第6回 ドイツ流高級時計の神髄に触れる―グラスヒュッテ・オリジナル
グラスヒュッテ・オリジナル
第6回 ドイツ流高級時計の神髄に触れる――
グラスヒュッテ・オリジナル
ドイツ流の完璧主義で知られるグラスヒュッテ・オリジナル。スイスとは異なる独自の哲学に基づいて生産されるハイ・クォリティなタイムピースに日本初の銀座ブティックで出会う。
Text by NABATA Masaharu
本格マニュファクチュール
ドイツ・ザクセン州グラスヒュッテに本社工房を構える「グラスヒュッテ・オリジナル」は、ほぼすべての部品製造を自社内で行う本格マニュファクチュール (自社一貫生産工場)として知られている。
創業は1845年。以来、ドイツ流の完璧主義と高い品質に対する探求心を継続させ、現在では世界の一級品のひとつに数えられる素晴らしい腕時計を生産する。
このグラスヒュッテ・オリジナルの日本初の、そして唯一の直営販売店が、ニコラス・G・ハイエック センターにある銀座ブティック。それだけに来店した人々から寄せられる質問には、「ブランド名は何と読むのか?」「どこでつくられているか?」といった基本的なものが多いという。
たしかに時計といえばスイスと誰もが思うが、ドイツにも素晴らしい時計製作の伝統があり、その代表的なブランドのひとつがグラスヒュッテ・オリジナルなのである。これは今後、同ブティックを軸として人気が定着することで、わが国でも確実に認知されるにちがいない。
磁器製文字盤のモデルが人気
そんなグラスヒュッテ・オリジナルだが、やはりわかっている人はわかっている。そう納得させるのが、同店がこれまでに販売したモデルである。
現在の最高額商品は、マイセンのポーセリン・ダイヤル (磁器製の文字盤)を採用した婦人用の「レディマイセン“フラワー・オブ・インディア”」というモデル(価格は189万円)。
ただし、これとは別に、5回ほど来店したお客が、ひいきの百貨店で同社の「スターコレクション“アラビックドリーム”」(価格は645万7500円!)を購入したというから凄い。
つまり、グラスヒュッテ・オリジナルの銀座ブティックは、ショップであると同時にショールームであり、一種の広報センターでもあるということ。その事実が、このエピソードからも理解できる。
ここでマイセン製の文字盤をもつモデルを紹介したが、グラスヒュッテはヨーロッパ製磁器の源流であるマイセンとおなじザクセン州に属し、ともに同州を代表するプロダクツということから、グラスヒュッテ・オリジナルのスペシャル・モデルの文字盤がマイセン磁器の工場で生産されている。
これにちなみ、銀座のブティックでも、商談のさいにはマイセンのグラスやカップでお茶を提供し、くつろいだ雰囲気のなかで、ゆっくりと商品を見ることができるのだ。
時計愛好家を魅了するマニュファクチュールの技術
こういった豊富な商品のなかでもスタッフのおすすめは「パノ・ライン」という、同社オリジナルの大型日付表示機構「パノラマデイト」機能を搭載するシリーズである。
「このラインは、グラスヒュッテ・オリジナルの特徴である、オフセンターダイヤルとパノラマデイトを配置したユニークなデザインながら、精密な機構を損なうことなく視覚的効果を最大限にいかしたモデルです」
「また、シースルーバックを採用しており、手作業による精巧な彫刻を施したムーブメントの高い芸術性を感じていただけます」とはスタッフの説明。
サファイアガラスの裏蓋を通して、高度な技術をもつマニュファクチュールならではの精密で美しい仕上げを見れば、誰もがグラスヒュッテ・オリジナルの魅力に心奪われることだろう。
グラスヒュッテ オリジナル ブティック銀座
住所|東京都中央区銀座7-9-18 ニコラス・G・ハイエック センター4F
交通|東京メトロ銀座駅 A3出口より徒歩5分
ブティックの一角にある商談コーナー。壁にはグラスヒュッテ・オリジナルの足跡が、写真とともに年表形式で紹介されている。
グラスヒュッテ オリジナル ブティック銀座
Tel.03-6254-7266
http://www.glashuette-original.com/