ZENITH|エル・プリメロ ストライキング 10th クロノグラフ
Watch & Jewelry
2015年3月30日

ZENITH|エル・プリメロ ストライキング 10th クロノグラフ

ZENITH|ゼニス

ハイスピードで回転する秒針で

1/10秒を直読できる画期的なクロノグラフ

伝統的なスタイルの復活を宣言したゼニス。バーゼルでは過去の伝統を継承し進化させた新作を披露、バーゼル後のいまも意欲的な開発の姿勢を見せてくれる。

文=渋谷康人

El Primero Striking 10th
エル・プリメロ ストライキング 10th クロノグラフ

10振動というハイビートで時を刻み機械式クロノグラフの名作ムーブメントとして知られる「エル・プリメロ」をベースに、通常モデルの6倍速となる、10秒で文字盤を一周するジャンピングセコンド秒針による1/10秒計測機構を搭載。量産型の機械式クロノグラフとしては史上初めて、「1/10秒」を文字盤から正確に読み取れる画期的な新作モデルの登場だ。クロノグラフ針の高速回転と駆動エネルギーの低減を実現するために軽量なシリコン製のダブルホイールを採用、クロノグラフのブレーキ機構をクロノ針の1/10単位の正確な停止・表示のために根本から改良するなど、メカ好きにとっては見逃せない注目の1本である。エル・プリメロのファーストモデルを基本にしながら現代的なリファインを加えたケースと文字盤のデザインも秀逸だ。

自動巻き、ステンレススティールケース、アリゲーターストラップ、ケース径42mm、世界1969本限定、92万4000円。

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BRAND HISTORY
ゼニスは完全自社一貫体制で、ムーブメントから時計の組み立てまでのすべての工程を担う、時計界でもきわめて稀有なブランドだ。

1865年に、ジョルジュ・ファーブル・ジャコによって設立されたマニュファクチュール・ド・モントレ社が前身。同社は高品位かつコストパフォーマンスに優れたムーブメントを製造し、1900年には画期的なリューズ巻きの懐中型ムーブメントを開発。

このムーブメントを積んだ時計は、エスペラント語で「天頂」を意味する「ゼニス」と命名され、パリ万国博覧会で金賞を受賞する。そして同名称が社名にも採用され、ファブリック・デ・モントル・ゼニス社と改称されたのである。

1940年代に入ると、ゼニスはスイス・ヌーシャテル天文台の精度コンテストに出品するため、今でも名機として名高いCal.135を開発。1945年に開催された同コンテストで見事に高精度の新記録を打ち立てると、続いて1948年には同社初の自動巻きムーブメントも発表。当時、ゼニスの技術力は、スイスでも屈指のレベルに達していた。

そして1969年には、ゼニスの名を一躍世界に轟かせた傑作ムーブメント「エル・プリメロ」を開発するのだ。毎時3万6000振動という世界最速を誇る自動巻クロノグラフ・ムーブメントであり、現在でも同社の旗艦ムーブメントとして製造されるロングセラーである。

1999年からはLVMHグループに参画するとともに、ラインナップ全般におけるクオリティアップが図られる。特に新しくCEOに就任したティエリー・ナタフの影響が大きく、彼の優れた采配が、ゼニスのその後の行方を大きく変えていった。

2003年にはメガヒット作「オープン」を発表。さらに2006年にはスポーツコレクション「デファイ」を市場に投入し、メカニズムだけでなくデザインでも魅せる、新しいゼニス像を打ち出すことに成功した。才色兼備なゼニスの作品は、今や飛ぶ鳥落とす勢いで、急速なる発展を遂げている。

【創業年】1865年
【創業地】スイス、ル・ロックル
【主なシリーズ名】クロノマスター、クラス、ポートロワイヤル、デファイ
【問い合わせ先】LVMHウォッチ・ジュエリー ジャパン ゼニス 03-3263-9620
公式サイト:http://www.zenith-watches.com/

           
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