シャネル・ネクサス・ホールが若き音楽家たちを支援する「シャネル・ピグマリオン・デイズ」期間限定で無料配信が決定|MUSIC

前田妃奈 © CHANEL

LOUNGE / MUSIC
2020年10月21日

シャネル・ネクサス・ホールが若き音楽家たちを支援する「シャネル・ピグマリオン・デイズ」期間限定で無料配信が決定|MUSIC

MUSIC|芸術を愛したガブリエル シャネルの信念を継承する演奏会

若手音楽家5名の情熱溢れる演奏をオンラインで配信

芸術を愛し、支援したガブリエル シャネルの精神を受け継ぎ、若手音楽家によるコンサートや展覧会など、シャネルならではのユニークな活動を行なう「シャネル・ネクサス・ホール」。その活動のひとつとして、若い音楽家たちに演奏会の機会を贈るプログラム「シャネル・ピグマリオン・デイズ」が、新型コロナウイルス感染拡大防止のため無観客コンサートとして、2020年10月16日(金)~11月19日(木)の5週連続で、期間限定オンライン配信される。

Text by OZAKI Sayaka|Edit by TSUCHIDA Takashi

演者による解説とともに楽曲を楽しめるサロン形式

ギリシャ神話に語源を持ち、才能を信じて支援し、開花させる人を表す「ピグマリオン」。ガブリエル シャネルもまた「ピグマリオン」の異名をとり、パブロ ピカソやイーゴリー ストラヴィンスキー、ジャン コクトーをはじめとする同時代の芸術家たちを情熱的に支援していた。
その精神を受け継ぎ、2005年の設立以来、アーティストを支援し続けている「シャネル・ネクサス・ホール」。その主要な活動のひとつが、若い音楽家たちを育成し、年間を通して数回にわたる演奏会の機会を贈るプログラム「シャネル・ピグマリオン・デイズ」だ。
このプログラムでは、毎年5名の将来有望なクラシック音楽の演奏家を公募などで選出し、1年を通じてコンサートの場が提供される。ヨーロッパでは馴染み深いサロン・コンサートの形式で、ステージと客席が音楽を通して対話するような親近感を大切にし、演奏会の途中、演奏家自身が選んだ楽曲について作曲の背景にある物語や曲にまつわる自身のエピソードなどを交えたトークが行なわれ、2019年までに78名の演奏家が経験を積み、音楽家としての新しい一歩を踏み出している。
2020年に予定されていた「シャネル・ピグマリオン・デイズコンサート」は、新型コロナウイルス感染拡大防止のため公演を見合わせており来春再開予定だが、特別に5名の参加アーティストがシャネル・ネクサス・ホールにて無観客で演奏を行ない、このコンサート映像が5週連続で期間限定オンライン配信される。
本年の参加アーティストは、前田妃奈(ヴァイオリン)、水野優也(チェロ)、平間今日志郎(ピアノ)、八木大輔(ピアノ)、鈴木玲奈(ソプラノ)の5名。海外を拠点とするアーティストや、学業と両立しながら活動する現役高校生など多彩な顔ぶれだ。
芸術の秋、実際のコンサートさながらに、アーティスト自身が選んだ楽曲についての解説とともにフレッシュかつ情熱溢れる演奏を視聴してはいかがだろう。

公開日・参加アーティスト(全5回)

