古き良きアメリカのクラフトマンシップを、もう一度!|SHINOLA DETROIT
SHINOLA DETROIT❘シャイノラ・デトロイト
大量生産、大量消費にNO !
デトロイト市民たちによる“Live Well”な
デザイン・ブランドが、ついに伊勢丹 新宿店へ(1)
使い捨ての時代は終わった ―― 。これはアメリカ・デトロイト発のデザイン・ブランドSHINOLAが世界に向けて発信するメッセージである。モノで溢れた時代のアメリカ、その象徴とも言うべき自動車産業ビッグ3のお膝元として趨勢を極めたデトロイト市が、2013年に破綻したNEWSは記憶に新しい。一度は退廃を極めたデトロイトにて誕生した新生ブランドが、苦渋の経験から何を掴み、何を求めたのか。この記事では、そのあたりから紐解いていこうと思う。
TEXT by TSUCHIDA Takashi(OPENERS)
“受け継いでいく”ことを前提とした、頑丈で飽きのこないタイムレス設計
かつてアメリカ経済を牽引した自動車産業の中心地デトロイトは、仕事を求めてこの地に集まってきた移民らを含め、多彩な人種が暮らすメルティング・ポッドだった。ところが自動車産業の衰退とともに街は廃れ、2013年には行政が破綻。人口は180万人から90万人へと半減し、空き家率は1/3まで高まったという。犯罪を避けるように人々は街の中心地から郊外へと移動、デトロイト市内はまさにゴーストタウンと化した。
そんななか、もう一度この地に笑顔を取り戻そうと動き出すチームがあった。2011年に設立したSHINOLAだ。デトロイトには、アメリカの製造業をこれまで支えた真面目で手先が器用な職人が大勢いる。彼らのスキルを用いて、高品質で長く愛用できる製品を生産する。量産しても価値を失わないもの、むしろ工業生産だからこそ生み出せる美しさをSHINOLAは目指した。
その姿は、アメリカがかつて最高に輝いた時代と重なって見える。靴、スーツ、シャツ、ジーンズ……、アメリカにはたくさんの良品が存在するが、そのほとんどは工業生産のなかで生み出されたアイテムたちだ。貴族のための誂えをベースとしたヨーロッパのそれと異なり、一部の富裕層のためではなく、誰もが享受できるものたち。ただし単なる量産品ではなく、職人の手仕事を生かす……。そうしたモノに対するこだわり、モノづくりへのアティテュードが、世界中に愛されるアメリカンブランドを作り出してきた。
MADE IN AMERICAという誇り。SHINOLAは、いま、その原点に立ち返っている。スイスのRONDA社から技術を習い、パーツ供給を受けつつ、彼らは自分たちのムーブメントを手作業により組み立てる。時計に装着する革ベルトの製造においても、主要な作業はハンドメイドだ。使い捨てられるのではなく、世代を超えて受け継がれるために、SHINOLAの時計には、最高の職人仕事が施される。
奇をてらわず、時代が移っても色褪せることのない王道的デザインに留め、むしろ使用するうちに傷やシミが付いてもサマになることに注力。しかるべき補修をすることで長く使い続けることができることを前提としている。その製品を買った時が最高なのではなく、生活に馴染んで使い続けた先に魅力が増していくようなデザイン。それこそが、アメリカのクラフトマンシップが目指しているラグジュアリーへの回答だ。
ちなみにSHINOLAとは“輝く”という意のSHINEが変化した単語だが、スペイン語で頻繁に用いられる語尾のLAがSHINEに付属したものと類推できる。かつて実在した靴磨きクリームの会社名でもあり、ネイティブには、磨きましょう! という掛け声のニュアンスに受け取れるそうだ。そのエピソードを踏まえてなのか、SHINOLAの時計にはストラップを磨くためのクリームが付属する。
今日におけるSHINOLAは、その技術力を生かすべく、取り扱うアイテムを拡大。バッグ、財布、文具、自転車と、ひとつずつ着実に生産手法を確立し、自社工場で200名、全世界で600名を越える職人を抱えるまでに成長した。直営店はデトロイト、ニューヨーク、ワシントンD.C.、シカゴ、ロサンゼルス、サンフランシスコの旗艦店のほか、全19店舗。さらに世界中の主要百貨店などでも取り扱いが始まっている。
SHINOLA WATCH COLLECTION
古き良きアメリカの鉄道時計を彷彿とさせる視認性に優れたダイアルが特徴。ロゴ下に記された“Argonite”とは、SHINOLA独自のクオーツムーブメントの名称であり、デトロイト復活の証とするべく彼らのファクトリーが入るヴィンテージビルにちなんだもの。左/クオーツ。SSケース(径41mm)。ブラックレザーストラップ。Runwell 8万3000円(税別)。右/クオーツ。SSケース(径47mm)。チークレザーストラップ。Runwell Chrono 11万3000円(税別)。
SHINOLA LEATHER COLLECTION
シグネチャーレザーを使用したバックパックとトートバッグ。この素材は、アメリカで生産されたエイジングを楽しめるハイクオリティのレザーである。革製品のファクトリーでは、ほかにもビジネスバッグや女性用のバッグ、財布類などを製造。腕時計用のストラップも、同ファクトリーにて自社製造している。左/Runwell Backpack 14万9000円(税別)。右/MEDIUM SHOPPER 8万9000円(税別)。
SHINOLA JOURNAL COLLECTION
硬質表紙を使用したノートブック。開いた時にノート面が平らになるように設計されたSmyth式糸綴じ法を採用。無酸性で記録保存に優れ、毛羽立ったり滲んだりしない良質な紙を選んでいる。環境に配慮した製法はもちろん、全生産工程をアメリカ国内で行なっているところも美点。エキスパンダブルポケットをひとつ備える。左/Hard Linen(13☓21cm)3800円(税別)。右/Hard Linen(18☓23cm)4100円(税別)。
SHINOLA DETROIT|シャイノラ・デトロイト
大量生産、大量消費にNO !
