究極の希少石「パライバトルマリン」──スペシャリストが語る、その魅力とは?|FEATURES
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2024年6月14日

究極の希少石「パライバトルマリン」──スペシャリストが語る、その魅力とは?|FEATURES

取り引き額は80〜100倍に

2つ目の理由としてメラジュさんがあげたのが希少性だ。
「産出される鉱山が世界で一か所しかなく、しかもそのバタリア鉱山の埋蔵量が極めて少ない。事実上、採掘は終了しています」
この鉱山は1980年代後半に発見されたが、1990年頃に生産がピークを迎え、2000年代にはほとんどの埋蔵量が採掘されてしまったという。「パライバトルマリンが生まれたのは地質的な偶然の産物で、同じ鉱床が再び見つかる可能性はほとんどありません」とメラジュさんは指摘する。
実は、アフリカでも青緑色のトルマリンが発見され、色味が近いことからパライバトルマリンと呼ばれることがある。しかしメラジュさんは、クオリティはブラジル産に比して遙かに劣るという。
こうした希少性から、高品質なブラジル産のパライバトルマリンは高値がつけられている。
「パライバトルマリンが発見され、初めてジェムショー(宝石や鉱物などの展示会)に出品されてから30余年になりますが、取引格はだいたい80倍から100倍になっています」
10年ほど前から、サザビーズやクリスティーズといった一流オークションハウスでも取り扱われ、さらにコレクターから注目されるようになったのも、価格高騰に拍車をかけていると、メラジュさんはいう。
「ブルーグリーンの美しい色味が映えることから、昨今は国内外の名だたるハイジュエリーブランドからも耳目を集めています。あるハイジュエリーブランドが発表したパライバトルマリンのジュエリーのなかには、1億円に及ぶものもあります」
メラジュさんがそう語るように、昨今は名門ハイジュエリーブランドも競うようにパライバトルマリンを用いた作品を発表している。それも、パライバトルマリンの美しさと希少性の高さを物語っているといえるだろう。
メラジュさんは「資産運用の一環としても、パライバトルマリンは非常に優れた選択肢になる」と語る。供給が減る一方で需要は高まるという、極めて資産性が高い宝石だからだ。
「長期的な投資対象としてお薦めできますし、宝石の需要は景気動向にも左右されづらいため、リスクヘッジ資産としても魅力的です」
パライバトルマリンの魅力は、美しさと希少性、そしてそれらがもたらす資産価値にある。人々を魅了し続けるブルーグリーンの輝きは、永遠に色褪せることはないだろう。まさに日本人バイヤーが見出した「新たな価値」が、今なお多くの人々を魅了しつづけているのである。
問い合わせ先

ヌールジェムジャパン
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