MONTBLANC|今年の「モンブラン国際文化賞」は二代目 市川猿翁氏に
NEWS|「スーパー歌舞伎」の誕生や家柄にとらわれない若手の育成に尽力
モンブラン国際文化賞を二代目市川猿翁氏に贈呈
モンブランが設立した「モンブラン文化財団」が芸術や文化の世界で、若い才能の支援や技の伝承に情熱と献身を傾けているひとに贈る「モンブラン国際文化賞」。22回目となる今年もその贈呈式がおこなわれ、日本からは歌舞伎界を牽引している二代目市川猿翁に贈られた。
Text by YANAKA Tomomi
受賞者には「パトロンシリーズ」のスペシャルバージョンを贈呈
後進を育て、文化や芸術の発展と活性化に貢献する人物を「アートパトロン」と称え、功績のあったひとを毎年表彰しているモンブラン文化財団。年に1度、世界12カ国から、各国一人の受賞者選ばれており、日本ではこれまでに、坂東玉三郎さん(1997年)や野村萬斎さん(2007年)、コシノジュンコさん(2009年)、夏木マリさん(2010年)、オノ・ヨーコさん(2011年)らを選出。世界では、イギリスのチャールズ皇太子(2011年)やクインシー・ジョーンズさん(2012年)、アニエス・ベーさん(2007年)らも選ばれている。
そして、今年の受賞者には、演劇界における教育と育成に尽力したとして二代目市川猿翁さんを選出。市川猿翁さんは、豪華な衣装やシンセサイザー、レーザー照明などをもちいた「スーパー歌舞伎」の誕生に貢献。そのほか、名家出身の役者だけではなく、国立演劇学校、特に国立劇場の研修コース出身の若手を中心に起用する「二十一世紀歌舞伎組」などの取り組みで知られ、若手の役者に情熱を注ぎ、育成を担ってきたことがその受賞理由だ。
市川猿翁さんをはじめ、世界12人の受賞者たちには、受賞者自らが選んだプロジェクトに寄付するための1万5000ユーロが贈られたほか、この賞独自の万年筆「パトロンシリーズ」のスペシャルバージョンも贈呈。この万年筆は、歴史上名高いパトロンたちをデザインテーマに取り上げ、毎年発表されるコレクターズアイテムでもある。今年はレオナルド・ダ・ヴィンチのパトロンとして知られるイタリア・ルネッサンスを代表する君主「ミラノ公 ルドヴィーコ・スフォルツァ」がテーマにされた。
いわば“影”の存在であるアートパトロンを対象にしたアワードは世界にも例がなく、ユニークかつ有意義な存在として“アート界のオスカー”の異名をとるほどの「モンブラン国際文化賞」。伝統や傑出した文化を次世代に継承するという大役を担うモンブランを、今後も注視していきたい。
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