀作は、手の届きやす価格設定にも好感のもてる1本だ。
ZENITH│ゼニス
エル・プリメロ 36’000VpH クラシックカーズ
ケース│ステンレススチール
直径│42mm
厚さ│12.75mm
ムーブメント│自動巻き(Cal.400B)
機能│クロノグラフ(30分積算計、12時間積算計)、日付表示
ストラップ│カーフ
防水性能│10気圧
発売時期│2016年9月発売予定
予価│80万円(税抜)
http://www.zenith-watches.com/jp_jp
Page04. HUBLOT│オールブラックの登場10周年を祝う、ビッグ・バン ウニコ
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BASELWORLD|バーゼルワールド
注目の10ブランドをピックアップ
バーゼルの“華”は今年もクロノグラフ(4)
オールブラックの登場10周年を祝う、ビッグ・バン ウニコ
HUBLOT│ウブロ
“フュージョン(融合)”というコンセプトを掲げ、2005年に登場したウブロ「ビッグ・バン」。素材の融合という意味合いだけでなく、2006年には、ケース、ストラップ、さらに文字盤にインデックスまで一体となる漆黒に染め上げた、オールブラック仕様を発表した。“見える不可視性”という特異な文字盤のスタイルを確立し、時計界のオールブラックモデルの流行をけん引した。
2016年、このオールブラックの誕生から10年を数え、記念碑的なモデルが登場した。自社製クロノグラフムーブメント「ウニコ」を搭載する、「ビッグ・バン ウニコ サファイア オールブラック」が、メモリアルイヤーを飾る。
その素材は、ブラックであり、半透明。光を吸い込むようなブラックでありながら、ウニコの精緻な動きがうかがえる特異な姿に驚かされる。時計全体が“見える不可視性”に包まれている。
その素材は、サファイアクリスタル。時計の風防やシースルーバックの裏ブタに用いられる馴染みのある素材は、ダイヤモンドに次ぐ高硬度を誇り、じつはケース素材としても魅力的。ただ、高硬度の素材を、ケースに整形するのはハードルが高く、その貴重さは、特筆すべきものだ。
このサファイアクリスタルにスモーク加工を施して、漆黒でありながら半透明というカラーリングが実現した。ストラップもブラックの半透明なスケルトンシリコン製で、徹底している。
この時計の対になる完全に透明の「ビッグ・バン ウニコ サファイア」はプレバーゼルで発表されている。モデル名の通り、こちらもケース素材にサファイアクリスタルを用いたモデルだ。いずれも500本の限定ピースとなっている。
HUBLOT│ウブロ
ビッグ・バン ウニコ サファイア オールブラック
ケース│ブラックスモークサファイアクリスタル
直径│45mm
ムーブメント│自動巻き(Cal.HUB1242 UNICO)
機能│クロノグラフ(60分積算計)
ストラップ│ブラックスモークスケルトンシリコン
防水性能│5気圧
限定数│500本
発売時期│2016年8月発売予定
予価│669万円(税抜)
ビッグ・バン ウニコ サファイア
ケース│サファイアクリスタル
直径│45mm
ムーブメント│自動巻き(Cal.HUB1242 UNICO)
機能│クロノグラフ(60分積算計)
ストラップ│スケルトンシリコン
防水性能│5気圧
限定数│500本
発売時期│2016年7月発売予定
予価│613万円(税抜)
http://www.hublot.com/
オールブラックのDLC仕様が登場「オクト ウルトラネロ」
BVLGARI│ブルガリ
2010年の“ウォッチメーカー宣言”以来、進化につぐ進化を遂げているブルガリの腕時計。今やハイクオリティな自社ムーブメントを擁し、コンプリケーションウォッチも手がける、押しも押されもせぬマニュファクチュールだ。オクトは、そんなブルガリの現在を象徴するコクションである。
2016年のオクトに登場した新作は、精悍なオールブラック仕様。1月のプレバーゼルの新作発表会においてその存在が明らかにされていた「究極の黒」意味するオクト ウルトラネロの全容が明らかにされた。これまでに紹介した、ピンクゴールドベゼル+DLC加工ケースだけでなく、ベゼルも漆黒に染め上げた、オールDLC加工の精悍なモデルが発表されている。
