CHRONOSWISS|クロノスイス|デジター
Watch & Jewelry
2015年2月24日

CHRONOSWISS|クロノスイス|デジター

クロノスイス|CHRONOSWISS

デジター

Text by OPENERS

時計の世界では、針がインデックスを指し示す「アナログ式」の表示方法に対して、ディスプレイに数字を表示する方式を「デジタル式」と呼ぶ。一般的にデジタルウォッチといえば、液晶ディスプレイに羅列された数字を想起するユーザーも多いだろうが、機械式時計の場合は内蔵された回転ディスクによって小窓に数字を表示することが多い。

クロノスイスのデジターも、内蔵された回転ディスクによって、“時”と“分”と“秒”を表示する。ただし、12時位置に備えられた“時”表示は、1時間ごとに瞬時に数字が切り替えられる。一見すると非常に斬新な表示方法に思えるが、しかし、このような意匠は1930年代の機械式黄金時代にすでに見られたものである。クロノスイスはかつて隆盛を誇ったこの機械式デジタルモデルを、現代に蘇らせたのだ。

しかも、栄華をきわめた当時と同様、クロノスイスはこのデジタルモデルに、美しいレクタンギュラーシェイプを与えてくれた。さらに同社がこだわったのは、角型のケースフォルムに対して、角型のムーブメントを搭載すること。現代の時計界では、角型のムーブメントを見つけることは非常に難しい。供給自体も少ないため、一般的な時計メーカーは角型ケースに対して、丸型のムーブメントを搭載するのが通例となっている。クロノスイスというブランドのこだわりが尋常ならざるレベルにあることは、この1点を持ってしても容易にわかるというものだ。

こうして希少な角型ムーブメントCal.FEF130を搭載したデジターは、世界限定999本のリミテッドモデルとして、2005年に登場した。SSケースはラインナップせずに、18Kケースのみの展開で的を絞り、在りし日の高級時計のユニークな姿を現代の時計ファンに披露してくれたのだ。

手巻き。毎時1万8000振動。40時間パワーリザーブ。ケース縦45.5mm×横27.7mm。18KWGケース。クロコダイルストラップ。日常生活防水。126万円。

           
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