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2021年8月23日
モンブラン銀座本店で江原梨沙子・大谷陽一郎2人展「孤帆の遠影」を開催|MONTBLANC
MONTBLANC|モンブラン
モンブラン銀座本店で楽しむアート。江原梨沙子・大谷陽一郎2人展「孤帆の遠影」を開催
日本における旗艦店であるモンブラン銀座本店にて、江原梨沙子氏・大谷陽一郎氏の2人展「孤帆の遠影」が、2021年7月30日(金)~10月29日(金)まで開催される。「アジアへのまなざし」をテーマとして、多様で複雑なアジアの歴史、東アジアの漢字文化といった地域固有の文化を創造的に編み直す作品が展示される。「アートの次のあり方をつくる」をコンセプトに、ビジネスとテクノロジーを掛け合わせ、アートと個人の新たな関係を提案するプロジェクト・The Chain Museumと、その活動に共鳴するモンブランによる特別展だ。
Text by OZAKI Sayaka|Edit by TSUCHIDA Takashi
ブティックがアートなコミュニケーション空間に変貌
The Chain Museumは、ビジネスとテクノロジーを掛け合わせて、アートと個人の関係を変革させ、アートを更に自律したもの、自由なものにしていくことを標榜し、様々な活動を繰り広げるプロジェクトだ。モンブランは、110余年前より「筆記文化」をリードし続け、人と人との文字を通したコミュニケーションを作り上げてきたメゾンとして、The Chain Museumの活動に深く共鳴し、日本における旗艦店であるモンブラン銀座本店を舞台に、これまでに5人の新進気鋭の若手アーティストによる特別展を開催してきた。その第4弾となる今回は、江原梨沙子氏・大谷陽一郎氏の2人展「孤帆の遠影」展を開催し、ショーウィンドウと店内で、新作を含む作品の展示および販売も行われる。
本展のテーマは、「アジアへのまなざし」。江原梨沙子氏は、日本をはじめとするアジアモチーフや日常の思考をもとに理想郷をテーマに作品を制作し、日本画、油画、フレスコ画を扱い、新たな絵画の可能性を追求するアーティスト。そして、大谷陽一郎氏は、漢字を絵の構成要素とし、東アジアの漢字文化圏の人々に共鳴するような作品を制作している。このふたりの作品をアジア圏最大規模のモンブラン銀座本店に展示することで、店舗に新たなコミュニケーション空間としての可能性が生まれるのだ。また、展示される作品は、The Chain Museumが運営するアート・コミュニティプラットフォーム「ArtSticker」アプリ(https://artsticker.app/share/events/detail/644)からも閲覧可能だ。
同店が位置する東京は、多くの人々が行き交い、多種多様な文化、思想、歴史が交差する都市でもある。江原氏は、東洋と西洋の両義的な視点から制作に取り組んできた。その作品の特徴は、ストラッポと呼ばれるフレスコ画の修復技法を用い、「制作、破壊、修復」というプロセスを反復させる行為だ。本展で展示されるのは、宗教的背景を持つがゆえに幾度となく略奪と破壊を繰り返され、それでも今なおその姿を残している、キジル石窟でのフィールドワークに着想を得た作品。伝統的な壁画表現が現代的なメディウムと交差することで、その土地の持つ複雑な歴史が再構成され、鑑賞者の前に立ち現れる。一方、大谷氏は、文字が持つ表現の幅を拡張することを試みる。今回発表する新作は、水面というユニバーサルな心象風景に出発し、そこに映り込む景色の揺蕩いを表現したもの。作品を一見すると、点描画のようにも見えるが、近づいてよく見れば、同音の「漢字」が重なり合って像を結んでいることがわかる。シンプルながら複層的な水面のイメージは、様々な情報を持つ「漢字」が出会い混ざり合う、「器」としての役割を果たすだろう。
本展のタイトル「孤帆(こはん)の遠影」は、唐代の詩人・李白の詩に由来する。この詩に描かれるのは、船に乗って大河へと旅立つ友を送る日の美しい情景だ。アジアはそれぞれの地域に独自の文化を持ちながらも、急速な西洋化の中でいくつかの転換点を迎えてきた。アーティストたちは、西洋と東洋という単純な二項対立を抜け出し、地域に固有の文化を創造的なかたちで編み直す。複数のコンテクストが交じり合うこの場所から、大河のようなアジアの歴史へと帆を揚げてみよう。
江原梨沙子・大谷陽一郎2人展「孤帆の遠影」
- 会場|モンブラン銀座本店
- 住所|東京都中央区銀座7-9-11
- 期間|2021年7月30日(金)~10月29日(金)まで(予定)
問い合わせ先
モンブランコンタクトセンター
Tel.0800-333-0102
www.montblanc.com