円と八角形組み合わせ、構成するケース面は110にも及ぶという複雑で個性あふれるをオクトに、クロノグラフのインダイヤルやプッシャーがメカニカルな風情を与え、大人の男のアイテムらしい仕上がりに。
そこに施されたDLC(ダイヤモンド・ライク・カーボン)加工は、抜群の硬度をも付加する表面処理であり、アクティブなイメージを裏切らない耐傷性をももたらすものだ。
ひと目で心奪われるケースの中には、エル・プリメロベースのキャリバー ヴェロチッシモを搭載。高速を意味するモデル名「ヴェロチッシモ(Velocissimo)」はこのハイビートムーブメントに由来している。ハイレベルのブルガリらしい時計づくりが随所に息づいている。
BVLGARI│ブルガリ
オクト ウルトラネロ ヴェロチッシモ
ケース│ブラックDLC加工ステンレススチール
直径│41mm
厚さ│13.07mm
ムーブメント│自動巻き(Cal.Velocissimo)
機能│日付表示、クロノグラフ(30分積算計、12時間積算計)
ストラップ│ラバー
防水性能│10気圧
発売時期│2016年6月発売予定
予価│121万円(予価)
http://www.bulgari.com/ja-jp
Page05. SINN│創業55周年を祝うスプリットセコンドクロノグラフを発表
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BASELWORLD|バーゼルワールド
注目の10ブランドをピックアップ
バーゼルの“華”は今年もクロノグラフ(5)
創業55周年を祝うスプリットセコンドクロノグラフを発表
SINN│ジン
2016年のジンのブースは祝賀ムードに包まれていた。アーヘン応用科学大学などと共同で構築した航空時計の規格「TESTAF」が、ついにドイツ工業規格に認められたこと。念願のドイツメイドにこだわった時計が完成したこと。そして、創業55年という節目の年を迎えたことだ。3重の喜びがあったのである。
まずクラシカルなルックスに見惚れてしまう、新作「910.JUB」。創業55周年を記念する限定300本の極めて貴重なクロノグラフ。30分積算計とスモールセコンドを横に並べたインダイヤルの配列とクリーム色の文字盤カラー、クラシックな形状のプッシュボタンやリューズといった要素が相まって、ヴィンテージな雰囲気を宿す。
信頼性抜群のバルジュー7750を徹底的にリバイスしたムーブメントを搭載。2本のクロノグラフ秒針を備え、ラップタイム計測を可能とするスプリットセコンド機能を備える。さらに、クロノグラフの「スタート」「ストップ」「リセット」の制御の要となる機構に、動作が滑らかで耐久性も高い、コラムホイールを採用。
仕上げもぬかりなく、シースルーバックから覗く姿は、古典的な装飾やブルースクリューが美しい。裏ブタには、“1961-2016”と創業55周年を示す刻印も施される。
ヴィンテージ感はたっぷりだが、現代的な工業規格を満たす信頼性の高さを併せもち、リューズやプッシュボタンをケースに隙間なく取り付ける「D3システム」のようなジン独自のテクノロジーも息づいている。55周年を飾るにふさわしい完成度のクロノグラフといえよう。
SINN│ジン
910.JUB
ケース│ステンレススチール
直径│41.5mm
厚さ│15.5mm
ムーブメント│自動巻き(Cal.7750ベース)
機能│スプリットセコンドクロノグラフ(ブラックのスプリットセコンド針でラップタイムなどを表示、30分積算計)
ストラップ│ステンレススチール(コードバンストラップ付属)
防水性能│10気圧
限定数│300本
発売時期│2106年夏発売予定
予価│99万円(税抜)
http://www.sinn-japan.jp/
現役スペースウォッチのデザインでクラシック回帰
FORTHIS│フォルティス
1912年に創業したフォルティスは、世界初の自動巻き腕時計など、挑戦的な時計づくりで知られている。現在は主力ラインの「B-42 コスモノート・クロノグラフ」が、国際宇宙ステーション(ISS)のミッションで公式装備となっており、日々宇宙滞在記録を伸ばしている世界唯一の腕時計だ。