デトロイト市民たちによる“Live Well”な
デザイン・ブランドが、ついに伊勢丹 新宿店へ(2)
限定アイテムが登場するポップアップ・ストアは5月31日から開催
SHINOLA日本初上陸を記念するイベント「AMEIRICAN LUXURY, DEFINED BY AMERICAN CRAFTSMANSHIP」は、伊勢丹新宿店本館1階=ザ・ステージを舞台に5月31日(水)から6月6日(火)まで開催。ここではメンズコレクションのほか、一部のウィメンズの腕時計とレザーアイテムのラインナップに加え、数量限定のレアアイテムも登場する。
そのひとつが、アメリカンドリームを体現した偉人を讃える「Great Americans Series」の限定モデル、ジャッキー・ロビンソン ウォッチである。ミッドナイトブルーの文字盤は彼が活躍したブルックリン・ドジャース(当時)のチームカラーを示し、ケースバックにはロビンソンの栄誉を讃える引退時の背番号“42”を刻印している。そして特別仕様のボックスには、ミニペナント、ポストカード、3つのピンバッジが収められている。
ジャッキー・ロビンソンとは、人権問題の敬服すべき支持者であり、事業家であり、そしてアメリカの有色人種初のプロ野球選手として活躍した人気選手である。シンプルに徹したスポーティテイストは、タイムレスな魅力を放っている。
Jackie Robinson Watch
品番❘S0120058983
ムーブメント|クオーツ
機能|クロノグラフ、6時位置にビッグデイト表示
ケース素材|ステンレススチール
ケース径|42mm
防水|5気圧
価格|22万5000円(税別)
そしてもうひとつの注目アイテムが、「ブレーキマン ウォッチ」。このモデルは1993年に発行された実物のコインをダイアルとした特別仕様だ。“アメリカ合衆国憲法の父”、第4代大統領ジェームス・マディソンが修正した合衆国憲法を記念する1/2ドル硬貨を採用。また“ブレーキマン”とは、SHINOLAのクッション型ケースシリーズを指し、1900年代初頭の機関車運転手へのオマージュとしてこの名が用いられている。
ザ・ステージの会場ではSHINOLAが誇る最高峰の職人がデトロイトから駆けつけ、手作業によるレザーアイテムの製作デモンストレーションを実施。ジャーナル製品や一部レザーグッズについては、エンボス加工による文字刻印サービスが無料にて提供される。
また職人によるデモンストレーションのほかにも、SNS連動型プリンターサービス「PICSPOT PRINTER(ピックスポット)」は、見逃せない目玉企画だ。 ピックスポットとは、SNS上でシェアされる写真をその場でプリントできるソーシャルメディアプリンターであり、ポップアップ・ストア開催期間中はいつでも体験できる。
そしてポップアップ・ストア開催日と同じく5月31日(水)から、伊勢丹新宿店メンズ館7階=オーセンティック カジュアルではSHINOLAの常設ショップがオープン。ここではユーザーが好みのウォッチヘッドとストラップを自由に組み合わせて選べるWillard Watch Service(ウィラード・ウォッチ・サービス)を展開する。ジャーナル製品や一部レザーグッズへの無料エンボス加工サービスは、こちらでも実施。多彩な組み合わせから、自分だけのオリジナルを見つけて欲しい。
ポップアップ・ストアに関する問い合わせ先/伊勢丹新宿店Tel.03-3352-1111