  • 第1回:10月16日(金)–10月22日(木) 平間今日志郎(ピアノ)
  • 第2回:10月23日(金)–10月29日(木)前田妃奈(ヴァイオリン)
  • 第3回:10月30日(金) –11月5日(木)水野優也(チェロ)
  • 第4回:11月6日(金) –11月12日(木) 八木大輔(ピアノ)
  • 第5回:11月13日(金)-11月19日(木)鈴木玲奈(ソプラノ)
公式ページ
https://chanelnexushall.jp/
平間今日志郎 © CHANEL
■第1回
10月16日(金)–10月22日(木) 平間今日志郎(ピアノ)
初回の配信では、平間今日志郎さん(ピアノ)の演奏をお届けいたします。高校卒業後に渡米し、パーク大学International Center for Musicに入学し、今秋からは大学院へ進学し、アメリカ生活5年目を迎えます。譜面をオーケストラ的に読んで、すべての音を聴かせて音楽を整えるという指導を受けているそうです。今回の配信では、ベートーヴェン生誕250周年を記念し、自身の思い出深い曲であるというベートーヴェンのソナタをお届けします。
【演奏曲】
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第8番 ハ短調 作品13『悲愴』
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第23番 へ短調 作品57『熱情』
前田妃奈 © CHANEL
■第2回
10月23日(金)–10月29日(木)前田妃奈(ヴァイオリン)
現在、東京音楽大学付属高等学校に在学中の前田妃奈さんは、現役高校3年生。今年開催された第18回東京音楽コンクール弦楽部門では、第1位及び聴衆賞を受賞しました。前半では、今年生誕250周年を迎えるベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ第1番を演奏。後半では、演奏会が再開したら1番に弾きたい曲であった、リヒャルト・シュトラウスのヴァイオリン・ソナタを披露します。ドイツの作曲家、リヒャルト・シュトラウスが20代に作曲した青春の煌めきに満ちた曲想です。
【演奏曲】
ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ 第1番 二長調 作品12-1
イザイ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ 第3番 ニ短調 作品27-3 『バラード』
シュトラウス:ヴァイオリン・ソナタ 変ホ長調 作品18
水野優也 © CHANEL
■第3回
10月30日(金) –11月5日(木) 水野優也(チェロ)
2018年よりハンガリー国立リスト・フェレンツ音楽大学に在籍中の水野優也さん。学校には大きなホールがあり、毎日のようにコンサートが開催され、近くにはドナウ川や美しい風景が広がる環境の中、音楽の勉強に没頭しています。外出自粛中はハンガリー・ブダペストで、時間に追われることなく自由に演奏し、作曲された時代背景を学んだり、ドナウ川をランニングしたりと貴重な時間を過ごしていたそうです。ベートーヴェンのチェロ作品を中心に、関連性のある作曲家のプログラムをお届けします。ブラームスの『チェロ・ソナタ第1番』は、晩秋を思わせるようなチェロの深い低音から始まります。
【演奏曲】
ベートーヴェン:チェロ・ソナタ第4番
ウェーベルン:チェロとピアノのための2つの小品
ブラームス:チェロ・ソナタ第1番
八木大輔 © CHANEL
■第4回
11月6日(金) –11月12日(木) 八木大輔(ピアノ)
現在、慶応義塾高校に通い、学業と両立しながらピアノを学んでいる八木大輔さん。来年再開のシャネル・ピグマリオン・デイズのシリーズでは、毎回異なるテーマのもと演奏したいと話します。今回の配信では、“華麗なる編曲集”をテーマにプログラムを組みました。モーツァルトの『デュポールのメヌエットによる9つの変奏曲』に始まり、難曲として知られ「ピアニズムの頂点をなすものとして、象徴的な意味を持つ」とフェルッチョブゾーニに称されたリストの『「ドン・ジョヴァンニ」の回想』をお届けします。
【演奏曲】
モーツァルト:デュポールのメヌエットによる9つの変奏曲K.573ニ長調
リスト:「ドン・ジョヴァンニ」の回想S.418 R.228
クライスラー/ラフマニノフ:愛の悲しみ、愛の喜び
サン=サーンス/リスト:死の舞踏
鈴木玲奈 © CHANEL
■第5回
11月13日(金)-11月19日(木)鈴木玲奈(ソプラノ)
シャネル・ピグマリオン・デイズコンサートが再開されたら、「クラシック音楽ゆかりの地への誘い」をテーマにドイツ、オーストリア、イタリア、フランス、そして日本で生まれた作品を各国のエピソードを交えながら紹介していきたいと、熱意を語っていた鈴木玲奈さん。今回の配信では、日本歌曲、そしてウィーン留学中に学んだ思い出深いプフィッツナーのドイツ歌曲、最後にオペラアリアをお届けします。
【演奏曲】
山田耕筰:この道
山田耕筰:薔薇の花に心を込めて
武満徹:小さな空
木下牧子:さびしいカシの木
プフィッツナー:古い歌Op.33
I私の輝く瞳Ⅱ 私は幽霊を恐れないⅢ 乳飲み子よⅣ 私は朝霧のなかを歩いて
V 私の恋人はフィンチのように歌うⅥ ローザよ、リンゴをかんでごらん
Ⅶ お入りなさい、気高い戦士よⅧ 明るい月が輝くように
ビゼー:オペラ「カルメン」より“何を恐れることがありましょう”
バーンスタイン:オペラ「キャンディード」より“着飾って、煌びやかに”
■シャネル・ピグマリオン・デイズ2020 参加アーティスト
平間今日志郎(ピアノ)
仙台国際音楽コンクールピアノ部門第5位、全日本学生音楽コンクール全国大会高校の部第2位及び横浜市民賞、PTNAピアノコンペティションF級金賞、Jr.G級金賞など数々のコンクールで入賞。サンパウロ青少年交響楽団、ウズベキスタン交響楽団等との共演をはじめ、国内外で多くのコンサートに出演。現在アメリカパーク大学大学院にてスタニスラフユデニッチ氏に師事。
前田妃奈(ヴァイオリン)
2002年生まれ。東京音楽大学付属高等学校特別特待奨学生。クロスターシェーンタール国際ヴァイオリンコンクール第1位。第88回日本音楽コンクールバイオリン部門第2位及び岩谷賞(聴衆賞)。霧島国際音楽祭賞など国内外のコンクール、オーディション、マスタークラスで多数受賞。江副記念リクルート財団第48回奨学生。小栗まち絵、原田幸一郎、神尾真由子の各氏に師事。
水野優也(チェロ)
第83回日本音楽コンクールチェロ部門第3位。第13回東京音楽コンクール弦楽部門第1位及び聴衆賞。第23回コンセール・マロニエ21弦楽器部門第1位。桐朋女子高等学校音楽科(男女共学)首席卒業。特待生として桐朋学園大学ソリスト・ディプロマ・コース修了。現在、ハンガリー国立リスト・フェレンツ音楽大学にてミクローシュペレーニ氏に師事。
八木大輔(ピアノ)
2003年生まれ。2017年5月、第7回ピアノタレント国際コンクールにて大賞および聴衆賞受賞。同年10月、第30回ポッツォーリ国際ピアノコンクールにおいて第3位、2018年5月、チッタ・ディ・カントゥ国際ピアノ協奏曲コンクール古典派部門で第1位、など国際コンコールで数々の史上最年少の入賞を果たす。現在、慶應義塾高等学校在学中。
鈴木玲奈(ソプラノ)
東京音楽大学声楽演奏家コース及び同大学院を共に首席修了。日本音楽コンクール声楽部門第1位、Ljuba Welitsch国際声楽コンクール第1位など多数受賞。
日生劇場でのオペラ「後宮からの逃走」ブロンデ役をはじめ、国内外で活躍の場を広げている。文化庁在外研修員、明治安田COL海外音楽研究生としてミュンヘン、ウィーンにて研鑽を積む。
問い合わせ先

シャネル・ネクサス・ホール事務局
Tel.03-3779-4001