新作「クラシック・コスモノート・クロノグラフ」は、“クラシック”が付いたことからわかるように、デザインに過去の腕時計への回帰が見られる。従来、B-42 コスモノート・クロノグラフで採用されてきた回転ベゼルを、新作では非回転式のベゼルに切り替え、タキメータースケールをプリント。
今回の新作のように、クロノグラフのベゼルにタキメーターを印字するスタイルは、1994年に最初に宇宙に飛んだモデルから継承している。このデザインの変更により、フォルティスが本来得意としていたオーセンティックな航空クロノグラフのスタイル彷彿とさせる、新たなコスモノート・クロノグラフが生まれた。
ケースバックはシースルーで、ムーブメントには信頼性の高いバルジュー7750(Cal.Valjoux 7750)を採用。ベゼルの素材違いの2タイプをラインナップする。概して、より親しめるクラシック回帰であり、信頼性、こなれた価格設定も含めて、ユーザーにとってよりフレンドリーになった感がある。
FORTHIS│フォルティス
クラシック・コスモノート・クロノグラフ スチール
ケース│ステンレススチール
直径│42mm
厚さ│14.9mm
ムーブメント│自動巻き(Cal.Valjoux 7750)
機能│日付表示、曜日表示、クロノグラフ(30分積算計、12時間積算計)
ストラップ│カーフ(または、ステンレススチールブレスレット)
防水性能│10気圧
発売時期│2016年夏発売予定
予価│ステンレススチールブレスレットモデル:36万円(税抜)、
カーフストラップ:33万円(税抜)
クラシック・コスモノート・クロノグラフ セラミック
ケース│ステンレススチール、セラミックベゼル
直径│42mm
厚さ│14.9mm
ムーブメント│自動巻き(Cal.7750)
機能│クロノグラフ(30分積算計、12時間積算計)、曜日表示、日付表示
ストラップ│ステンレススチール(またはカーフストラップ)
防水性能│10気圧
発売時期│2016年夏発売予定
予価│ステンレススチールブレスレットモデル:37万円(税抜)、
カーフストラップ:34万円(税抜)
http://www.fortis.jp/
ヨットの世界観に浸るクロノグラフをリモデル
EDOX│エドックス
エドックスはパワーボートやラリーをはじめとするハードなスポーツの公式計時を担当し、さらにそれらのスポーツの場に相応しいタフで機能的な腕時計を製作してきた。グランドオーシャンも、そんなシリーズのひとつである。
このシリーズは2008年に登場し、2013年からエドックスがオフィシャルタイムキーパーを務める国際ヨットレース「エクストリーム セーリング」シリーズの公式ウォッチとなっている。一見したところエレガントなデザインだが、実際にはタフ。ハイテクなヨットレースの世界がそのデザインに投影され、ラグジュアリーだが、ハードユースにも耐えるラインナップを揃える。
2016年は、このシリーズが、大々的にモデルチェンジした。クロノグラフグラフのプッシュボタンをねじ込み式とし、裏ブタもスクリューバックに。リューズのパッキンも二重のダブルO(オー)リングとし、ダイバーズウォッチ並みの300メートル防水を実現。
回転ベゼルのリングは、セラミック製とし、耐傷性や視認性を高めた。12時位置の30分積算計は最初の4分をカウントダウン計測できるように印字されている。これはエクストリーム セーリングシリーズが、4分の待機時間を置くフライングスタート方式を採用していることによる。
大きくブラッシュアップされた、新たなグランドオーシャンだが、そこにはラグジュアリーかつスポーティーなエドックスらしさが息づいている。
EDOX│エドックス
グランドオーシャン クロノグラフ オートマチック エクストリーム セーリング シリーズ エディション
ケース│ステンレススチール、セラミックベゼル
直径│45mm
厚さ│15.2mm
ムーブメント│自動巻き(Cal.Edox011)
機能│日付表示、曜日表示、クロノグラフ(30分積算計、12時間積算計)
ストラップ│ラバー
防水性能│30気圧
発売時期│2016年秋発売予定
予価│39万円(税抜)
http://www.gm-international.co.jp/
[getContents id="1484047"]